君に恋して…~最低で最高な2人!?

ikaten

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第1話 独身の結婚アドバイザー

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「お待たせしました!!結婚相談所アドバイザーを務める
柊拓海と申します。精一杯結婚へのサポートをして参りますので、
どうぞよろしくお願いします。」


「柊さんお疲れ様です!!今回の相手どうですか?」
拓海に向かって部下である横山遥が話しかけてきた。
「ちょっと今回の相手は大変かな。まぁ大丈夫だよ。
俺は確実に相手に合ったパートナーを探すのが俺の仕事だからね。」
拓海は自信満々に答えた。

巷で話題になっているこの結婚相談所。カップル成立率100%を誇る
実績を持つ男がいるからである。それが柊拓海という男なのだ。
仕事では大成している彼なのだからどれだけプライベートも充実している
のだろうか?

が、現実はそこまでいい方向に進むことはない。
34歳 実家暮らし、現代で言う子供部屋おじさんになろうとしているのだ。

朝9時
「拓海、いい加減起きたらどう?」
母親が拓海の部屋に入り、掃除機を掛けながら拓海を起こした。
「今日は少し遅めの出勤だからいいの。母さん、勝手に部屋に入るなよ。」
拓海は少し強めの口調で話した。
「またこんなエロDVDみたいなの借りてきて…いい加減彼女作りなさいよ。
私は生きてる間に孫の顔が見たいのに。」
母がそう話すと、拓海は少し不貞腐れながらこう返した。
「結婚だけが幸せのカタチとは限らないからな。」
そう彼は仕事の時とプライベートの時のギャップが物凄く激しいのだ。

「いらっしゃいませ。初めての方ですか?」
拓海がそう言うと、少しケバイ女性が入店してきた。
「あ、はい。成功率100%と聞いたので来たんですけど、柊さんって
居ます?」
「あ、僕ですね。」
何とも気まずい空間が流れる。拓海にとって久々に厄介な客の予感が
したのだ。
「なんか、パットしないというか、ホントに100%誇ってるんですか?」
「お客様にぴったりと合ったパートナーを見つけるのが僕らの仕事
ですから。」
拓海はむかつく感情を抑え、笑顔で答えた。

「先輩、お疲れ様です。なんか今回やっかいそうな客ですね。」
遥が拓海に駆け寄り話した。
「なんか久々にフラストレーションが溜まった気がするわ。
腰に力入りすぎて腰痛めたんだけど…」
2人が雑談をしていると、上司の林が割って入ってきた。
「おいおい横山。お前話してる暇あるなら1回位カップル成立
させたらどうだよ!!」
林から怒鳴られ少ししょんぼりしていると拓海が仲介に入った。
「まぁまぁ横山も頑張ってるんだからあんま怒らないでください。
チームの士気も下がりますし、いいことはないですよ。」

終業後
「先輩すいません。私のせいで…」
拓海と二人で歩きながら話した。
「まぁ部長も少し怒りすぎだとは俺も思うよ。
お前も辛くないのか?毎日あんなに怒られてたらしんどいんじゃない?
俺でよければ話は聞くよ。」
拓海は冗談交じりに話した。
「じゃあ、今日飲みに行きませんか?そこで話聞いてください。」

「なんなんですかあのクソ部長。自分が少し偉いからって
偉そうに上から言いやがって…ねぇ先輩。」
遥はレモンサワーを片手に話した。
「うん…いいんだけど、飲みすぎじゃないかな?5杯目?
うん…払うんだよ。俺が出すんだけど、遠慮っていうものを
お前は会社に置いてきたのかな?」
拓海は若干引いていた。
「何言ってるんですか?先輩も飲みましょうよ。
明日は休みですよ。今日は朝まで飲むぞ~!!」
遥の暴走はもう誰にも止められないだろう。
「そういえば先輩って彼女いないんですか?」
「俺はいないよ。もうここまで来たら独身貴族でやってこうかな。」
遥は少し黙るといきなり拓海のそばに寄った。
「先輩は作ろうと思えば作れそうなのに…何なら私が彼女に
なりましょうか?」
「は?もう黙ってろ酔っ払い。」
拓海は軽くあしらった。
「結構私の家と近いんですね。先輩ここまでありがとうございました。
バイバイ~」
「ハイハイ来週から頑張れよ。」
拓海は遥を家の近くまで送るとそそくさと帰ると遥は拓海の後ろ姿を
見ながら小さくつぶやいた。
「結構本気なんだけどな…」

月曜日
「はぁどういうことよそれ!!」
先週来たケバイ女性が拓海に向かって怒鳴っていた。
「我々はベストなパートナーを探すのが我々の仕事です。
僕としてはお客様の誰でもいいという言葉は聞き捨てならないんです。
お客様からお金を頂く以上、手を抜いて仕事をするわけにはいきません。
代金はもちろん返金いたしますのでお帰り頂けないでしょうか?
ここにいる方たちは結婚というのに希望を持っていらっしゃいます。
一生涯を過ごすパートナーを簡単に決めてはいけないんです。」
女性は何も言い返せなくなると、ばつが悪そうにそそくさと帰っていった。
「いいんですか先輩?部長に怒られますよ。」
遥は心配そうに拓海に駆け寄った。
「俺は仕事である以上手は抜きたくないし、お客にも誠心誠意ぶつかりたい
んだ。このやり方はあんま好かれるやり方じゃないんだろうけど、
信頼を得るためにはこういうこともしっかり線引きできないといけない。」
拓海は淡々と話した後事務所に戻ろうとする拓海を引き留めた。
「先輩、金曜日言ったこと…私本気なんで。」
それを聞くと拓海は「俺は彼女は作らない。今もこれからも…」
とだけ言い去った。

     第1話 独身の結婚アドバイザー
 
                  完
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