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66 男女の機微?
しおりを挟む男女間の機微どころか、俺はどちらかと言うと人付き合いそのものが苦手だ。
交流のある貴族家や商家の子息子女との交流は昔からあったから、それなりに周りに知り合いはいた。
話しかけられるのは最初は俺。
そして次第に弟達に好意は向けられていき俺とは没交渉となり、その内の何人かは弟達との個人的な交流に至るのが通常の流れだ。
まあ、それも慣れたもので何とも思わないし学園では卒業後に向けての準備で忙しかったのもある。
異性の事だってアディと婚約しなかったら多分ずっと独身だった。
だから親父がブルーム侯爵家からの話に乗ったんだろう・・・
いや、あの人のことだからブルーム商会目当てかもしれないか。
エディとあんなに一緒にいられたのは寮で同室になった時に人懐こく愛想が良いアイツが俺に遠慮なく踏み込んで来たからだ。
――まあ、アイツのその性格が今は裏目に出てるんだが。
だからだろうか。
殴って縁を切って終わりにしたいと思う反面、アイツを憎みきれないし何処かで許してる。
アイツにとってはいい迷惑かもな。
あの2人に執着してるのは俺の方かもしれない。
そう思うと思わず溜息が漏れた。
「兄さん、今は付き合ってる女性とかは?」
いきなりだな?
「は? いるわけ無いだろう。強いて言えば仕事が恋人だろう」
「うわぁ・・・」
変なモノを見る目をするなよ。
「俺にプライベートの時間を持たせてくれんのは誰だ?」
「・・・ うーん俺? あと取引先」
「わかってりゃいい」
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