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21神武になって(トガ国2)
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入江八広は、トガ国の暑い砂浜に立っていた。
そして彼の向いには、頑強な筋肉をまとった3人の戦士が立っていた。
「トガ国で一番人気がある神聖な儀式がありますね」
「すもお、のことか」
「すも お? 今の時代ではそう呼ぶのですか?」
すると、どこから持ってきたのか3人の戦士は太い縄を砂浜の上に置き始めた。
それは円の形になっていた。
「邪馬台国の戦士よ。戦いはこの中で行う。立って組み合い、どちらかが倒れたり、縄の外に出たら負けだ。もちろん、組む前に押し出してもよいぞ」
「はい。わかりました」
八広は上着を脱いで上半身はだかになった。
この異世界に来て以来、戦いや戦闘訓練で彼の体は最大に鍛えられていた。
「おう、おぬしも相当な戦士だな。慣例どおりではなく、それでは一番強い一席の俺がお相手しよう」
身長が八広と同じくらい高く、色が白い男が縄の中に入った。
その男は、ほどよく太っているが、その直ぐ下にしっかりした鋼の筋肉をまとっていた。
「僕のほんとうの世界、国にもあなたのような強い戦士がいます。相撲取りですが‥‥ まさか‥‥
お名前を教えていただけませんか。私は八広といいます」
「俺の名前は、ハクボウだ」
(シンクロニシティだな。でも2千年の時間を超えて因果が成立するのかな)
その後、八広も縄の中に入った。
(組み合ったら終わりか。瞬間的に勝負をつけるしか勝ち目はないのか)
「邪馬台国の戦士よ。このスモオは戦いの監視者の掛け声ではじまる」
「はっけよい、ですか? 」
「うん。そうだ―― 」
(これは、全く同じなんだ)
自分と同じくらいの身長なのに、ハクボウは自分より大きく見えた。
やがて、その大きさはさらに大きく見え始めた。
(体の回りに闘気をまとっているのか、それにしても昔の人はこのような不思議な力をつかえるのだな)
八広は自分自身、これからの戦いに負けないように気を作り始めた。
そして、意識を集中させた。
八広の闘気が体にまとわれた。
それは、とても大きく強いものだった。
「八広よ。おぬし、どういう人間だ。その闘気は神並みだな―― まあいい、これで気分も楽になった。神並みの人間に負けたとしても恥ではないからな。それに‥‥」
「‥‥負ける気は少しもないぞ!! 」
恐るべきスピードでハクボオが八広を押しにきた。
八広はその動きを正確にしっかり見た。
そして、自分の体に当たる瞬間に少し体をかわし、自分の前を通り過ぎたハクボウの背を押した。
人間ではとても無理なわずか、数千分の1秒の世界での出来事だった。
背を押した力に変化を与えたことで、ハクボウは縄の外に出るとともに砂の上に倒れた。
「御神、御神、あなたを讃たたえます。奉たてまつります」
砂の上に倒れていたハクボウが素早く立ち上がり、八広の前で拝礼した。
「僕は神ではありません」
「いやいや、絶対に神です。私の押しを瞬時に見極めたのですから」
気がつくと、他の2人のトガ国の戦士も、その後ろで拝礼していた。
「我が国は、八広様、そして邪馬台国に降伏します」
「あの―― 国王にまだお会いしていませんが―― ハクボウさん、勝手に決めて良いのですか―― 」
「大丈夫ですよ。私が国王ですから! 」
「えっ」
「八広様。我が神殿に御案内します。
砂浜を抜けて山を少し登った場所に平地があった
そこに、巨大な高床式の高い建物あった。
「とても良い場所ですね。僕の実家から見る風景にも少し似ています。それではトガ国と邪馬台国との友好協定の用意をして、明日お邪魔します」
次の日、邪馬台国の50人くらいの施設がトガ国の神殿に到着した。
昨日までは少しもいなかったが、なんと、数千人の群衆がそこにはいた。
ただ、注目されたのは八広ではなく彼の後ろに従う1人の美女だった。
それはザラだった。
ザラは八広の許しを得ないで、こっそりと船の中にひそんでいたのだった。
背の高い、見たことのない金髪と青い瞳の美女を見て、群衆はとても驚いた。
「あの女性はほんとうに人間か。見たことがない!! この世のものとは思えないほど美しい!! 」
トガ国と邪馬台国の間の協定が締結された。
