6 / 30
色戦争、その前
第6話 8月5日-3 赤の襲撃
しおりを挟む
風を斬る音がして、刀刃剣は足を止めた。
目の前に振り下ろされたのは一本の剣、その風を顔に感じた。
持ち主は赤い装束の男、フードの下のその顔から見るに、年齢は剣と同じくらいか下に見えた。
学校から出るときから感じていた気配。そのうち一つの主なのだろう。
「っけ、もーちょい歩いてくれれば真っ二つだったのによ」
「君、会うの初めてだよね」
剣は刀を抜いた。ただ抜いた、のではない。居合の要領で放った斬撃。それは惜しくも受け止められてしまう。
「刀刃剣。君は」
「赤騎士」
静止したまま名乗り合う。互いに弾かれるように離れ、構える。赤騎士が携えるは普通の西洋剣。両手で扱っていることからロングソードと思われる。
赤騎士なら、色の騎士団だろうか。五勢力について剣はよく知らない。独立勢力として存在している刀刃家は干渉されなければ相対しないからだ。何をする集団かは知っていても、そのメンバーまでは知らない。
おそらく何かしらの特殊能力を持っているだろうことを剣は予測できている。
刀とロングソード、異種剣戟試合が始まった。
先に示しておくと、剣の刀は違う。おかしい。
何十代にもわたり、時代に合わせ数度打ち直されるのみでその強さを保ってきた名刀は、どんな衝撃でさえ折れぬという一振りだ。
剣どころか、斧やハンマーとでさえ打ち合うことができる最硬の刀。
そして使い手は刃物|使い刀刃家の末裔、剣である。その技量は既に達人、名人の域に届きつつある。
一方のロングソード使い、赤騎士の剣には何の変哲も銘も、号もない。加えてその実力は、血統と天賦の才を兼ね備える剣と比べると下である。その柄を握ってたった数年、才能はあるらしく、なんとか打ち合うことができている程度だ。
あくまで刀刃の末裔と比べて劣るというだけだ。その剣撃は速い。ソードの重心が柄の方にあるのだろう。剣を巧みに回し、剣筋を読みにくくさせている。
その激しい攻勢に的確に対応してみせるのが剣だった。対応している、だけではない。既に優勢。
技量の差は明確。赤騎士は決定的な傷を負うことはなくとも、徐々に刃が体に届き始めていた。
「噂通りつえーな」
「そんなの被ってるからだよ」
「あっ、確かに」
赤騎士はフードを降ろす。角刈りの少年。荒い口調に似合う目つきの悪さ。アジア系の顔立ち。やはり同じくらいの年齢だった。
会話をするほどの余裕はあり、赤騎士の態度には焦りを感じられない。実力差は明確。それは赤騎士もわかっているはずだ。
赤騎士はただのソードマンではない。まだ手の内を隠している。剣はそう思った。
赤騎士の腹部は浅く斬られた。横一文字に刻まれた刀傷からは血が零れている。
ここで剣が持った違和感。追撃をやめ一旦距離を取る。
赤騎士の周りの景色が少し赤みがかっている。赤。それは赤騎士と無関係とは思えなかった。
「赤騎士ってのはさ、自分の血を操ることができる。アメコミみたいに他人の血をどうこうできないが、自分ので十分さ」
「あれは血中の鉄を操ってるんじゃなかったけ?」
「詳しいな。まあそこは気にすんな」
赤い霧のようなものは、自身の出血を空気中に浮かび上がらせていたものらしい。その血は集まると徐々に形を形成していく。一振りの血の西洋剣。
「ああ、そういうやつ」
血剣は剣へと迫った。誰も握る者がいないのに、である。
「その剣は簡単な命令を受けて自律する。もう少し出血すれば二本、三本と増えるけどな」
自身の出血が多ければ多いほど手数も増える。まさに諸刃の剣だ。
オートで襲い来る血の剣の技術は大したものではない。だが、自律している。不死身の相手が増えたようなものだ。二対一に近い。
浅い傷はダメ、かつ、意識を失わせるほどのダメージを与えなければならない。
二本目の血の剣が生成された。戦闘の激しい動きで出血が増えたのだろう。
ロングソードの一撃は重い。血のソードの重心は剣先に近い方にあるように思える。そこに加わる赤騎士の素早い攻撃。
三本のソードを凌ぐには、剣であっても厳しいのだろう、赤騎士を攻める暇がない。
「ちょっと本気出すよ」
剣は刀を強く握り、腕が震えるくらいの力を籠めると刀を横に振った。
一振り。たった一振りで三本のソードを折った。いや斬った。いずれも刀身の半ばほどで斬られている。血でできた剣のみならず赤騎士の持つ鉄剣も斬られていた。刃こぼれせずに鉄をも斬る。そんな芸当が刀刃の名刀にはできた。
「嘘だろ」
武器を失った赤騎士は形を失った血で、血の矢を生成し、攻撃を試みる。凝固する前の血ならば再び何かを作り出すことは可能だ。
すぐに武器を作ることができる。とはいえ赤騎士がこの技術を使ったのは初めてだった。
剣は懐からペティナイフを取り出し投擲する。その狙いは赤騎士の放った血の矢だ。
三本のナイフ、その刃先は血の矢の中心を捉え、ばらけさせる。
慌てて放った血の矢は圧縮が足りず、不安定なままだった。
剣は刀を返す。狙いは峰打ち。多量の血で何をするかわからない。ならば殴ってしまえばいい、そんな判断だ。
防御の術を赤騎士は失っている。散らばっている血液で何かをするには遅い。剣は瞬時に接近すると刀を振り下ろした。
脳天に直撃、頭蓋骨がどうなったかわからないが、赤騎士は意識を失った。
空中にあった血が静かに落ちる。
剣は血振りをすることなく刀を納める。その切れ味はその号の通り、血をも寄せ付けない。
刀刃家に伝わる名刀、その号は『血斬り』。刃に付着したものはすぐに落ち、銀色の刀身をすぐに表す。
赤騎士の所持品を物色し、携帯電話を取り出す。赤いガラケー。パスコードロックはされていない。リダイヤル。表示名は白騎士。
(はいはい、赤騎士ですか?)
