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4 婚約を白紙にさせたい人達?
しおりを挟む15歳で王立学園に入学し18歳まで過ごすのは貴族階級の義務だ。
当然だがソフィアは貴族の義務として辺境伯のタウンハウスから毎日馬車通学をすることになった。
辺境伯領から王都のタウンハウスへついてこようと泣き縋る父親を足止めするために母親は自領に残ることになり、ソフィアはもうひとりの母方の従兄弟であるアジェス・レイドと共に王都にやって来た。
アジェスは王太子より4歳年上で実は帝国の王弟の息子であり、れっきとした王位継承権持ちだがフラフラと諸国を旅しては舞い戻るということを繰り返す為とうとう皇帝陛下直々に怒られてしまい魔物討伐が頻繁に繰り返される森を領地に持つソフィアの父に預けられたのである。
因みにソフィアの母、つまり辺境伯夫人は帝国の姫で大恋愛の末に辺境伯へと嫁入りしてきたのである。
つまり皇帝の妹。
なのでソフィアの伯父は父方母方双方が国の統治者。
土地、金、権力。
どの角度から検討しても三種の神器を兼ね備えた上に美少女で稀代の魔力持ち。
――狙われない訳がない・・・
勿論国中の大物貴族から木端貴族まで全員が彼女が生まれた途端に孫やら息子やら本人やらの釣書を速攻で贈ってきた。
まだ新生児なのに。
全てぶった切れた王弟が炭にしてしまったが。
その後の報復が何だったのかは、ソフィアは知らない。
世の中には知らないほうが良い事もあるのである。
×××
話が逸れたが、母方のレイド帝国の従兄弟は年上で学園には通う年齢ではなかったので王子の側で侍従ごっこをして遊んでいた。
ソレが先程の付け髭の侍従の正体である。
そして、
『飛び級してサッサと辺境伯領へ帰ろうぜ~』
と彼女を唆した張本人である。
要するに王都は1年で飽きたという事らしい。
――単純に魔獣が居ないからだろう。
前世社畜のキャリアウーマン、そこそこの地位に登った勤勉さで王子妃教育も学園の勉強もあっという間に熟してしまい、たった1年間で卒業認定をうけたソフィア。
まわりの貴族達からはすれば垂涎モノの少女だが何しろ王太子の婚約者である。
そう簡単に手出しはできない上に本人が強すぎるためオツムがお花畑気味の連中が目を付けたのが、見目はずば抜けて麗しいが、もうちょっと凡庸に見えた王太子だ。
彼等はシルファ王子にハニトラを贈り続けた。
王太子もフリーになればそれはそれということらしい。
家門の令嬢が王太子妃にのし上がればお家は安泰だからである。
――ちょっと安直過ぎて引くけれど。
そんな訳で。
元々無口だったシルファ王子がハニトラ攻めで3年のうちに更に無表情になってしまったが、それに気が付かないリーナだけが今は頑張っているのである。
因みに平民でも魔力があれば魔法の操作をちゃんと覚える様に王立学園への入学は義務付けられる。
リーナはこの特例で入学出来たのだが優秀だからというだけではなく魔力の扱いを知らないまま野放しにすると人体に害があるだけでなくこの世界では国が傾きかねない切実な要素になってしまう恐れがあるからであって、彼女が特別に優遇されて入学できた訳では無い。
魔力が高く才能があったので学費に関しては優遇され特待生扱い――小遣いがもらえる――ではあったが。
因みに返済義務として卒業後騎士団への入隊が義務となる。
気が付け・・・
寧ろ職業選択の自由が無いんだよ・・・
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