【完結】ずっと君を愛してる〜心惹かれる想いを君へ〜

hazuki.mikado

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41 言い争い

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 侯爵家の自邸カントリーハウスに着く頃は既に夕方だった。

 大きな門の前まで馬で乗り付けると、アイツと元妻が言い争っているのが見えた。

 周りにいる使用人達も門番もどうして良いのか分からないのだろう、只管ひたすらオロオロしているのが一目で判る。


 「おいッ!」


 重い門を片手で無理矢理こじ開けて、勝手にエントランス前にズカズカ歩いていくと流石に全員の動きが止まる。

 門番が慌てて止めようと此方に向かって来ようとしたが彼女の方が遥かに動きが早くて、手に持っていた荷物を何とアイツの顔に思い切り投げつけて俺の方に走ってきた。


 「エディッ!」

 「スマン、遅くなった。おいッ! ステファンッ! 他所の女に子供が出来たってどういう事だッ?!」


 アイツは彼女の投げつけたアタッシュケースの下から執事達に助け出され、


 「話を聞いてくれってば・・・」


 泣きそうな顔で土下座した――






 「で? どういう事だ?」


 元妻は俺の背中に隠れ、友人は足元で土下座。

 侯爵家の召使いたちは女主人のアタッシュケースの中身を拾い集める中で、俺は腕組みをしたまま仁王立ちで友人を睨みつける。


 「あの時の女に子供が出来たって聞いたぞ」

 「う・・・」


 半泣きになる男前。

 今回ばかりは言い訳は聞きたくない。

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