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50 人間が魔族になる国があった3
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戦いが終わった後、アーサーがみんなに相談した。
「これからどこに向いますか。早く移動しないと、もっと多くの国軍がやってきます。」
シンが言った。
「牢屋に収監されている間、友人達が苦労して私に教えてくれました。私の収監に抗議してサラセン王国に反乱を起している城がいるそうです。ただ、国軍に囲まれ非常に苦戦しています。」
アーサーが聞いた。
「シンのために反乱を起して国中を敵にするとは、立派な城主ですね。」
「はい。実は私の婚約者なのです。ノーラという女性です。病気がちな父親から城主の座を譲られたのですが、なんとか国軍を防いでいます。国軍は降伏を勧告し、一つの条件を示しているそうです。」
「それはどのような条件ですか。」
「……ノーラが私との婚約を破棄し、国王の婚約者になるということです。」
「サラセン国王はシンに負けた腹いせにそこまでやるのですか!!! わかりました。できるだけ早くノーラさんの城に行き、国軍への抵抗を助ける必要がありますね。」
アーサーはクラリスにたずねた。
「クラリスさん。ノーラさんの城にできるだけ早くたどり着くにはどうすればよいのでしょうか。メイさんに乗せて行っていただければ早いと思いますが。」
「確かにメイの背に乗り空中を進めば早く着けるです。しかし、それよりもずっと早く着ける方法があります。シンさんにお聞きしますが、ノーラさんのお城には行かれたことがあるのですか。」
「はい。もちろん。彼女の顔を見たい一心で何回も訪問しました。」
「そうですか。それでは簡単です。」
そう言った後、クラリスは詠唱し始めた。
「恋人達の美しき心、無限の距離をつなぐ。空間の神よ、理不尽に力を示すことなかれ。今、危機に陥っている大切な恋人を救いたい心に報いよ!!! 」
クラリス達の回りに魔法陣が現われた。
「みなさん、この中に入ってください。シンさん、彼女のことを考えてください。」
「我、真実至る魔女を継ぐクラリスが創る―― 縮地魔術―― 」
魔法陣の中に立っていた5人の姿が消えた。
城の中のわずかな空間に小さな池があり、回りには美しい花々が咲いていた。
その前に設けられたベンチに1人の女性が深刻な表情で座っていた。
輝く黒髪はクラリスのものとよく似ていた。
瞳はブラウンで控え目、穏やかな美しい顔をしていた。
城兵達は城主であるノーラの顔を見ただけで、戦いの傷を癒いやすことができた。
(シン様。もうこの城はもちません。精一杯戦いましたが、明日全軍で最後の出撃をして命果てるまで、あなた様に対する国王のひどい仕打ち対し、歴史に残る最後を見せてやります。)
深刻な表情をして座っている彼女のか細い肩に、人の手が触れた。
「最後の出撃は無謀です。城主様、今、あなたの城には世界最強の援軍が尽きましたよ。助言を受けられますか。」
その声と手の感触を感じ、ノーラははっとして驚いた。
彼女のブラウンの控え目な瞳は、たくさんの涙をためて、やがて涙がこぼれ落ちた。
「シン様!!! 」
大変な勢いで彼女は振り向き、そこに確かに立っていたシンに抱きついた。
「ノーラ。とても心配をかけました。心のそこから誤ります。」
「いえいえ。今回のことは理不尽な国王が起したこと。人の道をはずれています。シン様にはなにも罪はございません。」
「私との試合の後、国王に何か異変がありましたか。国軍がみな魔族に変っているようなのです。」
「はい。国王はシン様に負けたことを受け入れることができませんでした。それで、シン様より確実に強くなる方法を探し始めたと聞いています。うわさでは、悪しき心を映す世界に出向いたとか。」
「悪しき心を映す世界!!! 魔王アスモデウスがすべる世界ですね。それで何をしたのですか。」
「恐ろしいことに、自分がシン様より確実に強くなるために魔王と契約を結んだとか。代償は事実の改変です。『人間に生まれた』事実を『魔族に生まれた』ことに書き換えてしまうのです。」
「そんな代償を払ったのですか。国王は、してはいけないことをやってしまったのですね。」
そう話したシンの少し後ろに、知らない4人がいることにノーラは気がついた。
「あっ、紹介が遅れてしまった。最初に、この方は私が子供の頃参加した世界武術大会の優勝者。そしてその時、臣下として仕えることをお約束したゴード王国のアーサー王子です。」
ノーラは大変驚いた。
「いつもいつもシンはあなた様のことを繰り返し私に話すのです。だから、お会いしてすぐわかりました。英雄のことは、この国のほとんど全ての人が知っています。」
「次にこの女性はクラリス様。美しき心を映す世界の守護者にして真実に至る魔女を継ぐ方です。」
「よく存じ上げています。この国の女性達は、若くして大変な立場になられ、魔王アスモデウスの悪しき心を映す世界と対立している魔女様にあこがれています。」
「この方はクラリス様の侍女メイ様。そしてアーサー王子の騎士であるメイナード様です。」
4人はノーラに向かって深くおじぎをした。
ノーラもみんなに向かっておじぎをした。
「ところで、みなさまはどうやってこの城に入ることができたのですか。今、この城は5万人の国軍にアリの入るすき間もないくらい囲まれ封鎖されています。」
ノーラの質問にクラリスが答えた。
「首都ブヘンからこの城へ、私の縮地魔術で来たのです。ノーラ様。シン様。縮地魔術は見事に成功しました。お二人がひかれ合っている気持ちは予想以上に最高でした。」