協定書は神文字で書かれていた。
「八広様。この八島の上に暮らす人間であれば、誰でもこの文字を読めるのですよ」
女王登与が言った。
遠征する前に諸国と取り交わす協定書を登与に作ってもらった。
八広が決めた内容だった。
「この八島の上に暮らす人々は、実質的に同じ神を信仰しています。それに、見かけは違っている文化でも、ほんとうは同じなのですよ」
邪馬台国の女王登与が、真剣な顔で八広に言った。
「これは!!!! 」
協定書の中身を読んだ、トガ国のハクボオ国王が大きな声を出して驚いた。
「丸っきりの友好協定じゃないですか。勝利した国と負けた国との区分が全くありません」
「いいのですよ。これが八広様のお心です。貿易や文化交流などを進めましょう。そして、2つの国の人々がより幸せになればいいのですよ」
ザラが八広の気持ちを代弁した。
見たこともない美女が話すのを聞いて、トガ国の国王や従者は内容をしっかりと理解した。
ハクボオ国王が発言した。
「我が国としては邪馬台国と友好を進めます。ただし、私ハクボオ個人は、永遠に八広様に忠誠を尽くします」
協定締結後、八広達はトガ国の神殿から海に浮かぶ邪馬台国の艦隊に帰還した。
その途中、ザラが八広に聞いた。
「八広様。あのような内容でトガ国はほんとうに従うのでしょうか」
「はい、大丈夫だと思います。なにしろ2千年後の結果を僕はよく知っています。この八島~日本は統一されます。力ではなく心でつながります」
「武力征服を目的とする、私の実家の石の国のシン皇帝の考えとは全く違うのですね」
「心を1つにすることが、とてもとても難しいのです。だけど、もし実現したらとてつもなく強いのです」
「ところで、私は八広様にお聞ききしたいことはもう一つあります」
「なんですか。ザラさん?? 」
「この国に来てから、この国の男どもは私の顔や体をジロジロ見るのですが、どうすればよいですか」
そう言うと、ザラはいきなり剣を抜き道のかたわらの草をなぎ払った。
そこにはトガ国の男達が隠れていた。
ザラはその人々に当たらないように剣を振るっていた。
男立ちはあわてて逃げて行った。
「それほどザラさんは美しいのです。太陽のように、見たくても見たことがないのです‥‥ 」
「‥‥許してあげてください」
「はい♡♡ 」
そして彼の向いには、頑強な筋肉をまとった3人の戦士が立っていた。
「トガ国で一番人気がある神聖な儀式がありますね」
「すもお、のことか」
「すも お? 今の時代ではそう呼ぶのですか?」
すると、どこから持ってきたのか3人の戦士は太い縄を砂浜の上に置き始めた。
それは円の形になっていた。
「邪馬台国の戦士よ。戦いはこの中で行う。立って組み合い、どちらかが倒れたり、縄の外に出たら負けだ。もちろん、組む前に押し出してもよいぞ」
「はい。わかりました」
八広は上着を脱いで上半身はだかになった。
この異世界に来て以来、戦いや戦闘訓練で彼の体は最大に鍛えられていた。
「おう、おぬしも相当な戦士だな。慣例どおりではなく、それでは一番強い一席の俺がお相手しよう」
身長が八広と同じくらい高く、色が白い男が縄の中に入った。
その男は、ほどよく太っているが、その直ぐ下にしっかりした鋼の筋肉をまとっていた。
「僕のほんとうの世界、国にもあなたのような強い戦士がいます。相撲取りですが‥‥ まさか‥‥
お名前を教えていただけませんか。私は八広といいます」
「俺の名前は、ハクボウだ」
(シンクロニシティだな。でも2千年の時間を超えて因果が成立するのかな)
その後、八広も縄の中に入った。
(組み合ったら終わりか。瞬間的に勝負をつけるしか勝ち目はないのか)
「邪馬台国の戦士よ。このスモオは戦いの監視者の掛け声ではじまる」
「はっけよい、ですか? 」
「うん。そうだ―― 」
(これは、全く同じなんだ)
自分と同じくらいの身長なのに、ハクボウは自分より大きく見えた。
やがて、その大きさはさらに大きく見え始めた。
(体の回りに闘気をまとっているのか、それにしても昔の人はこのような不思議な力をつかえるのだな)
八広は自分自身、これからの戦いに負けないように気を作り始めた。
そして、意識を集中させた。
八広の闘気が体にまとわれた。
それは、とても大きく強いものだった。
「八広よ。おぬし、どういう人間だ。その闘気は神並みだな―― まあいい、これで気分も楽になった。神並みの人間に負けたとしても恥ではないからな。それに‥‥」
「‥‥負ける気は少しもないぞ!! 」
恐るべきスピードでハクボオが八広を押しにきた。
八広はその動きを正確にしっかり見た。
そして、自分の体に当たる瞬間に少し体をかわし、自分の前を通り過ぎたハクボウの背を押した。
人間ではとても無理なわずか、数千分の1秒の世界での出来事だった。
背を押した力に変化を与えたことで、ハクボウは縄の外に出るとともに砂の上に倒れた。
「御神、御神、あなたを讃たたえます。奉たてまつります」
砂の上に倒れていたハクボウが素早く立ち上がり、八広の前で拝礼した。
「僕は神ではありません」
「いやいや、絶対に神です。私の押しを瞬時に見極めたのですから」
気がつくと、他の2人のトガ国の戦士も、その後ろで拝礼していた。
「我が国は、八広様、そして邪馬台国に降伏します」
「あの―― 国王にまだお会いしていませんが―― ハクボウさん、勝手に決めて良いのですか―― 」
「大丈夫ですよ。私が国王ですから! 」
「えっ」
「八広様。我が神殿に御案内します。
砂浜を抜けて山を少し登った場所に平地があった
そこに、巨大な高床式の高い建物あった。
「とても良い場所ですね。僕の実家から見る風景にも少し似ています。それではトガ国と邪馬台国との友好協定の用意をして、明日お邪魔します」
次の日、邪馬台国の50人くらいの施設がトガ国の神殿に到着した。
昨日までは少しもいなかったが、なんと、数千人の群衆がそこにはいた。
ただ、注目されたのは八広ではなく彼の後ろに従う1人の美女だった。
それはザラだった。
ザラは八広の許しを得ないで、こっそりと船の中にひそんでいたのだった。
背の高い、見たことのない金髪と青い瞳の美女を見て、群衆はとても驚いた。
「あの女性はほんとうに人間か。見たことがない!! この世のものとは思えないほど美しい!! 」
トガ国と邪馬台国の間の協定が締結された。
協定書は神文字で書かれていた。
「八広様。この八島の上に暮らす人間であれば、誰でもこの文字を読めるのですよ」
女王登与が言った。
遠征する前に諸国と取り交わす協定書を登与に作ってもらった。
八広が決めた内容だった。
「この八島の上に暮らす人々は、実質的に同じ神を信仰しています。それに、見かけは違っている文化でも、ほんとうは同じなのですよ」
邪馬台国の女王登与が、真剣な顔で八広に言った。
「これは!!!! 」
協定書の中身を読んだ、トガ国のハクボオ国王が大きな声を出して驚いた。
「丸っきりの友好協定じゃないですか。勝利した国と負けた国との区分が全くありません」
「いいのですよ。これが八広様のお心です。貿易や文化交流などを進めましょう。そして、2つの国の人々がより幸せになればいいのですよ」
ザラが八広の気持ちを代弁した。
見たこともない美女が話すのを聞いて、トガ国の国王や従者は内容をしっかりと理解した。
ハクボオ国王が発言した。
「我が国としては邪馬台国と友好を進めます。ただし、私ハクボオ個人は、永遠に八広様に忠誠を尽くします」
協定締結後、八広達はトガ国の神殿から海に浮かぶ邪馬台国の艦隊に帰還した。
その途中、ザラが八広に聞いた。
「八広様。あのような内容でトガ国はほんとうに従うのでしょうか」
「はい、大丈夫だと思います。なにしろ2千年後の結果を僕はよく知っています。この八島~日本は統一されます。力ではなく心でつながります」
「武力征服を目的とする、私の実家の石の国のシン皇帝の考えとは全く違うのですね」
「心を1つにすることが、とてもとても難しいのです。だけど、もし実現したらとてつもなく強いのです」
「ところで、私は八広様にお聞ききしたいことはもう一つあります」
「なんですか。ザラさん?? 」
「この国に来てから、この国の男どもは私の顔や体をジロジロ見るのですが、どうすればよいですか」
そう言うと、ザラはいきなり剣を抜き道のかたわらの草をなぎ払った。
そこにはトガ国の男達が隠れていた。
ザラはその人々に当たらないように剣を振るっていた。
男立ちはあわてて逃げて行った。
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「‥‥許してあげてください」
「はい♡♡ 」
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