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34 過去 こんにちわ異世界〜ソフィア視点②過去〜
しおりを挟む『気がつけば、転生してた』
なんというか、お約束な展開はWEB小説か漫画の世界の出来事であって、自分の身に起こるとは思いもしなかった。
これまたテンプレのセリフよねー。
私はメイドが渡してきたガラガラを片手に寝転がったまま、ベビーベッドの柵を叩きガコガコと音をさせる。
鮮やかな青いお仕着せのワンピースに白いエプロンを着けたメイドが飛んできた。
「お嬢様、退屈ですか~?」
ニコニコと笑う世話係(多分)の年若いメイドが私に手を伸ばし抱き上げる。
――おお! よく分かりましたねー。
そうです退屈なんですよ!
・・・赤ん坊って暇なのよねえ~
思わずため息でちゃう。
1日中寝っ転がってオシメを替えて貰って、美人なママンから母乳を貰って・・・
飲んで、出して、寝て、泣いての繰り返しだもん・・・
そりゃあ退屈するよ。
×××
前世の事は、この何日間かを赤ん坊になって過ごしているうちに少しずつ忘れていってる気がするけれど。
前世の自分は恐らく30歳前後で、大手家電メーカーの究室開発室のチーフだった・・・ と思う。
メーカーには研究室がいくつもあって、それぞれのチームが対抗するように家電を開発してた。
研究室同士がライバルで研究や試作は各チームの研究室で秘密裏に行われ、勿論資料は持ち出し禁止だった。
毎日毎日サービス残業続きだったけど、ライバルの研究室より優れたものを作り出し商品化されてヒットさえすれば研究費の臨時報奨金がチーム自体に会社から贈られ研究開発予算もグッとアップするので、その資金を元に新たに研究開発が出来るのだ。
――当然ボーナスや給料の査定もうなぎ登り。
でもヒット商品を開発できなければ、その研究室はジリ貧で開発費にも事欠くようになる。
当然給料は基本給+αで薄給と言わざるを得ないものに。
だからチームリーダーだった私は必死で研究室に残って毎日毎日研究に没頭してた。
ネット上でのエゴサも欠かさず自社他社問わずに売れ筋商品の開発資料を集めてはディスカッションを繰り返して次に何を作るかを考え遅くまで研究室に残って試作品を作ったりしていたんだ。
もうそりゃあ必死で。
だって、悔しいじゃない? せっかく海外留学して博士号まで取って研究室にまで進んだのよ?
それが日本の大企業に破格の給料を提示されて是非にと請われて入社したのにヒット商品を作れないからジリ貧だなんて冗談じゃないっ!!
でもさ~、他チームに負けじと頑張った結果が睡眠不足とエナジードリンクの飲み過ぎから来る体調不良で転落死。
以前の私の人生って何だったのかしら。
しかも次に目が覚めたら赤ちゃんからやり直しって、人間なにが起こるかわからないのね~・・・
ああ、でも。
もう既に違う人生なのよね。
前世の生き方は繰り返しちゃ駄目なんだろうね、だってあれって所謂社畜だったよね。
死んでから気がつくなんて、私はなんて間抜けなんだろう・・・
しかも提示された破格の給料なんか税金で大半を持ってかれちゃって全然意味なかったし。
これからの長い人生いくらでも考える時間はあるはずだから反省なんかいくらでもできる筈。
その後で今後について考えるかぁ・・・
しかもどう考えてもここ地球じゃないよね。
パパンがコスプレ趣味で髪を染めてるんだったらチョイヤバのフラ◯ス人かと思ってたけど・・・
ガラガラを振りながら眼の前でにこやかに笑うメイドの緑色の髪を見つめて
――絶対に初◯ミ◯のコスプレじゃないよな~・・・――
と、思わずため息を吐いたソフィアだった。
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