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猫の古本屋
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私は雨の日の中、いつもの古本屋へと向かった。
幸い、雨は少ししか降っていなかったので常備している折り畳み傘を使わずに歩いた。
いつも使う道は道幅が狭く、交通量も多い。
もし雨が降ってきて傘をさしたら車とぶつかってしまう。
なので今日はいつもと違うより細い道を歩いて古本屋へ向かおうとした。
しばらくすると、畑が現れて行き止まりになった。
私は渋々別の道を行くことにした。
その畑を回るように西へ西へと進んだ。しかし、随分と大きい畑だ。もう30分は歩いている。
ようやく畑を周り、もとの古本屋への道に出た。
いつもの古本屋へ着き、中へ入ろうとしたとき、本日営業休止の紙が目に飛び込んできた。
私は残念に思いながら諦めて帰ることにした。
そして来た道を戻っていると、あの畑の真ん中に看板が立っているのに気がついた。
畑の真ん中に近づいた。その看板には『猫の古本屋 この先真っ直ぐ』何やら釘か何かで掘ったような字であったが、古本屋に行けなかった私は興味を持った。
畑と畑の間にある細い道を進むと、森で囲まれた異様な雰囲気の古本屋があった。猫の古本屋。
大きい看板の下にある入り口からは灯が漏れていた。
カランカラン。私は戸を引いて中に入った。
『いらっしゃいませ。』
レジの横には大きな3、4メートル近くある猫がドンッと風格を表して座っていた。
私は非常に驚いた。
猫の古本屋というものだからてっきり店主が猫を飼っているとかそういうものを想像していたのだが、実際に猫が店主とは。
私はすぐに逃げ出そうとしたが、
大猫が『おや。人間かい。人間のお客さんは久しぶりだね。ささ。どうぞ中に入って。ごゆっくり。』
と流暢な人間の言葉を喋るものだから私はコスプレをしているだけだと思った。
そう思い、安心し、中に入った。
よく見ると、猫たちが本を立ち読みしている。
私は気になって話しかけようとしたのだが、
すると大猫が『あ、人間さん。立ち読みしてる猫には話しかけないであげて。あの猫たち集中しているときに話しかけられると怒りっぽくってね。』
私はそれに従い、話しかけないでいたのだがどうも気になる。
人間がコスプレしているには小さすぎる。
第一、客がコスプレをして店の中に入るものか。
私は気にかけながらも店内を徘徊した。
店の中にある本のタイトルを見て回ると、これもまたおかしい。
本のタイトルが全て『猫になる方法』なのだ。
なるほど。みんな猫になりたいのか。猫になりたい人たちが集まっている店なのか。そう考えても気味が悪いな。
ただ、本がそれしかないので猫には全く興味がなかったのだが立ち読みをしてみることにした。
【この本を選んでいただき、ありがとうございます。この本ではたった2ステップで猫になる方法をお伝えしたいと思います。
1ステップ まず背中を曲げて猫背になってください。
2ステップ 次に猫のイメージをしながら”ネコノカタチ”と唱えてください。周りに人がいる場合は心の中で唱えても構いません。】
私は言われた通りにやってみた。”ネコノカタチ”そう唱えた瞬間、
私の体は猫になった。
そして今も猫の体であり続けている。
立ち読みをしながら。
私は予知夢者である。
そして、この手紙を読んだ方は決して猫の古本屋へは近づかないでほしい。
万が一、猫の古本屋の中に入ったのなら、猫の店主にこう告げてほしい。
”ニンゲンノカタチ”と。
幸い、雨は少ししか降っていなかったので常備している折り畳み傘を使わずに歩いた。
いつも使う道は道幅が狭く、交通量も多い。
もし雨が降ってきて傘をさしたら車とぶつかってしまう。
なので今日はいつもと違うより細い道を歩いて古本屋へ向かおうとした。
しばらくすると、畑が現れて行き止まりになった。
私は渋々別の道を行くことにした。
その畑を回るように西へ西へと進んだ。しかし、随分と大きい畑だ。もう30分は歩いている。
ようやく畑を周り、もとの古本屋への道に出た。
いつもの古本屋へ着き、中へ入ろうとしたとき、本日営業休止の紙が目に飛び込んできた。
私は残念に思いながら諦めて帰ることにした。
そして来た道を戻っていると、あの畑の真ん中に看板が立っているのに気がついた。
畑の真ん中に近づいた。その看板には『猫の古本屋 この先真っ直ぐ』何やら釘か何かで掘ったような字であったが、古本屋に行けなかった私は興味を持った。
畑と畑の間にある細い道を進むと、森で囲まれた異様な雰囲気の古本屋があった。猫の古本屋。
大きい看板の下にある入り口からは灯が漏れていた。
カランカラン。私は戸を引いて中に入った。
『いらっしゃいませ。』
レジの横には大きな3、4メートル近くある猫がドンッと風格を表して座っていた。
私は非常に驚いた。
猫の古本屋というものだからてっきり店主が猫を飼っているとかそういうものを想像していたのだが、実際に猫が店主とは。
私はすぐに逃げ出そうとしたが、
大猫が『おや。人間かい。人間のお客さんは久しぶりだね。ささ。どうぞ中に入って。ごゆっくり。』
と流暢な人間の言葉を喋るものだから私はコスプレをしているだけだと思った。
そう思い、安心し、中に入った。
よく見ると、猫たちが本を立ち読みしている。
私は気になって話しかけようとしたのだが、
すると大猫が『あ、人間さん。立ち読みしてる猫には話しかけないであげて。あの猫たち集中しているときに話しかけられると怒りっぽくってね。』
私はそれに従い、話しかけないでいたのだがどうも気になる。
人間がコスプレしているには小さすぎる。
第一、客がコスプレをして店の中に入るものか。
私は気にかけながらも店内を徘徊した。
店の中にある本のタイトルを見て回ると、これもまたおかしい。
本のタイトルが全て『猫になる方法』なのだ。
なるほど。みんな猫になりたいのか。猫になりたい人たちが集まっている店なのか。そう考えても気味が悪いな。
ただ、本がそれしかないので猫には全く興味がなかったのだが立ち読みをしてみることにした。
【この本を選んでいただき、ありがとうございます。この本ではたった2ステップで猫になる方法をお伝えしたいと思います。
1ステップ まず背中を曲げて猫背になってください。
2ステップ 次に猫のイメージをしながら”ネコノカタチ”と唱えてください。周りに人がいる場合は心の中で唱えても構いません。】
私は言われた通りにやってみた。”ネコノカタチ”そう唱えた瞬間、
私の体は猫になった。
そして今も猫の体であり続けている。
立ち読みをしながら。
私は予知夢者である。
そして、この手紙を読んだ方は決して猫の古本屋へは近づかないでほしい。
万が一、猫の古本屋の中に入ったのなら、猫の店主にこう告げてほしい。
”ニンゲンノカタチ”と。
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