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2章
25④
しおりを挟む「貴族家の当主宛だったから俺の邸に確認の為に回ってきたらしい。ギルドとしては冒険者としては把握しててもその素性までは詮索しないのが決まりだからな」
そう言いながら彼はダンカンの隣の空いた席に徐ろに座り片手を上げて
「俺にもエールを」
と給仕に向かってそう告げた。
昼間っから3人共いい御身分である。
×××
ガサゴソと封書を開けて便箋を広げる金髪のイケオジの眉間に皺が寄った。
「アラ、どうしたの?」
「お前すごい顔だぞ大丈夫か?」
無言でダンカンは妻に息子の直筆で書かれた手紙を手渡す。
「あら、アルフレッドにお嫁さんの紹介ですって? ・・・リリーベル・ヘイワードって何処かで聞いたことあるわね」
エリーナの呟きにエールを『ごふぅッ』と変な音をさせて噴き出したのは辺境伯である。
「おいおい大丈夫か」
「大丈夫? ルーちゃん」
ゴホゴホと咳き込む『ルーちゃん』ことルカス・ワイス辺境伯の背をゴツい手で擦るのはダンカンで、嫁の方は笑っているだけである。
「いや、ゲフッ、大丈夫だが、リリーベル・ヘイワードは第2王子殿下の婚約者じゃなかったか?」
「「え?」」
「ヘイワード侯爵家の長女だよ」
「「・・・あり得ない(わ)。単なる同姓同名だ(よ)」」
夫婦揃って異口同音でもって辺境伯領主殿の言葉はアッサリ否定されたのである。
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