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第1章
50 重ならない思い *
しおりを挟む「言い方が悪かった。俺は貴方が好きだ。だから…………」
アルフィーノの指が俺の頬を優しく撫でる。
俺を……好き……?
兄のように?
頬を生暖かいモノが一筋伝う。
分からない……
「……セイゴ……」
アルフィーノの指が俺の頬を撫で、その後俺の顎をすくい上げた。
アルフィーノの瞳に俺が映る。
ゆっくりとアルフィーノの顔が近付いてくる。
その様子を他人事のように見ていた。
そっと温かく柔らかい感触が唇に触れる。
一瞬のことだった。
ぼんやりアルフィーノを見上げる。
「……ごめん……セイゴ…………好きになってごめん」
アルフィーノが眉尻を下げ悲しそうに笑った。
その表情が俺の胸を締め付ける。
可愛い弟分だと思っていた。
でも、裏切られたという思いはない。
俺は……大好きな可愛い弟だと思っていた。
だから気づかなかった……
今だから思う。
どうして俺は同じ世界に生まれなかったんだろうと。
そうすればずっとアルフィーノと一緒にいられたのに……
苦しい。
俺だってアルフィーノが好きだ。
弟だと思っていたが、今違うと気がついた。
兄として好きだと言われたと思った時には悲しかった。
知らないうちに涙が零れた。
さっき唇に触れたのはアルフィーノの唇。
嫌じゃなかった。
嬉しかった。
俺を好きだと思ってくれる気持ちが嬉しい。
でも………………
俺はアルフィーノの気持ちを受け入れることはできない。
俺に残された時間は後半年。
半年で日本に帰還する。
半年後別れるのが分かってて受け入れることは出来ない。
アルフィーノを傷つけるかもしれない。だけど、受け入れて会えなくなる方が辛いだろう。
顔を上げアルフィーノの瞳を見つめ嘘は無いとアルフィーノに思わせる為に微笑む。
悲しい表情は見せない。
「ありがとう。アルフィーノ。俺もお前が大好きだよ。
…………弟として…………」
謝らせてごめん。
でも、アルフィーノの幸せを考えたら受け入れることは出来ない。
俺が居なくなった世界で俺を思い出すのは辛いだろう?
フラれたと、俺じゃない誰かを好きになってくれ。
言いたくない。言わなきゃいけないんだろうけど……言いたくない。
半年後、俺が帰還したら存分に好きな人を、愛する人を探してくれ。
我儘だって分かってる。でも、俺がいる間は探さないでくれ。
もう少しだけお前の傍にいる幸せを感じさせて欲しい。
我儘だってわかってる。
幸せだと、幸せだったと思い出せるようもう少し……時間の許す限り……
目を閉じれば目尻から思いが溢れ出る。
今だけは…………求めてもいいだろうか…………
(もう一度…………)
アルフィーノの唇が目尻から溢れた思いを掬い取る。
何度も何度も溢れた傍からアルフィーノが掬い取る。
全てアルフィーノが持っていってくれたらいいのに……
ああ。でも、きっとアルフィーノが持っていっても奥から溢れてくるから無くなることはないだろう。
アル……アルフィーノ……
……もう一度…………
アルフィーノの唇が優しく触れる。
俺を確かめるように唇を擦る。
くっ付いては離れ、離れてはくっ付きを繰り返す。
角度を変え何度も何度も何度も……
温かく湿った感触が気持ちいい……
喰まれた唇も気持ちいい。もっと、もっとと求めてしまう。
受け入れないのだからこれ以上はダメだという考えと、アルフィーノが求めてくれるのを拒否したくない思いがぶつかり合う。
俺の心と身体はアルフィーノに齎される刺激を嬉しいと感じ全てを受け入れている。
ダメかもしれない。
俺が………………………………アルフィーノの全てが欲しいと思ってしまっている。
ごめん。アルフィーノ。
俺、我儘でごめん。
でも今だけだから…………
それから気持ちよくなりすぎて朦朧として意識を手放すまで只管アルフィーノに唇を貪られた。
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お読みいただきありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
アルフィーノ君、我慢の子です。
我慢できなくてチュッチュッしちゃってますが(*´ω`*)
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