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しおりを挟むそっと音を立てないように寝室のドアを開けると部屋の窓のカーテンを閉め切っているのか、真っ暗で中が全然見えない。
が一人だけ平気な奴が・・・
祐一だ。
いつの間にか細いロープを手に持っていて、臨戦体制の祐一がそこにいた。
気がついた麗奈はちょっとだけ、遠い目になる。
『じゃあ、ちょっとだけ待ってて』
祐一はそう言い残すとスルリと音もなく部屋に入って行き、ガサゴソという小さな音をさせる。
そして次の瞬間、唐突に部屋の電気が付いて部屋が明るくなった。
麗奈と玲子は突然の明るさで一瞬目が眩んだが、眩しさに慣れ目を開けると、そこには猿轡をされた下着姿の男女が縛られて転がっていた。
目の前に玲子が立っているのを見て目を見開き驚いて顔色を変える二人。
「玲子さん、良かったですね!
不法侵入者の身柄を無事捕獲できましたね。
私、警察に電話しますね!!」
満面の笑顔でスマホを取り出す麗奈。
慌てて顔を青くして、首をブンブン左右に振る男女。
「あら。
だってこのマンションは玲子さんの名義で玲子さんしか住んでないんですよね?
独身専用マンションだし」
とてもとても可愛く首を傾げる麗奈・・・
「え。
ええそうね。
そうだわ、私しか住んでいないわよ。
だって独身専用のマンションだもの」
急に思い出したように相槌をうつ玲子。
「じゃあ、やっぱり不法侵入者ですねっ!
良かったぁ。
知り合いとかだったら困りますもんね!
知り合いが玲子さんに無断で部屋を淫行目的に使ったなんてことになったりしたら・・・」
麗奈が無邪気な笑顔で
「賠償金を毟り取り難いですもんね~~!
警察に突き出したほうが絶対に早いですもん」
ついて来ていたクロがドアの前に座り、
「にゃあ」
と、返事した。
××
この会話に掛かった時間約3分。
祐一が部屋に入って2人の男女をぐるぐる巻きにした時間約2分。
車の移動と歩きでかかった時間約25分。
合計約30分で玲子の持ち込んだ面倒事は解決したのである・・・
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