もう一度……〜女神の依頼を受けて召喚された世界で俺の人生が変わりました〜

ソラ

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第1章

49 告白

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エードラムが生まれて半年が経った。

ちゃんと父母を見分けているようでジャックロードに抱っこされている時が1番機嫌が良い。その様子にプラヴァスは少しヤキモチを妬いているようだ。


「エードラムも順調だな」

ジャックロードに抱っこされているエードラムの頭を撫でれば声を出して笑う。
時々喃語で何かを話している様子もある。

ジャックロードとプラヴァスも子育てと仕事をバランス良く行えているようで、3人とも何時もニコニコしている。


「セイゴはどう?」

ジャックロードの曖昧な質問に小首を傾げながらチラリとアルフィーノを見るが無表情で前を向くばかりだ。

「ジャックロードとプラヴァスが頑張ってくれてから、自然分娩での安全性を確立できそうだ。ただなぁ……」

問題は魔力量で変わる胎児を守る魔力の被膜。
魔力量が少ないと被膜が薄く分娩の途中で破れ感染症を起こすリスクが高くなる。

魔力量が少ない場合は帝王切開の方が良いと思う。何処にそのラインを持ってくるかで今ヒースさんと話し合っているところだ。

帝王切開で出産する為には身体を切り開くため、同意書をもらっている。アンジェリークは日本程識字率が高くないから、書類で残すことが良いのかどうかも悩み中だ。

そうジャックロードに伝えると、ジャックロードは「聞き方が悪かったか……」とため息をついていた。

何が聞きたかったのだろうか?

チラリとアルフィーノを見るが変わらず前を向いたままだ。

う~ん……分からんな。



アルフィーノの様子がおかしいと感じてから随分と時間が経ったが、暫くは思い悩む様子があったものの最近ではこうして視線を合わさないことが増えた。今までと変わらない日常生活は続いている。

相談もない。

俺が助けてやれることは少ないかもしれないが少しくらい話してくれてもいいと思うんだがな。

可愛い弟分だ。ずっと傍にいて助けてやりたいと思う。叶わないことだが……

それが分かっているから俺からは聞き出すことができない。



気がつけばアルフィーノを見ていた。
そっと視線を外す。

近頃気がつけばアルフィーノを見ていることがある。結構な頻度でだ。

何も話してくれないから気になっているのが原因だろう。



今日の予定を全て熟し自室でゆっくりさせてもらっている。
俺だと3人ほど座れそうな大きくゆったりとしたソファに身体を預ける。

今日もよく働いた。
少し水分を摂ったら寝るとしようか。もう少し資料に手を加えたいところもあるが……

などと悩んでいると目の前にアルフィーノが片膝を付き騎士のような佇まいで俺と対峙した。
あ。いや。アルフィーノは騎士団長だったわ。

俺も浅く腰掛け直し背筋を伸ばす。

どうした?

視線で促せばアルフィーノは小さく頷き、俺の指先に触れた。そっと持ち上げられる。

その行動、仕草にドキリと心臓が跳ねた。

触れられた指先からアルフィーノの熱が伝わり更に胸が高鳴る。

ヤバい。
何か分からんがヤバい。

視線が彷徨う。
今までこんなことされたことない。
恥ずかしくてアルフィーノを見ることができない。

「セイゴ様」

改まった声で呼ばれギュッと胸が苦しくなる。

今までこんな呼び方されたことない。
距離を置かれたみたいで悲しくなってきた。

俺の表情を見てアルフィーノも泣きそうな表情かおになる。

何でお前がそんな表情かおすんだよ!!

「……これはケジメなのでお許しください」

深く頭を下げ、俺の手の甲に額を付ける。

「セイゴ様。女神シルフィーナ様の召喚に応じて下さりありがとうございます。セイゴ様がご降臨なさってから1年が経ちます。健やかにお過ごしいただき、私共をお助けいただきありがとうございます。皆が感謝致しております。つきましては、明日セイゴ様に感謝を伝える会を催したいと陛下より言伝を預かっております。是非ご参加下さい」

そのままの姿勢でアルフィーノは言い切った。

そうか。
もう1年が経つのか。

忙しくしていてホームシックになる暇もなかった。

いや。違うな。

何時でもアルフィーノが傍にいて俺を気遣ってくれていたからだ。

「ありがとう。……是非参加させてもらうよ」

言葉を返すとアルフィーノがゆっくりと顔をあげる。
アルフィーノと視線が合うと頬を緩めるがアルフィーノは更に苦しそうな表情かおになり、触れていた指先を握り俺を引っ張った。

「あっ」

アルフィーノの腕の中に倒れ込み、アルフィーノは俺をギュッと抱き込む。

ソファを滑り落ち、アルフィーノの足を跨ぐように座り込んでしまう。そっとアルフィーノの身体を押すが離れようとすると更に強く抱きしめられる。

「……セイゴ……」

掠れたようなアルフィーノの声が腰に響く。

「……そんな表情かおしないでくれ……」

囁くような掠れたアルフィーノの声が俺の動きを封じる。

「セイゴがそんな表情かおだと…………」

耳元にアルフィーノの息がかかる。それにゾクゾクしてもう足に力が入らない。

「……ある…………ふぃー…………。……むりぃ…………」

アルフィーノの胸に額をグリグリと擦り付ける。

「……貴方って人は…………」

アルフィーノが何かを言いかけるがその先は聞こえてこない。
大きく息を吐くとアルフィーノは間近で俺の目を覗き込む。

「俺は貴方のことを好ましく思っています」





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お読みいただきありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

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