1 / 150
1 prologue
しおりを挟む
「じゃあ、これで」
「ああ。君も元気で」
「貴方もね」
そう言って彼女は俺の顔をジッと見つめてから溜め息をつく。
彼女は美しい人だと思う。
気の強そうな瞳には罪悪感だろうか、迷っているような色が見えた気がする。
社交も上手に熟すし知的な会話は一緒にいて退屈はしない。
流石は上位貴族の生まれだと思う。
商会にとってはとても良い広告塔にもなってくれていた――
「本当に良いの? 私はこれから貴方のお陰で思いの通りに生きていけるのよ?」
「ありがとう。心配いらない。俺は俺で適当にやっていくよ。幸せになってくれ」
「そう・・・」
少しだけ笑顔を見せて彼女はソファーから立ち上がるとドアからそっと出て行った。
俺はテーブルに残った記入済みの離婚届けに視線を向けて
「提出しとかないとな」
そう呟いた。
「ああ。君も元気で」
「貴方もね」
そう言って彼女は俺の顔をジッと見つめてから溜め息をつく。
彼女は美しい人だと思う。
気の強そうな瞳には罪悪感だろうか、迷っているような色が見えた気がする。
社交も上手に熟すし知的な会話は一緒にいて退屈はしない。
流石は上位貴族の生まれだと思う。
商会にとってはとても良い広告塔にもなってくれていた――
「本当に良いの? 私はこれから貴方のお陰で思いの通りに生きていけるのよ?」
「ありがとう。心配いらない。俺は俺で適当にやっていくよ。幸せになってくれ」
「そう・・・」
少しだけ笑顔を見せて彼女はソファーから立ち上がるとドアからそっと出て行った。
俺はテーブルに残った記入済みの離婚届けに視線を向けて
「提出しとかないとな」
そう呟いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
288
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる