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3 図書館
しおりを挟む学校の図書館で調べ物をしていると、昨日の初等科の女の子が1つ隣の席に座った事に気が付いた。
彼女はここで手にとったであろう恋愛小説を読むためにページを開いて読み耽り始める。
昨日の礼を言うかどうかを迷ったが、場所が良くないと考え黙って作業を進めることにした。
彼女が頁を捲る音と、俺がペンを走らせる音。
其れだけがやたらと耳に残った。
その翌日から毎日放課後の図書館へ行くようになった。
自分が座った後に彼女がやって来て近くにに座る事もあったし、彼女の座る場所の近くに自分が座って提出レポートの資料を探す時もあったけれど、お互いに声を掛ける事はなかった。
彼女は迎えの馬車が来るまでの時間をここで潰している様に思えたし、自分は寮生なので図書館から一緒に出る事は一度もなく、ただ、同じ場所で違うことをしながら交わる事のない時間をお互いに自分の為に有意義に過ごしていただけに過ぎなかった。
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