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36 知の悪魔エクネの企み
しおりを挟むキアンとしては、瞳の交換が神としての自分の命と彼女の生の抜けた身体を繋ぐパイプとして手っ取り早いと思ったからそうしたのだ。
瞳を選んだのはそれこそ生命力と直結する部位だからだったが・・・
「エクネは知ってて止めなかったな・・・」
ヒッヒッヒと悪そうな顔で高笑いをする知識の神、今は何故か女になっている白ずくめのちんちくりん賢者の顔を思い出しハッとする。
「アイツ、最初からアリアを娶らすつもりで俺を呼んだんだな!?」
どうも嵌められたようだ。
多分、男神が人族の女に命を与えその後どうなるかを知りたかったに違いない。
エクネは元々が知識欲の塊のような存在である――エクネ自身の体の性別が変化しているのも、変わったらどうなるかを知りたかっただけだろう。
「アイツこそ【悪魔】じゃねえか?」
ボヤくキアンを乗せたまま、斑駒はアリアの元へと全速力で走っていった。
何処からか波が打ち寄せる音が聞こえる。故郷を流れる隣国との境近くにある大きな河かも知れないと、アリアは夢見心地で考えていた。
まるで揺り籠の中で眠る赤ん坊のように体の揺れが心地よく、もっともっと眠りたいと感じるのだが、なにか大切なモノを忘れているような気がするのだがそれが一体何だったのか・・・
唐突に、カッと眼を見開き心の中で叫ぶアリア。
『臭いっ! 痛いっ! 美形が足りないっっっっっ!!』
彼女も大概ブレない人である。
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