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しおりを挟む無事に純和食の朝食を腹に納め終えて、猫に後ろ髪を引かれる隼雄社長をなんとか宥めつつJeepに乗り込む祐一と麗奈。
アイーシャは美沙と友好を深めてから自宅へ直行したいらしく、何故かお見送りの神谷家に混ざっている。
「帰り着く頃には自宅に帰っとくから~」
おほほほほと笑いながら笑顔で手を振っている。
何かを企むに違いないという予感はあれど明日は通常出勤なので帰らないと仕方が無い。
―― 当然社長も出勤だもんな。
連れて帰るか ――
と苦笑いをする祐一だ。
××
のどかな土手沿いに車を走らせる。
「いい所だよなあ、神谷の田舎」
流れていく景色を見ながら隼雄が言う。
「そうですね。
俺も好きです。
まあちょっとばかし住人の癖が強いですけどね」
ハハハ、と笑っていると、後部座席から麗奈が
「お父さんひょっとして、猫飼いたくなってない?」
と、声を掛けてきた・・・
隼雄は目を泳がせて押し黙った。
××
社長を自宅のマンションに送り届けると、既に女神様がエントランス前で待機していた。
「お帰り~! ダーリン♡
祐一君は今日の所は麗奈を送って帰ってちょーだいね。
美奈が『Ninjaグリーン様』が来るのを手ぐすね引いて待ってるからね。
危険よ」
祐一が引き攣り笑いでJeepを発進させアクセルを踏みながら、
「指輪、買いに行こうか?
麗奈さん」
そう言うのに麗奈は笑顔で頷いた。
××
連れて行かれた高級宝飾店であーだこーだと祐一に言われながら、多分3時間ほどかけて決めたのはピンクダイヤモンドの指輪である。
石のハートのカットデザインが可愛くてイメージピッタリだと祐一からも店員からも褒められて、照れながら買ってもらった麗奈であった。
その日はウキウキでマンションに送って貰って帰ったが、後でその指輪の金額を知って驚きでひっくり返りそうになったのは後日談である・・・
そんな事もあって、祐一は意外な事に、貯金がしこたまある事が判明した。
マンションの部屋も彼名義の不動産だったことが分かり呆然としていた麗奈に、
「今の会社の給料だけじゃ無くて、スタントマンの給料も貯金してるから」
そう言って優しそうに微笑む眠たげな垂れ目を見て
「イケメン当たりクジ過ぎるー!!」
と、叫んだのは麗奈本人ではなく何故か女神様と美奈であったという。
そして更に驚くことに、祐一は日本での活動は一切辞めてしまっていたが海外の映画会社のスタント出演はまだ現役だったということが判明した。
年に1、2回長期休暇を取って海外に渡り、映画会社との契約期間中の出稼ぎをしてくると言って笑った祐一である。
神谷の忍者は出稼ぎが好きなんだそうだ・・・
それが又もや騒動を引き起こすのは、ほんのちょっと先のお話である。
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