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5 士官学校に入学する
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草原での事件の数か月後、グネビア王女はランスロの家を見つけ出した。
森の中に開けた場所があり、そこに丸太の家が建てられていた。
ある朝、王女は宮殿出て彼の家を訪ねた。
家臣と近習の侍女達を森の外に待たせ、王女は森の中に入って行こうとした。
護衛を任せられている家臣が言った。
「王女様。お一人で森の中に入っていくなんて危ないです。私達が国王にしかられます。」
「大丈夫ですよ。この森は治安がとても良いのです。強盗などは出ません。」
「どうしてですか。人通りが少なくなり周囲から隔絶されてしまいます。」
「この森は精霊達に守られているのです。心がきれいな者ではないと入れません。」
そう言うと王女は森の中に続く、とても細い道を歩いていった。
「きれいな緑だわ。さすがに精霊達が守る森ね。」
やがて、丸太の家が見えてきた。
家の前には1本の太い大木があり、その幹にむかってランスロが木の棒を振り、剣術の練習をしていた。
近づいて来たグネビア王女に気がつくと、ランスロは大変驚いてその場で固まってしまった。
「久し振りですね、ランスロ。剣術の練習大変ね。」
「王女様、なんで僕の家の場所がわかったのですか。」
王女は内緒であることを示すため、口の前に指を立てた。
「……あんまり大きな声でいえないけれど、軍から斥候を出して調査してもらったの。」
「僕の家を探すのに軍を使うとは、びっくりです。」
「うそよ。私をおぶってくれた草原から、あなたが歩いて行った方向を少しずつ探しただけです。子供が歩く距離ですから、遠くではありません。ところで、あの時摘んだ薬草の効力はありましたか。」
「はい。大変な効力があり、僕の父親の病気が全快しました。ありがとうございます。」
王女が大木の幹に視線を向けると、半分程度が既にえぐれていた。
「ランスロが、その木の棒でやったの? 」
彼は、はにかんだ。
「毎日、毎日、一生懸命、木の棒をたたきつければ誰にでもできることです。」
「そうかな。普通の6歳の子供には絶対できないわ。」
王女は彼の前に手を差し出した。
「その木の棒を私にも持たせてくれますか。」
「汚いですが、よかったら持ってみてください。」
王女は木の棒を持った瞬間、予期できない行動に出た。
大木の幹に向かって、木の棒を力一杯たたきつけた。
当たった瞬間、とても鈍い音がして王女は木の棒から手を離した。
「痛い痛い―――――」
「大丈夫ですか王女様! 今、家から薬を持ってきます。」
両手を痛そうに合せていた王女が言った。
「問題ありません。しばらくすれば直ります。それよりも、ランスロが木の棒を振り大木の幹をたたくのを、私に見せてくれませんか。」
「王女様にお見せするのですか。」
「そうです。ゴード王国の王女グネビアが騎士ランスロに命令します。この大木を魔王だと思って、全力の一撃を出してください。魔王に私の命が狙われていると思って、真剣にやってください! 」
王女にそう言われると、彼の大きな両目に強い意思の光りが宿った。
そしてランスロが真剣に構えると、森のエネルギがその体に集中されたようだった。
彼は木の棒を振った。
あまりの早さで、王女には振ったことが全くわからなかった。
気がつくと、大木の幹のえぐれた場所に深く打ち込まれていた。
そして、グネビア王女には信じられない、驚くべきことが起きた。
「えっ……」
メリメリという音とともに大木は、2人と反対側に倒れてしまった。
「あっ、倒れてしまいました。なんでかわからないけれど、王女様のお命を救うために魔王と戦っている自分を思い浮かべたら、今までで最高の一撃を出すことができました。」
大木が倒れる音を聞いて、ランスロの両親があわてて家の中から出てきた。
「父さん、ごめんなさい。切り倒してしまった。後で片付けます。」
「いいよランスロ。今度の冬を越すために十分な薪ができる。私が割ろう。」
母親が王女を見て聞いた。
「ところで、この美しい清楚なお嬢さんはどなたなの。」
「グネビア王女様です。」
王女自身は身分をいつわろうとしたのに、彼はあっさり言ってしまった。
