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9 美しき心が映す世界へ2人でピクニック
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一瞬もためらうことがなく、アーサー王子は行うべきことを決断した。
大変なうそをついてしまったことを反省して、心の底から誤ろうと思った。
そしてすぐに、クラリスの後を追ってドアを開けて中に入った。
すると、ドアを開けたすぐそこにはクラリスがいた。
アーサー王子は心の底からおわびした。
「申し訳ありません。婚約のような重要なことを冗談に使ってはいけませんでした。」
「王子様。さきほどのように言われると、私の心が痛むということをお考えになったのですか? 」
「いえいえ、全くそのようなことを考えませんでした。ごめんなさい。」
「私の反応を見られた御感想は? 正直におっしゃっていただければ全てお許しいたします。」
「はい。正直に申します。うれしかったです。」
「なぜですか。」
「私をどう思われているのか確認したかったのです。………………私はクラリスさんが好きですが、反対にクラリスさんはどうなのか………………」
「ふふふふ。王子様、お許しいたします。ところで、今日はすぐにはお帰りになられないのですね。とてもおいしい飲み物があるのですよ。」
「それは、とても楽しみです。」
「王子様。こちらへどうぞ。」
アーサー王子はクラリスに案内されてリビングに通された。
侍女のメイが飲み物を持ってきた。
「王子様。よくいらっしゃいました。大変でしたね。意外にお嬢様は手強いですよ。でも、王子様、もう少しですからね。お嬢様の心を完全につかめますよ。」
「メイ。よぶんなことを言わないでください。王子様。侍女のメイは私がとても幼い頃から仕えてくれている大切な家族なのです。」
「回りにざっくばらんに話せることができる人がいるとありがたいですね。私にも、なんでも幼い頃から先生のようにそばにいてくれろ相談役がいるのですよ。」
「王子様を支えるため、回りにはたくさんの人々が集まってくれるはずです。難しいかもしれませんが、なんでもお一だけでお考えにならないで、ほんの少しでも回りの方にお任せください。」
「そうですね。他の人に任せることができないことが私の欠点ですね。ありがとうございます。」
「王子様。今日はもう父様の城にお泊まりになるのですね。明日、私と一緒にピクニックに行きませんか。今の季節、父様の領地の中で最もすばらしい景色の場所があるのです。御案内します。」
「ほんとうですか。うれしいです。是非、お願いします。」
次の日の早朝、アーサー王子はクラリスが指定した城のそばの草原にやってきた。
以前、敵国の侵攻を抑撃して勝利した後、アーサーとクラリスが初めて出会った場所の近くだった。
既にクラリスは白馬に乗り、そこで待っていた。
「アーサー様。従者の方を引き連れず、よくお一人で来ることができましたね。」
「実は従者の騎士メイナードが起きる前にそっと出て来ました。ただ、『心配しないでください』と彼の部屋の中に手紙を残しておきました。クラリスさんも侍女の方がいらっしゃらないのですね。」
「1人で行きますと告げたら、『はい、どうぞ。』と言われました。ところで、騎士様に残された手紙には、今日、誰と遠出するというように具体的に書かれたのですか。」
「はい、もちらんです。『ランカスター公爵の御息女のクラリスさんとピクニックに行って来る』と書いておきました。何か問題だったのでしょう。」
「問題かもしれません。一国の王子が公爵の娘と2人切りで護衛もつけずにピクニックに行くとは、常識では絶対に考えられません。でも王子様と私の場合は違いますよ。英雄と魔女ですから――」
「魔女! 」
「また後で詳しくお話します。私はかなり力の強い魔女なのです。そして、王子様は一騎当千の武芸に秀でた英雄です。このコンビを襲おうとする強盗はこの世界で一番不運だと思います。」
クラリスは美しい青い瞳の目を輝かせながら、優しい笑顔をアーサーに見せた。
そして、たくみに白馬をあやつり走り出した。
「さあ出発です。アーサー王子様行きますよ。」
走り出した白馬の上で、彼女の黒い美しい髪がきれにになびいた。
その姿にアーサーは見とれてしまったが、すぐに我に返って後を追った。
アーサーはクラリスの横に馬を並べて走っていた。
「クラリスさん。このままこの草原をひたすら直進するのですが。」
「王子様。もうすぐ門をくぐります。それから景色がとても変わります。」
「門なんて前方に少しも見えないのですが。」
「目に見えないだけで確かにあるのです。いいですか、今から、アーサー王子様にも見えるようにしますね。」
そう言った後、クラリスは詠唱していた。
…我は真実に至る魔女の血を継ぐ者。横に並ぶはこの世に平和と幸せをもたらす英雄に成るべき者。2人の純粋な心をのぞき確認せよ。開け!
