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不機嫌の理由
しおりを挟むじゃあ明日の日曜日に改めて木田に挨拶に行こう、ということになり今日のところは石川家を後にしようと・・・
実は出来なかった祐一である。
××
「待って~、 祐一くん」
怪しい笑顔の女神様に捕まったからだ。
何故かリビングから応接間に連れ込まれて座布団に正座をさせられる。
「あのね。
さっき私が言ったこと覚えてる?」
「へ?」
何を言われたか、顎に手を置いて真剣に考える祐一。
「え~と。
俺の母親には同意さえあれば同棲して良いと了解を取ってるってのと、里はレナさんを嫁と認知してる」
天井を睨んで更に思い出す祐一。
「アイーシャさんはカワウソを飼いたい」
「そこじゃないわよ」
「え~と、ひょっとして」
ニンマリ笑う女神。
「異世界では結婚式は普通しない?」
「おしいっ!」
「あ。
えと、今日からでも同居したらいい?」
女神様の笑みが深くなった。
「気になるんならさっさと入籍しなさい♡
ハイコレ用意しといたから~!」
『ピキッ』と祐一が固まった・・・
ピラリと座卓の上に出されたのは証人の欄に祐一の父、神谷翔吾と、レナの父、石川隼雄の署名が既に記入された婚姻届・・・
「なんで?
どうして?
いつの間に?」
「何を言ってるのかしら~!
祐一くんの実家で麗奈の写真を撮った日に決まってるじゃなーい!」
ムフフという顔のアイーシャ。
「祐一君あの日、『寄り合い』のお爺ちゃん達に見合いさせられることになってたの知ってた?」
「まあ、里に帰ったら確実にそうなるって知ってたのでレナさんを連れて帰ったんですけど」
フッフッフと不敵な感じで笑うアイーシャ。
「でね、君に痺れ薬飲ませて結婚させるつもりだったらしくてね」
つつーっと冷や汗が背中に流る祐一。
―― まあ、あの爺共なら確実にやるだろうな。
「既成事実を作ってこれを出す様に構えてたらしいのよね~。
酔った爺さんの一人が落としてさ」
「・・・」
「でもね、無記入だったからさ~
かっぱらっちゃった♡
でね、祐一君のお父さんとウチのダーリンには宴会してる間にサインしてもらっちゃった♡」
この女神様やはり一筋縄では行かない人である。
いや、そうだよ女神だわ。
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