敬語、丁寧な物腰の男性が出た。
白騎士。五勢力、色の騎士団の一部隊のリーダー格、だったろうか。剣は自身の脳にある少ない情報を辿る。
「刀刃剣だよ」
(おや刀刃剣くんですか。あはは、面目ありませんね。生きてます?)
ちらりと赤騎士を見やる。胸の上下、呼吸はしている。
「頭ぶっ叩いちゃったけど生きてるよ」
(ならいいです。あとで回収します)
「ほっといていいの?」
(ええ、ええ、ありがとうございます。明日伺いますので、不可解部の部室にてお待ちください)
白騎士との通話はそれで終わった。
明日、不可解部に来るということだ。時間指定はない。聞きそびれてしまった。
ほかの二人も襲われているだろうか。赤騎士程度の相手ならば、五木も風名も何とかできるだろう。それに強い殺意は感じられなかった。おそらく試されていただろうと推測する。後で二人に連絡しておこう。
ふと気が付く。意識のない赤騎士。そのままでいいとは言われたが、道端に置いておくわけにもいくまい。通りすがりの人が見つけ、騒ぎになってはことだ。とりあえず草むらに引きずって、見つかりにくいようにしておく。
携帯電話はGPSが入っているかわからないが、赤騎士の体の上に乗せておく。
「こんなものかな」
そこら辺に散らばっている血はどうしようもないので放っておくしかないだろう。白騎士とやらがすぐに回収に来るのを願うばかりだ。
赤騎士の移動を終え、一息つくと剣はそのまま自宅へと足を向けた。
目の前に振り下ろされたのは一本の剣、その風を顔に感じた。
持ち主は赤い装束の男、フードの下のその顔から見るに、年齢は剣と同じくらいか下に見えた。
学校から出るときから感じていた気配。そのうち一つの主なのだろう。
「っけ、もーちょい歩いてくれれば真っ二つだったのによ」
「君、会うの初めてだよね」
剣は刀を抜いた。ただ抜いた、のではない。居合の要領で放った斬撃。それは惜しくも受け止められてしまう。
「刀刃剣。君は」
「赤騎士」
静止したまま名乗り合う。互いに弾かれるように離れ、構える。赤騎士が携えるは普通の西洋剣。両手で扱っていることからロングソードと思われる。
赤騎士なら、色の騎士団だろうか。五勢力について剣はよく知らない。独立勢力として存在している刀刃家は干渉されなければ相対しないからだ。何をする集団かは知っていても、そのメンバーまでは知らない。
おそらく何かしらの特殊能力を持っているだろうことを剣は予測できている。
刀とロングソード、異種剣戟試合が始まった。
先に示しておくと、剣の刀は違う。おかしい。
何十代にもわたり、時代に合わせ数度打ち直されるのみでその強さを保ってきた名刀は、どんな衝撃でさえ折れぬという一振りだ。
剣どころか、斧やハンマーとでさえ打ち合うことができる最硬の刀。
そして使い手は刃物|使い刀刃家の末裔、剣である。その技量は既に達人、名人の域に届きつつある。
一方のロングソード使い、赤騎士の剣には何の変哲も銘も、号もない。加えてその実力は、血統と天賦の才を兼ね備える剣と比べると下である。その柄を握ってたった数年、才能はあるらしく、なんとか打ち合うことができている程度だ。
あくまで刀刃の末裔と比べて劣るというだけだ。その剣撃は速い。ソードの重心が柄の方にあるのだろう。剣を巧みに回し、剣筋を読みにくくさせている。
その激しい攻勢に的確に対応してみせるのが剣だった。対応している、だけではない。既に優勢。
技量の差は明確。赤騎士は決定的な傷を負うことはなくとも、徐々に刃が体に届き始めていた。
「噂通りつえーな」
「そんなの被ってるからだよ」
「あっ、確かに」
赤騎士はフードを降ろす。角刈りの少年。荒い口調に似合う目つきの悪さ。アジア系の顔立ち。やはり同じくらいの年齢だった。
会話をするほどの余裕はあり、赤騎士の態度には焦りを感じられない。実力差は明確。それは赤騎士もわかっているはずだ。
赤騎士はただのソードマンではない。まだ手の内を隠している。剣はそう思った。
赤騎士の腹部は浅く斬られた。横一文字に刻まれた刀傷からは血が零れている。
ここで剣が持った違和感。追撃をやめ一旦距離を取る。
赤騎士の周りの景色が少し赤みがかっている。赤。それは赤騎士と無関係とは思えなかった。
「赤騎士ってのはさ、自分の血を操ることができる。アメコミみたいに他人の血をどうこうできないが、自分ので十分さ」
