猫の古本屋、他

アール

文字の大きさ
2 / 2

夜中の世界

しおりを挟む

『こんばんは。とうとう君もこの世界に迷い込んだようだね。』そんな声が突然聞こえてきた。

『あ。失礼。僕の名前はライラ。この世界の観光案内所で働いています。それではさっそくこの世界を紹介していくね。』

私は何がなんだかさっぱりわからなかった。

昨日はいつも通りに過ごして少し早めに寝ただけなのだが、

突然、このライラという浮遊しているやつが目の前に現れて。。。

こうして考え、黙り込んでいるうちにライラがまた話しかけてきた。

『あ。ごめん。ちょっと困惑したかな。気になることあったら聞いてね。ただし時間がないから3つまでね。』

『この世界は?』『なんで私がここにいるの?』『あなたは誰?」

私は少々パニックになっていて立て続けに3つ質問をしてしまった。

ライラは驚いた表情であったが、すぐさま笑みを浮かべて返してきた。

『えーと。ここは夜中の世界。あなたは迷い込んだ。僕はライラ。』

ライラはカタコトでロボットのようになっていた。

私は質問の仕方が悪かったのか肝心なことが聞き出せず、まだ困惑に落ちいていた。

そんな中、ライラはすぐさま話を続けた。

『はい。3つ終わったね。じゃあ、紹介していくよ。』

『まずご覧いただきたいのがこれ。人がいないでしょ。全然。そうなんだよ。いないんだよ人が。あ。少しはいるけどね。』

確かに人は普段生活しているところに比べてとても少なかった。

ライラは続けた。

『で、その少しの人がこれ。ベージュ帽の歩くマシーン。』

『散歩をしているだけらしいんだけど、なんとロボットだから夜中の間に100kmは歩くらしいよ。ただ、朝になる
とどこかに行ってしまうけどね。その何処かって? 歩くマシーンたちが集まるカフェがあるらしい。本当に場所は
知られてないんだ。だからどこにあるかはわからないけどね。』

私が質問を挟む暇なくライラは立て続けに話をしていた。

私は何処か違和感があった。

確かにここは夜中だ。

そして場所も知っている。

そう考えているうちにまたライラは話し始めた。

『で、次は妖怪を操っている黒い服を着た人たち。これが一番多いんだ。いろんな種類の妖怪たちを操っているんだけど、とても速い。歩くマシーンとは大違い。聞くところによると、その妖怪たちは別の姿をしているんだって。でもみたことないや。それで、その黒い服を着た人たちは・・・』

まだまだ続けようとしていたので私は強引に話を止めた。

『ちょっと待って。この説明はなんのためにしてるの?』

ライラは話を止められて不満そうな顔をしながらえた。

『うーん。困ったなあ。本当は全部終わるまで話しちゃダメって言われてるんだけど。。まあいいか。どうせ逃げられないし。』

逃げられないという言葉を聞いた途端に私は恐怖を感じた。

『実はね、夜中の世界もエネルギーは必要でね。そのエネルギーは移動エネルギーと言われていて、移動しないと得られないんだ。前までは昼間の移動だけで十分だったんだけど、なんか知らないけど最近、昼間の人の移動量が少なくてね。それで昼間に活動している人を連れてきてるってわけ。分かった?』

私は全く意味がわからなかった。

『え。何が。。。』私は呟いた。

すると、今まで笑みを忘れなかったライラが笑みを無くして口を開いた。

『だから、どっちか選べって話!』

ライラが怒鳴ったときに私は目を覚ました。

そこは日が出ていて明るかった。

家に帰って見ると、テーブルの上に紙が置かれていた。

私はその紙を覗き込むように見ると、”診断書”と書かれていた。

『診断結果:睡眠時遊行症』
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

令嬢失格な私なので

あんど もあ
ファンタジー
貴族の令息令嬢が学ぶ王都学園。 そこのカースト最下位と思われている寮生の中でも、最も令嬢らしからぬディアナ。 しかしその正体は……。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

邪魔者な私なもので

あんど もあ
ファンタジー
婚約者のウィレル様が、私の妹を食事に誘ったと報告をしてきました。なんて親切な方なのでしょう。でも、シェフが家にいるのになぜレストランに行くのですか?  天然な人の良いお嬢さまが、意図せずざまぁをする話。

婚約者が多すぎる

あんど もあ
ファンタジー
器量も知力も魔力も平凡な第三王女アネット。もうじき16歳になるというのに、政略結婚の話も無い。私ってモテないから、と本人は思っているけど、彼女は無自覚しごでき王女だった。

処理中です...