その後、クラリスの青い瞳の魔眼が明るく輝いた。
そして、馬を直進させている2人の前に巨大な門が現われた。
「クラリスさん。ものすごく大きな門ですね。いったいあれはどこに開いているのですか。」
「王子様。説明はしませんよ。今から門をくぐればすぐにわかります。」
2人は巨大な門をくぐった。
すると、緑が美しいおとぎ話に出て来るような世界が広がっていた。
「アーサー王子様。やはり、英雄として純粋できれいな心をおもちのあなたは門をくぐることができましたね。」
「クラリスさん。ここはどこですか? 」
「美しき心が映す世界です―― 」
大変なうそをついてしまったことを反省して、心の底から誤ろうと思った。
そしてすぐに、クラリスの後を追ってドアを開けて中に入った。
すると、ドアを開けたすぐそこにはクラリスがいた。
アーサー王子は心の底からおわびした。
「申し訳ありません。婚約のような重要なことを冗談に使ってはいけませんでした。」
「王子様。さきほどのように言われると、私の心が痛むということをお考えになったのですか? 」
「いえいえ、全くそのようなことを考えませんでした。ごめんなさい。」
「私の反応を見られた御感想は? 正直におっしゃっていただければ全てお許しいたします。」
「はい。正直に申します。うれしかったです。」
「なぜですか。」
「私をどう思われているのか確認したかったのです。………………私はクラリスさんが好きですが、反対にクラリスさんはどうなのか………………」
「ふふふふ。王子様、お許しいたします。ところで、今日はすぐにはお帰りになられないのですね。とてもおいしい飲み物があるのですよ。」
「それは、とても楽しみです。」
「王子様。こちらへどうぞ。」
アーサー王子はクラリスに案内されてリビングに通された。
侍女のメイが飲み物を持ってきた。
「王子様。よくいらっしゃいました。大変でしたね。意外にお嬢様は手強いですよ。でも、王子様、もう少しですからね。お嬢様の心を完全につかめますよ。」
「メイ。よぶんなことを言わないでください。王子様。侍女のメイは私がとても幼い頃から仕えてくれている大切な家族なのです。」
「回りにざっくばらんに話せることができる人がいるとありがたいですね。私にも、なんでも幼い頃から先生のようにそばにいてくれろ相談役がいるのですよ。」
「王子様を支えるため、回りにはたくさんの人々が集まってくれるはずです。難しいかもしれませんが、なんでもお一だけでお考えにならないで、ほんの少しでも回りの方にお任せください。」
「そうですね。他の人に任せることができないことが私の欠点ですね。ありがとうございます。」
「王子様。今日はもう父様の城にお泊まりになるのですね。明日、私と一緒にピクニックに行きませんか。今の季節、父様の領地の中で最もすばらしい景色の場所があるのです。御案内します。」
「ほんとうですか。うれしいです。是非、お願いします。」
次の日の早朝、アーサー王子はクラリスが指定した城のそばの草原にやってきた。
以前、敵国の侵攻を抑撃して勝利した後、アーサーとクラリスが初めて出会った場所の近くだった。
既にクラリスは白馬に乗り、そこで待っていた。
「アーサー様。従者の方を引き連れず、よくお一人で来ることができましたね。」
「実は従者の騎士メイナードが起きる前にそっと出て来ました。ただ、『心配しないでください』と彼の部屋の中に手紙を残しておきました。クラリスさんも侍女の方がいらっしゃらないのですね。」
「1人で行きますと告げたら、『はい、どうぞ。』と言われました。ところで、騎士様に残された手紙には、今日、誰と遠出するというように具体的に書かれたのですか。」
「はい、もちらんです。『ランカスター公爵の御息女のクラリスさんとピクニックに行って来る』と書いておきました。何か問題だったのでしょう。」
「問題かもしれません。一国の王子が公爵の娘と2人切りで護衛もつけずにピクニックに行くとは、常識では絶対に考えられません。でも王子様と私の場合は違いますよ。英雄と魔女ですから――」
「魔女! 」
「また後で詳しくお話します。私はかなり力の強い魔女なのです。そして、王子様は一騎当千の武芸に秀でた英雄です。このコンビを襲おうとする強盗はこの世界で一番不運だと思います。」
クラリスは美しい青い瞳の目を輝かせながら、優しい笑顔をアーサーに見せた。
そして、たくみに白馬をあやつり走り出した。
「さあ出発です。アーサー王子様行きますよ。」
走り出した白馬の上で、彼女の黒い美しい髪がきれにになびいた。
その姿にアーサーは見とれてしまったが、すぐに我に返って後を追った。
アーサーはクラリスの横に馬を並べて走っていた。
「クラリスさん。このままこの草原をひたすら直進するのですが。」
「王子様。もうすぐ門をくぐります。それから景色がとても変わります。」
「門なんて前方に少しも見えないのですが。」
「目に見えないだけで確かにあるのです。いいですか、今から、アーサー王子様にも見えるようにしますね。」
そう言った後、クラリスは詠唱していた。
…我は真実に至る魔女の血を継ぐ者。横に並ぶはこの世に平和と幸せをもたらす英雄に成るべき者。2人の純粋な心をのぞき確認せよ。開け!
その後、クラリスの青い瞳の魔眼が明るく輝いた。
そして、馬を直進させている2人の前に巨大な門が現われた。
「クラリスさん。ものすごく大きな門ですね。いったいあれはどこに開いているのですか。」
「王子様。説明はしませんよ。今から門をくぐればすぐにわかります。」
2人は巨大な門をくぐった。
すると、緑が美しいおとぎ話に出て来るような世界が広がっていた。
「アーサー王子様。やはり、英雄として純粋できれいな心をおもちのあなたは門をくぐることができましたね。」
「クラリスさん。ここはどこですか? 」
「美しき心が映す世界です―― 」
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