ノーラとシンは顔をとても赤くした。
「これからどこに向いますか。早く移動しないと、もっと多くの国軍がやってきます。」
シンが言った。
「牢屋に収監されている間、友人達が苦労して私に教えてくれました。私の収監に抗議してサラセン王国に反乱を起している城がいるそうです。ただ、国軍に囲まれ非常に苦戦しています。」
アーサーが聞いた。
「シンのために反乱を起して国中を敵にするとは、立派な城主ですね。」
「はい。実は私の婚約者なのです。ノーラという女性です。病気がちな父親から城主の座を譲られたのですが、なんとか国軍を防いでいます。国軍は降伏を勧告し、一つの条件を示しているそうです。」
「それはどのような条件ですか。」
「……ノーラが私との婚約を破棄し、国王の婚約者になるということです。」
「サラセン国王はシンに負けた腹いせにそこまでやるのですか!!! わかりました。できるだけ早くノーラさんの城に行き、国軍への抵抗を助ける必要がありますね。」
アーサーはクラリスにたずねた。
「クラリスさん。ノーラさんの城にできるだけ早くたどり着くにはどうすればよいのでしょうか。メイさんに乗せて行っていただければ早いと思いますが。」
「確かにメイの背に乗り空中を進めば早く着けるです。しかし、それよりもずっと早く着ける方法があります。シンさんにお聞きしますが、ノーラさんのお城には行かれたことがあるのですか。」
「はい。もちろん。彼女の顔を見たい一心で何回も訪問しました。」
「そうですか。それでは簡単です。」
そう言った後、クラリスは詠唱し始めた。
「恋人達の美しき心、無限の距離をつなぐ。空間の神よ、理不尽に力を示すことなかれ。今、危機に陥っている大切な恋人を救いたい心に報いよ!!! 」
クラリス達の回りに魔法陣が現われた。
「みなさん、この中に入ってください。シンさん、彼女のことを考えてください。」
「我、真実至る魔女を継ぐクラリスが創る―― 縮地魔術―― 」
魔法陣の中に立っていた5人の姿が消えた。
城の中のわずかな空間に小さな池があり、回りには美しい花々が咲いていた。
その前に設けられたベンチに1人の女性が深刻な表情で座っていた。
輝く黒髪はクラリスのものとよく似ていた。
瞳はブラウンで控え目、穏やかな美しい顔をしていた。
城兵達は城主であるノーラの顔を見ただけで、戦いの傷を癒いやすことができた。
(シン様。もうこの城はもちません。精一杯戦いましたが、明日全軍で最後の出撃をして命果てるまで、あなた様に対する国王のひどい仕打ち対し、歴史に残る最後を見せてやります。)
深刻な表情をして座っている彼女のか細い肩に、人の手が触れた。
「最後の出撃は無謀です。城主様、今、あなたの城には世界最強の援軍が尽きましたよ。助言を受けられますか。」
その声と手の感触を感じ、ノーラははっとして驚いた。
彼女のブラウンの控え目な瞳は、たくさんの涙をためて、やがて涙がこぼれ落ちた。
「シン様!!! 」
大変な勢いで彼女は振り向き、そこに確かに立っていたシンに抱きついた。
「ノーラ。とても心配をかけました。心のそこから誤ります。」
「いえいえ。今回のことは理不尽な国王が起したこと。人の道をはずれています。シン様にはなにも罪はございません。」
「私との試合の後、国王に何か異変がありましたか。国軍がみな魔族に変っているようなのです。」
「はい。国王はシン様に負けたことを受け入れることができませんでした。それで、シン様より確実に強くなる方法を探し始めたと聞いています。うわさでは、悪しき心を映す世界に出向いたとか。」
「悪しき心を映す世界!!! 魔王アスモデウスがすべる世界ですね。それで何をしたのですか。」
「恐ろしいことに、自分がシン様より確実に強くなるために魔王と契約を結んだとか。代償は事実の改変です。『人間に生まれた』事実を『魔族に生まれた』ことに書き換えてしまうのです。」
「そんな代償を払ったのですか。国王は、してはいけないことをやってしまったのですね。」
そう話したシンの少し後ろに、知らない4人がいることにノーラは気がついた。
「あっ、紹介が遅れてしまった。最初に、この方は私が子供の頃参加した世界武術大会の優勝者。そしてその時、臣下として仕えることをお約束したゴード王国のアーサー王子です。」
ノーラは大変驚いた。
「いつもいつもシンはあなた様のことを繰り返し私に話すのです。だから、お会いしてすぐわかりました。英雄のことは、この国のほとんど全ての人が知っています。」
「次にこの女性はクラリス様。美しき心を映す世界の守護者にして真実に至る魔女を継ぐ方です。」
「よく存じ上げています。この国の女性達は、若くして大変な立場になられ、魔王アスモデウスの悪しき心を映す世界と対立している魔女様にあこがれています。」
「この方はクラリス様の侍女メイ様。そしてアーサー王子の騎士であるメイナード様です。」
4人はノーラに向かって深くおじぎをした。
ノーラもみんなに向かっておじぎをした。
「ところで、みなさまはどうやってこの城に入ることができたのですか。今、この城は5万人の国軍にアリの入るすき間もないくらい囲まれ封鎖されています。」
ノーラの質問にクラリスが答えた。
「首都ブヘンからこの城へ、私の縮地魔術で来たのです。ノーラ様。シン様。縮地魔術は見事に成功しました。お二人がひかれ合っている気持ちは予想以上に最高でした。」
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