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12 またつまらぬモノを
しおりを挟む「・・・ でぇ、このボタンを押してから魔物に投げつ付けると転移魔法が勝手に対象物に向いて展開されて、このボールの中に対象生物が引き込まれるわけ。
で、異次元空間に作った疑似領域がは牧場みたいになっててね、引き込んだ生物も死なないようになってるの。
分かった?」
従兄弟のアジェスと共に、辺境伯領の兵士達も隊長も一斉に首を横にブンブンと振った。
理解が出来なかったらしい・・・
「ま、いっか。分かんなくても。
理論上では成功するのよ! 某ハー◯ードで培ったこの頭脳を信じなさい」
フンスと形の良いバストを張る彼女の前世は研究馬鹿の社畜だった疑いが浮上。
「◯ーバードはわからんが、なあ、それどうやって使うんだ?」
恐る恐る紅白のボールを指さしながら、代表で確認する従兄弟殿。
自分が入れられてしまったら大変である。
「え? 勿論この玉をぶつけて決め台詞を言ってゲットするに決まってるわよ?
私ならベヒモスでも魔力で押し勝てる筈だし」
「「「「「失敗したらどうすんだよっ(ですかっ)!!」」」」」
「失敗しないって、大丈夫だってば。それにさぁ」
彼女が隠れている岩場の向こうを指さした。
「もうアイツにバレちゅうやん」
指の先では、ベヒモスが鼻息を荒げながら赤い目をランランと光らせて首をこちらに向けていた・・・
×××
一方。
ソフィア達一行のいるダンジョンの入り口では、限りなく野盗に近い身なりと態度ではあるが冒険者(?)かもしれない男達と、辺境伯領の兵士達が睨み合いを続けていた。
「ベヒモスはなぁ、魔石を呼ぶ魔物なんだよ。
其れを手に入れりゃあ一攫千金も夢じゃねえんだ。
そこをどけよ」
左目を前髪で隠したやたら目つきの悪い男が、背負っていたパルチザンに手を掛けながら一歩前に踏み出し、それに釣られるように後ろの連中も各々の得物に手を掛け、ある者は鞘からソードを引き抜き、ある者はロング・ボウを構え始める・・・
が。
「そこまでだ」
凛とした声が緊張した場に響き渡り金属が擦れるような、とことん嫌な音がして全員が思わず顔をしかめた。
あれだ、ほら学校の黒板の表面に黒板消しの側面を当てて引っ張った時みたいな不快な音である・・・(大汗)
「またつまらぬものを・・・」
そう言いながら、睨み合う男達の間に突然降って湧いた様に現れた『着物に袴』姿の男の手には、刀身を白木で覆った長い太刀。
・・・『キモノ』はジャパニーズテイストなので、プラチナブロンドにサファイアのような瞳の美男子にはどう見ても不釣り合いのような気がするが、割愛。
「「「「「殿下!」」」」」
この世界には着物文化は無いので特注品なのは読者諸氏はお見通しだろう。
そう。
布教主は廃棄ダンジョンの中である。
ーーここで少しだけ過去に舞い戻る。
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