「あれは血中の鉄を操ってるんじゃなかったけ?」
「詳しいな。まあそこは気にすんな」
赤い霧のようなものは、自身の出血を空気中に浮かび上がらせていたものらしい。その血は集まると徐々に形を形成していく。一振りの血の西洋剣。
「ああ、そういうやつ」
血剣は剣へと迫った。誰も握る者がいないのに、である。
「その剣は簡単な命令を受けて自律する。もう少し出血すれば二本、三本と増えるけどな」
自身の出血が多ければ多いほど手数も増える。まさに諸刃の剣だ。
オートで襲い来る血の剣の技術は大したものではない。だが、自律している。不死身の相手が増えたようなものだ。二対一に近い。
浅い傷はダメ、かつ、意識を失わせるほどのダメージを与えなければならない。
二本目の血の剣が生成された。戦闘の激しい動きで出血が増えたのだろう。
ロングソードの一撃は重い。血のソードの重心は剣先に近い方にあるように思える。そこに加わる赤騎士の素早い攻撃。
三本のソードを凌ぐには、剣であっても厳しいのだろう、赤騎士を攻める暇がない。
「ちょっと本気出すよ」
剣は刀を強く握り、腕が震えるくらいの力を籠めると刀を横に振った。
一振り。たった一振りで三本のソードを折った。いや斬った。いずれも刀身の半ばほどで斬られている。血でできた剣のみならず赤騎士の持つ鉄剣も斬られていた。刃こぼれせずに鉄をも斬る。そんな芸当が刀刃の名刀にはできた。
「嘘だろ」
武器を失った赤騎士は形を失った血で、血の矢を生成し、攻撃を試みる。凝固する前の血ならば再び何かを作り出すことは可能だ。
すぐに武器を作ることができる。とはいえ赤騎士がこの技術を使ったのは初めてだった。
剣は懐からペティナイフを取り出し投擲する。その狙いは赤騎士の放った血の矢だ。
三本のナイフ、その刃先は血の矢の中心を捉え、ばらけさせる。
慌てて放った血の矢は圧縮が足りず、不安定なままだった。
剣は刀を返す。狙いは峰打ち。多量の血で何をするかわからない。ならば殴ってしまえばいい、そんな判断だ。
防御の術を赤騎士は失っている。散らばっている血液で何かをするには遅い。剣は瞬時に接近すると刀を振り下ろした。
脳天に直撃、頭蓋骨がどうなったかわからないが、赤騎士は意識を失った。
空中にあった血が静かに落ちる。
剣は血振りをすることなく刀を納める。その切れ味はその号の通り、血をも寄せ付けない。
刀刃家に伝わる名刀、その号は『血斬り』。刃に付着したものはすぐに落ち、銀色の刀身をすぐに表す。
赤騎士の所持品を物色し、携帯電話を取り出す。赤いガラケー。パスコードロックはされていない。リダイヤル。表示名は白騎士。
(はいはい、赤騎士ですか?)
敬語、丁寧な物腰の男性が出た。
白騎士。五勢力、色の騎士団の一部隊のリーダー格、だったろうか。剣は自身の脳にある少ない情報を辿る。
「刀刃剣だよ」
(おや刀刃剣くんですか。あはは、面目ありませんね。生きてます?)
ちらりと赤騎士を見やる。胸の上下、呼吸はしている。
「頭ぶっ叩いちゃったけど生きてるよ」
(ならいいです。あとで回収します)
「ほっといていいの?」
(ええ、ええ、ありがとうございます。明日伺いますので、不可解部の部室にてお待ちください)
白騎士との通話はそれで終わった。
明日、不可解部に来るということだ。時間指定はない。聞きそびれてしまった。
ほかの二人も襲われているだろうか。赤騎士程度の相手ならば、五木も風名も何とかできるだろう。それに強い殺意は感じられなかった。おそらく試されていただろうと推測する。後で二人に連絡しておこう。
ふと気が付く。意識のない赤騎士。そのままでいいとは言われたが、道端に置いておくわけにもいくまい。通りすがりの人が見つけ、騒ぎになってはことだ。とりあえず草むらに引きずって、見つかりにくいようにしておく。
携帯電話はGPSが入っているかわからないが、赤騎士の体の上に乗せておく。
「こんなものかな」
そこら辺に散らばっている血はどうしようもないので放っておくしかないだろう。白騎士とやらがすぐに回収に来るのを願うばかりだ。
赤騎士の移動を終え、一息つくと剣はそのまま自宅へと足を向けた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる