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麗奈の回想
しおりを挟む麗奈は、幼い頃から家族から可愛い可愛いと言われながら育った。
確かに可愛かった。
彼女の父は日本人だが、母が金髪翠目なので見た目がどうしたって外国人とのハーフだ。
当然、周りの子供達より随分目立っていたその上若干お人好しでぼんやりした性格だった。
そのせいで幼い頃に仲間ハズレにあったり誘拐されかけたりと、とんでもない目に合うことを度々繰り返したせいで礼儀正しいのだが警戒心が強く少々引っ込み思案な女の子に育ってしまった。
それなりの年齢になってくると異性からのアプローチも結構な数で発生したが、どうもピンとこない。
好意を抱いてくれるのは分かるのだが元々が引っ込み思案で人との付き合い方が上手くない。
その上幼少期のトラウマなのか他人との距離感が分からないためおつきあいに発展することは皆無だった。
年齢が進むに連れて、誤魔化し方やその場を上手くやり過ごす方法だけが上手くなっていくが卒なくこなせるだけで自分の気持ちは他人には出せないままだった。
気持ちを正直に話せるのは家族だけだ。
母の云う、
『この人! ってピピっときて、ぽわ~んてなって、その人のことを10分に1回思い出す』
という恋の仕方も全くわからない。
だけどそれは個人個人で受け取り方がきっと違うのだからと半ば放置し、そのまま社会人になった。
会社の受け付けとして働くことに決まった出勤初日、研修で習ったマニュアルにない事が現場では山積みだった。
受付は4人いるはずなのだが、1人は有給休暇で月曜からの出勤。
もう1人は子供が熱を出したらしく保育園からの呼び出しがあり
『ゴメンね』
と言いながら早退していった。
日報の書き方や鍵の場所等のメモは貰ったし、もう一人受け付けはいるから大丈夫だろうと思っていたら、同じ時間のシフトに入る子が
『彼氏の呼び出し♡ 』
とか言いながら、17時30分で退社してしまった。
『日報書いといてね~』
と軽く言いながら帰るのを見て、この会社はコレで大丈夫なのかとちょっとだけ心配になった。
それでも言われた日報を書こうと用意していると、翌日に届く外注の荷物が予定外に大量に届きアタフタしているうちにすっかり遅くなってしまった。
全てを終わらせて、日報を書いていると、どこまで書けばよいのか分からなくなり書く量が増えて行き・・・
気がつくと受付の前に、眼鏡を掛けた背の高い男性社員が立っていた。
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