【完結】ずっと君を愛してる〜心惹かれる想いを君へ〜

hazuki.mikado

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67 鈍感

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 「例えば義姉さんが、兄さんとヨリを戻したいって言って来たらどうする?」

 「そもそも彼女はステファンの事を愛してるんだ。俺の事なんぞ考えても無い筈だ」

 「・・・ 確かに欠落してるね」

 「何がだ?」

 「恋愛感情がだよ」

 「そうだが?」


 今更だ。愛がよく解らない男にそんなモン求めるなよ。


 「こう、もっとさ義姉さんとの付き合いでこうなんつーか、彼女に求める欲望めいたモンてないの?」

 「肉欲か? 結婚してた時はどうあれ、今は友人の妻だぞ? それは駄目だろう」


 あんなにいい女に惹かれない訳が無い。
 でも今はステファンの妻だ。


 「・・・ 兄さん、絶望的だ」


 呆れ返る弟?


 「どうしてそう、禁欲的なの? 聖人君子なの? 聖職者なの?」


 禁欲的とは程遠いと思うが・・・


 「いや、女を知らんわけじゃ無いぞ?」

 「俺の肉親がおかしい! たった2歳しか違わないのに何なの?!」

 「何を怒ってるんだ?」

 「怒ってねーよッ呆れてるんだよッ。義姉さん大変だったんだなって、今更だけど」

 「お前の口ぶりだと彼女が俺に好意を持ってるみたいに感じるぞ?」


 俺はフラレたんだぞ? 傷口を抉るなよ・・・


 「・・・・ウ~ン」

 「そもそも俺が女性に好意を持たれる訳が無いだろう」

 「は?」


 正直俺はやたらと背が高くて格闘家のような体付きに、無愛想で目つきは悪くてとてもじゃないが貴族には見えない。
 弟達やステファンのように洗練されてスッキリした体型、顔も整っていて美しく表情も柔らかな彼らに比べたら雲泥の差だ。


 ――貴族女性に好かれる訳が無い。


 「えぇ・・・ そこからなの?」


 弟の視線が遠くを見ていた気がする。


 ――なんでだ?







 「とにかく、アデラインが俺とヨリを戻すことなんてあり得ない」


 彼女はステファンを愛してる。

 だから傷ついてるんだ。


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