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しおりを挟む「石川さん。
ウチはね~、絶対男が産まれる家なんですよ~。
まあ、云うならば男系の家とでもいいますかなぁ。
ですからね、余っちゃうんですよ息子が」
トンデモナイことを翔吾が言い始める。
「私の兄も4人とも婿養子に行っちゃいましたからね。
慣れっこなんですよ」
「はあ、成程!
ウチの嫁は女系なんですが。
まさに反対ですな!」
三毛猫を頭に載せた隼雄が、相槌をうつ。
「おお!
それだとどっちが生まれるかが楽しみですなあ~」
「そうですねえ~」
何だか父親同士が急に仲良くなったようである。
「それとですね、我が家は元々は殿様に仕える家系でして」
「は? 殿様?」
「そうそう、元は忍者の家系なんですよ」
「あ」
あっちで裕一が忍者の装備になったのを急に思い出した隼雄。
「成程、そうですか~」
「あれ、驚きませんね?」
「ああ、はい。
納得しました。
いやあ~、本当にいい婿を娘は見つけましたよ~」
祐一が胡乱な目で父親達を見ていたのは言うまでもない。
××
「ですからね、姫君に仕えるのなんて平気の平左なんですわ~!
『寄り合い』の爺さん達もいい姫君が見つかって良かったなと褒めてました」
ん? 待てよ、と首を捻る隼雄。
「姫君って?
ウチの娘がですか?」
「ハッハッハ、勿論そうですよ~。
神谷の男は嫁さんを姫君として扱いますからなー」
思わず頭の上の三毛猫を落としそうな勢いで祐一を振り返る隼雄。
祐一は、というと遠い目になって父親の言葉にウンウンと頷いていた。
「社長、忍者は仕える主君が本来必要なんですよ。
でも主筋が途絶えちゃったりして仕える先も減ってきたんで、あちこちに忍者村みたいな観光地ができてるんですよ」
祐一がそう言いつつ、煎茶を口にする。
「成程なあ」
猫を落とさないように頷く隼雄。
「でまあ、主がいないと、ただのスパイ業みたいになるんで、余ってる奴等はスタントマンとかになったり、普通の職業に就いてみたりするんですけどね。
どうも神谷の男は嫁が出来ると嫁に仕えたくなっちゃう呪いみたいなもんがあるらしくって・・・」
「呪いかよ・・・」
目が点になる隼雄社長である。
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