17 / 103
社長がやって来た!
しおりを挟む「おい! 樹?
辞令書は大塚に回したんだよな?」
と専務の席をこちらから見て右後方にあるドアが、バーンという効果音付きで開いた。
―― 待って?
そこって給湯室兼専属秘書の休憩所だって、今さっき西条さんに教わった場所だよね!?
「兄さん。
どうしてそこから来るんですか・・・」
呆れ顔の樹専務は祐一と同じ事を考えたようである。
大変、常人寄りで好ましい。
「おお! 神谷!
待ってたぞ~。
急でスマンな」
「あ、はい」
―― この挨拶、一昨日も聞いた気がするぞ・・・
「お前も分かってただろうが、経理課のテコ入れだからな。
諦めろ」
ガハハと豪快に笑う石川隼雄社長46歳、既婚。
イシカワ・コーポレーションの社長である。
「まあ、他の部署への移動も考えたんだがな~。
どうせもうすぐ麗奈と結婚するんだ。
経営者サイドを覗いとくのもいい経験だろう」
「はぁ、確かに」
「後を継ぐ必要は特にはないんだがな、樹もいるし」
専務が苦笑いをしているのが目に入る。
「だがお前はキレるやつだから、そのままにしとくのも惜しい。
で、取り敢えず引っこ抜かせてもらった」
踏ん反り返る隼雄に樹が、
「引き抜きか抜擢って言おうよ」
と、苦笑いをしながら訂正する。
「そうですか・・・
ただまあ、経理課だと年間の計画が立てやすいので便利ではあったんですが・・・」
「「?」」
「長期休暇が取りやすいんですよね。
で、その間は忍者としての活動してましてね・・・」
うーん、と天井を睨む祐一。
「今年はまだ夏の契約が残ってるんですよ」
「え、ホントに忍者なんだ・・・」
樹が何故か顔を赤くして、祐一を見ている。
「はあ。
まあ、組合が有りましてそこに共済費を入れる決まりもあって」
「会社みたいだな・・・」
呆然としている隼雄。
「年間の活動も報告義務があるんですよね」
「「オイオイ・・・」」
隼雄と樹が呆れ顔で呟く。
「まあ、共済費も積立みたいなもんで、お互いに怪我した時とかの補償が・・・」
「大変そうだな忍者って・・・」
樹がボソッと呟いた。
24
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる