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87 妹は特別な国を目指した
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1万人ほどの最強の騎士達が整然と並んでいた。
そして、空の上から何かがすさまじい勢いで落ちてきた。
クラリスが驚いて言った。
「あれはザラだわ。」
ザラは地面から少し上の空間に留まると、大きな声で話し始めた。
「私の召喚に応じ、ここにお集まりいただき感謝致します。世界の歴史に名前を残された英霊の皆様、今日はとてもめずらしい方々と御対面いただきます。」
「いけない―― ザラは私達がここにいることに気がついている。」
クラリスの言ったとおり、上空に留まっていたザラの視線がいきなり4人の方を向いた。
「あそこに、今の世界で最高の剣士、それに最高の槍使いがいます。私の姉様の力で姿を隠していますが、お呼びしましょう。お姉様、隠れてもだめですよ。すぐに姿を現わし、ここに来てください。」
そう言ったザラが、1万人の騎士達のすぐ前を指さした。
「仕方がありません。姿を現わしザラの言うとおりにしましょう。私達と戦うつもりなら、いきなり襲いかかってくるはずですから。まだ様子を見ているのでしょう。」
「ザラさん、と言うと―― 」
「お忘れですか、美しき心を映す世界でいきなり私に剣を振るってきた私の妹です。」
4人は姿を現わし、1万人の騎士達と最前列で対面する場所に歩いて行った。
上空からすぐそばにザラも降りてきた。
ザラの顔や背格好は、クラリスの双子の妹らしくそっくりだった。
「姉様、大変な御活躍ですね。もう7つの暗黒騎士を下し、7つの国を災厄から救うなんて、さすが、母様から愛され、何もかも受け継いだ姉様だわ。」
「ザラ。そのようなことを言うのは止めなさい。あなただって、私より勝っている場所がたくさんあるのですよ。」
「そんなの嘘だわ。たとえば美しさなんて、姉様は私の数倍、美しいじゃないですか。」
「なにを言うの。私とあなたは、母様が苦労して産んだ双子の姉妹なのよ。外見は全く変らないわ。」
「そういうことをおっしゃるのはお姉様だけよ。ちょっとした実験です。お願いだからお姉様は邪魔しないでね。英雄様。『あなたの前にいる10人の娘から、美しい5人の子を選んでください。』」
ザラは魔女の言葉でアーサーにお願いした。
魔女の言葉を人間が聞くと、その言いなりになってしまうのであった。
アーサーの目の前に全く同じ顔と外見をした10人の娘が現われた。
彼の手の中に、5本の四葉のクローバの花が現われた。
そして、催眠術にかかったかのように歩き出し、その中から5人を選んで手渡した。
結果は予想どおりだった。
クラリスが4本の四葉のクローバーを持っていた。
「わかりましたか、お姉様。これが真実です。」
「いや、これは違うの。別の強い理由があるのです。」
クラリスはそう言うと顔を赤らめて下を向いた。
「お姉様。それ以上おっしゃると、私は激怒しますから、そこまでにしておいてください。私は暗黒騎士ですから、お姉様達と戦わなければならないわね。ムーブ! 」
ザラがアーサーとメイナードに向かって、いきなり魔術をかけて転移させたしまった。
同時に1万人の英霊の騎士達も同じ場所に転移させたようだった。
「ザラ。何をするのです。」
「秘密の方法で、お姉様の魔眼でも見つからない場所にお二人を転移させたわ。そこで、時間をかけて1万人の騎士達と戦っていただきます。ただし、1人1人が歴史に名を残した英霊なのですよ。」
ザラかそう言っている間も、クラリスは魔眼で必死に、アーサーとメイナードが転移させられた空間を探したが全然見当たらなかった。
アーサーとメイナードは広い闘技場のような場所の端に転移させられていた。
そして、広い観客席のような場所には約1万人に及ぶ英霊の騎士達が座っていた。
メイナードが言った。
「今から何が始まるのでしょう。」
アーサーが答えた。
「まさか、この闘技場で戦うなんてことはあるのかな。」
突然、闘技場のような空間の光りが落ち真っ暗になった。
やがて、観客席の中の1人にスポットライトが当てられ、その騎士が立ち上がり降りてきた。
騎士は槍を持ち、闘技場の中に入ってきた。
「え――――っ。もしかして、騎士ワイバーン! 」
メイナードが大声を上げた。
「メイナード。あの騎士のことを知っているのですか。」
「はい。歴史上現われた最強で伝説の槍使いです。私は小さい頃、彼の魔族退治のおとぎ話しにあこがれて槍を習いました。もう、500年くらい前に亡くなった方ですが‥‥ 」
ワイバーンが話しかけてきた。
「そこにいらっしゃる2人の方は、現世において相当の武芸者とお見受けする。今日は久し振りに現世に呼ばれ、名のある武芸者と試合ができるのは喜ばしい。私と同じ槍使いの方、どうかな―― 」
「アーサー王子様。伝説にあのように言われて尻込みする訳には参りません。行って来ます。」
「どうやら、この場所に転移させられたからには、戦うことを避ける訳にはいかないようです。時間が経てば、クラリスさんが元の場所に戻してくれるはずです。それまで、伝説を相手にがんばりましょう。」
元の広場には、クラリスとメイ、そしてザラが残った。
ザラがメイを見て言った。
「あなたが、大精霊のメイですね。子供の頃、お姉様の侍女として人間の世界に派遣されるあなたの姿を見たわ―― 美しくて、優しい。そしてとても強いわ。私は子供心にうらやしくてしょうがなかった。」
「おほめいただくことはほんとうにうれしいです。ザラ様。魔女の国の女王クリスタ様は、私以上にすばらしい侍女兼守護者を御用意なさっていたのですよ。」
「そのようなことはどうでもいいわ。私はメイさんのような侍女がほしいの。だから、戦いにまきこみたくない。お姉様、その点は同意していただきますね。」
メイがクラリスの方を見ると、彼女はうなずいていた。
ザラが詠唱した。
「自分のふるさとへ。」
メイがその場から消え、自分のはるか遠いふるさとである精霊の森に転移していった。
その後、その場にはクラリスとザラの双子の姉妹だけになった。
「さてさて、これでようやくお姉様と思う存分戦うことができる環境が整ったわね。生まれた時から私にかけられた「ねたみ」の呪いを、お姉様に勝って必ず解いてみせるわ。」
そして、空の上から何かがすさまじい勢いで落ちてきた。
クラリスが驚いて言った。
「あれはザラだわ。」
ザラは地面から少し上の空間に留まると、大きな声で話し始めた。
「私の召喚に応じ、ここにお集まりいただき感謝致します。世界の歴史に名前を残された英霊の皆様、今日はとてもめずらしい方々と御対面いただきます。」
「いけない―― ザラは私達がここにいることに気がついている。」
クラリスの言ったとおり、上空に留まっていたザラの視線がいきなり4人の方を向いた。
「あそこに、今の世界で最高の剣士、それに最高の槍使いがいます。私の姉様の力で姿を隠していますが、お呼びしましょう。お姉様、隠れてもだめですよ。すぐに姿を現わし、ここに来てください。」
そう言ったザラが、1万人の騎士達のすぐ前を指さした。
「仕方がありません。姿を現わしザラの言うとおりにしましょう。私達と戦うつもりなら、いきなり襲いかかってくるはずですから。まだ様子を見ているのでしょう。」
「ザラさん、と言うと―― 」
「お忘れですか、美しき心を映す世界でいきなり私に剣を振るってきた私の妹です。」
4人は姿を現わし、1万人の騎士達と最前列で対面する場所に歩いて行った。
上空からすぐそばにザラも降りてきた。
ザラの顔や背格好は、クラリスの双子の妹らしくそっくりだった。
「姉様、大変な御活躍ですね。もう7つの暗黒騎士を下し、7つの国を災厄から救うなんて、さすが、母様から愛され、何もかも受け継いだ姉様だわ。」
「ザラ。そのようなことを言うのは止めなさい。あなただって、私より勝っている場所がたくさんあるのですよ。」
「そんなの嘘だわ。たとえば美しさなんて、姉様は私の数倍、美しいじゃないですか。」
「なにを言うの。私とあなたは、母様が苦労して産んだ双子の姉妹なのよ。外見は全く変らないわ。」
「そういうことをおっしゃるのはお姉様だけよ。ちょっとした実験です。お願いだからお姉様は邪魔しないでね。英雄様。『あなたの前にいる10人の娘から、美しい5人の子を選んでください。』」
ザラは魔女の言葉でアーサーにお願いした。
魔女の言葉を人間が聞くと、その言いなりになってしまうのであった。
アーサーの目の前に全く同じ顔と外見をした10人の娘が現われた。
彼の手の中に、5本の四葉のクローバの花が現われた。
そして、催眠術にかかったかのように歩き出し、その中から5人を選んで手渡した。
結果は予想どおりだった。
クラリスが4本の四葉のクローバーを持っていた。
「わかりましたか、お姉様。これが真実です。」
「いや、これは違うの。別の強い理由があるのです。」
クラリスはそう言うと顔を赤らめて下を向いた。
「お姉様。それ以上おっしゃると、私は激怒しますから、そこまでにしておいてください。私は暗黒騎士ですから、お姉様達と戦わなければならないわね。ムーブ! 」
ザラがアーサーとメイナードに向かって、いきなり魔術をかけて転移させたしまった。
同時に1万人の英霊の騎士達も同じ場所に転移させたようだった。
「ザラ。何をするのです。」
「秘密の方法で、お姉様の魔眼でも見つからない場所にお二人を転移させたわ。そこで、時間をかけて1万人の騎士達と戦っていただきます。ただし、1人1人が歴史に名を残した英霊なのですよ。」
ザラかそう言っている間も、クラリスは魔眼で必死に、アーサーとメイナードが転移させられた空間を探したが全然見当たらなかった。
アーサーとメイナードは広い闘技場のような場所の端に転移させられていた。
そして、広い観客席のような場所には約1万人に及ぶ英霊の騎士達が座っていた。
メイナードが言った。
「今から何が始まるのでしょう。」
アーサーが答えた。
「まさか、この闘技場で戦うなんてことはあるのかな。」
突然、闘技場のような空間の光りが落ち真っ暗になった。
やがて、観客席の中の1人にスポットライトが当てられ、その騎士が立ち上がり降りてきた。
騎士は槍を持ち、闘技場の中に入ってきた。
「え――――っ。もしかして、騎士ワイバーン! 」
メイナードが大声を上げた。
「メイナード。あの騎士のことを知っているのですか。」
「はい。歴史上現われた最強で伝説の槍使いです。私は小さい頃、彼の魔族退治のおとぎ話しにあこがれて槍を習いました。もう、500年くらい前に亡くなった方ですが‥‥ 」
ワイバーンが話しかけてきた。
「そこにいらっしゃる2人の方は、現世において相当の武芸者とお見受けする。今日は久し振りに現世に呼ばれ、名のある武芸者と試合ができるのは喜ばしい。私と同じ槍使いの方、どうかな―― 」
「アーサー王子様。伝説にあのように言われて尻込みする訳には参りません。行って来ます。」
「どうやら、この場所に転移させられたからには、戦うことを避ける訳にはいかないようです。時間が経てば、クラリスさんが元の場所に戻してくれるはずです。それまで、伝説を相手にがんばりましょう。」
元の広場には、クラリスとメイ、そしてザラが残った。
ザラがメイを見て言った。
「あなたが、大精霊のメイですね。子供の頃、お姉様の侍女として人間の世界に派遣されるあなたの姿を見たわ―― 美しくて、優しい。そしてとても強いわ。私は子供心にうらやしくてしょうがなかった。」
「おほめいただくことはほんとうにうれしいです。ザラ様。魔女の国の女王クリスタ様は、私以上にすばらしい侍女兼守護者を御用意なさっていたのですよ。」
「そのようなことはどうでもいいわ。私はメイさんのような侍女がほしいの。だから、戦いにまきこみたくない。お姉様、その点は同意していただきますね。」
メイがクラリスの方を見ると、彼女はうなずいていた。
ザラが詠唱した。
「自分のふるさとへ。」
メイがその場から消え、自分のはるか遠いふるさとである精霊の森に転移していった。
その後、その場にはクラリスとザラの双子の姉妹だけになった。
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