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53 アデライン視点⑪
しおりを挟む結婚後2年位が過ぎた頃、エディのお蔭でブルーム家の面倒事は全て片付いた。
継母は父と離縁して実家に戻ったし、使用人達も解雇されたし、死んだ母の立ち上げた商会は無事持ち直して今は弟が成人するのを待つばかりになった。
継母はブルーム家とブルーム商会に対する賠償金と私達姉弟への慰謝料の請求、使用人達は窃盗の罪で起訴されている。
示談金の総額はかなりな金額に登るが、全額を直ぐには払えないだろう。
彼女達がどうするのかは知らないが全て弁護士に任せることにした。
今更顔を合わせて話し合うようなものでもないだろうから第三者に間に立って貰ったほうが良いと義両親にもエディにも勧められたから。
確かに法廷で継母達の顔を見た時に2度と会いたくないし、関わりたくないと思った。
弁護士への支払いは高額だが継母の支払いから相殺することになったので頑張って彼等が取り立ててくれるだろうと、義父とエディは悪い顔で笑っていた。
親子だわ・・・・
オルコット家の両親とエディは私の実家のことを全て把握した上で、私と弟を手助けしてくれていた。
気が付かなかったのは私と父の2人。
弟すら薄々気が付いていたらしい。
「ブルーム商会もオルコットの傘下になったんだから、ウチは儲けが出てるよ」
彼らの言葉で分かる通り、いつの間にかオルコット商会は、多くの企業を抱えるグループになってた・・・
義父は会長を退く事になり、エディに席を譲って悠々自適に隠居生活を義母と共に満喫している。
エディはオルコット商会の会長だけど、オルコットグループの会頭でもある。
なので彼は未だに休むまもなく働いている・・・
私は、モデルを勤めながらブルーム商会を廻しているけど結構楽しい。
けれどエディ程は働いてはいない。
朝は一緒に朝食を取って、そのあと直ぐ出勤してほぼ寝るためだけに家に遅く帰って来て、入浴後少しだけ会話の時間があって、直ぐ就寝。それが毎日で、休日は返上で出張・・・
エディの身体は本当に大丈夫なのかしら・・・
働きすぎだわ。
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