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ペットを飼いたい石川家
しおりを挟む美奈を石川家のマンションに連れて帰った祐一。
折角だからと社長達の住む7階へとお邪魔した。
××
ここはいわゆる石川家のオーナーズマンションというやつで、6階より下は賃貸だ。
ただペットを飼っていいマンションで人気があるらしく、現在満室だが入居希望者が後をたたないらしい。
なのにオーナーである石川一家がペットを飼っていないという首を傾げる状態である。
「つまりな、皆が飼いたいペットが違いすぎたんだよ。
ペット飼いたくて建てたくせに未だに何も飼ってないんだよな」
そう言いながら隼雄が珈琲を啜る。
祐一が客としてやってきた途端に何故か彼が珈琲を石川の家族に振る舞うという、これまた首を傾げる状態であるが・・・
「大体さ、美奈がペンギン飼いたいって言うからでしょ」
「ママは、カワウソって言ったじゃん」
「僕は犬だねえ。
かわいいでしょ?」
「俺は何も飼いたくないと言ってたんだがなぁ」
そう言いながら、嬉しそうに黒猫を手にして吸う隼雄社長。
「神谷のウチに行ったときに猫が可愛いと気がついてなぁ・・・」
ショボーンとする隼雄。
そして、其れを慰めようと隼雄の頭に、のそのそ登っていくクロ。
―― でも、お父さん知らないけどアレ普通の猫じゃないから・・・
困ったわ・・・
麗奈の目が泳ぐ。
「社長、でもクロ達は猫じゃないんですよ。
『猫又』なんで。
コイツら可愛く見えても多分軽く100歳超えですよ」
麗奈の心配を他所に、祐一が真実をぶっちゃける。
「「「「え?」」」」
「神谷のウチに住み着いてる猫は全部そうなんです」
「ネコマタって妖怪の?」
「尻尾一本だよ?」
その場の全員が思わずクロを見た。
もっとも隼雄は頭の上にいるので見えなかったが・・・
××
「まあ、猫又だというのは追々わかるでしょうからまあ良しとしてですね。
実は相談がありまして」
良いのか? と、もはや誰も突っ込まない。
だってこの家族だって異世界産女神が住んでいるので大概である。
「ハワイでの挙式より、日本で人前式でイイんじゃないかという気がしてきたのでどうしようかと。
其れと日取りをどうしようかと思いまして」
ウンウンと頷く石川家の面々の視線は隼雄の頭の上のクロに注がれたままである。
祐一が真面目な顔をするが、どうにも開口一番が『猫又』だったので締まらない・・・
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