「大変失礼しました。」
「御無礼をお許しください。」
両親は大変驚いて、その場にひざますいた。
「お父様、お母様、良いのです。今日は私が全面的に悪いのです。ランスロさんのお宅に急におしかけてしまいました。お気になさらないでください。」
王女の気さくで優しい人柄に触れて、両親は安心していくぶんか気が楽になった。
母親が言った。
「王女様、もうお昼が近くなりました。どうでしょうか、庶民の家で作る料理をご馳走させていただきたいのですが。秋も深まり、森の中でたくさんのおいしい実りがとれます。おいしいですよ。」
「ほんとうに良いのでしょうか。料理の量が増えてお母様が大変になってしまいます。」
「少しもかまいません。実は私の夫も息子も普通の人の何倍も食べるから、私の家では大量に料理を作る主義なのです。」
「それではお言葉にあまえて、いただきます。」
(小さな子供の頃から、お母様のおいしい料理をたくさん食べて育ったのね。あんなに背が高くなる理由がわかったわ。)
ランスロの謎を1つ解き明かすことができて、グネビア王女はとてもうれしかった。
森の中に開けた場所があり、そこに丸太の家が建てられていた。
ある朝、王女は宮殿出て彼の家を訪ねた。
家臣と近習の侍女達を森の外に待たせ、王女は森の中に入って行こうとした。
護衛を任せられている家臣が言った。
「王女様。お一人で森の中に入っていくなんて危ないです。私達が国王にしかられます。」
「大丈夫ですよ。この森は治安がとても良いのです。強盗などは出ません。」
「どうしてですか。人通りが少なくなり周囲から隔絶されてしまいます。」
「この森は精霊達に守られているのです。心がきれいな者ではないと入れません。」
そう言うと王女は森の中に続く、とても細い道を歩いていった。
「きれいな緑だわ。さすがに精霊達が守る森ね。」
やがて、丸太の家が見えてきた。
家の前には1本の太い大木があり、その幹にむかってランスロが木の棒を振り、剣術の練習をしていた。
近づいて来たグネビア王女に気がつくと、ランスロは大変驚いてその場で固まってしまった。
「久し振りですね、ランスロ。剣術の練習大変ね。」
「王女様、なんで僕の家の場所がわかったのですか。」
王女は内緒であることを示すため、口の前に指を立てた。
「……あんまり大きな声でいえないけれど、軍から斥候を出して調査してもらったの。」
「僕の家を探すのに軍を使うとは、びっくりです。」
「うそよ。私をおぶってくれた草原から、あなたが歩いて行った方向を少しずつ探しただけです。子供が歩く距離ですから、遠くではありません。ところで、あの時摘んだ薬草の効力はありましたか。」
「はい。大変な効力があり、僕の父親の病気が全快しました。ありがとうございます。」
王女が大木の幹に視線を向けると、半分程度が既にえぐれていた。
「ランスロが、その木の棒でやったの? 」
彼は、はにかんだ。
「毎日、毎日、一生懸命、木の棒をたたきつければ誰にでもできることです。」
「そうかな。普通の6歳の子供には絶対できないわ。」
王女は彼の前に手を差し出した。
「その木の棒を私にも持たせてくれますか。」
「汚いですが、よかったら持ってみてください。」
王女は木の棒を持った瞬間、予期できない行動に出た。
大木の幹に向かって、木の棒を力一杯たたきつけた。
当たった瞬間、とても鈍い音がして王女は木の棒から手を離した。
「痛い痛い―――――」
「大丈夫ですか王女様! 今、家から薬を持ってきます。」
両手を痛そうに合せていた王女が言った。
「問題ありません。しばらくすれば直ります。それよりも、ランスロが木の棒を振り大木の幹をたたくのを、私に見せてくれませんか。」
「王女様にお見せするのですか。」
「そうです。ゴード王国の王女グネビアが騎士ランスロに命令します。この大木を魔王だと思って、全力の一撃を出してください。魔王に私の命が狙われていると思って、真剣にやってください! 」
王女にそう言われると、彼の大きな両目に強い意思の光りが宿った。
そしてランスロが真剣に構えると、森のエネルギがその体に集中されたようだった。
彼は木の棒を振った。
あまりの早さで、王女には振ったことが全くわからなかった。
気がつくと、大木の幹のえぐれた場所に深く打ち込まれていた。
そして、グネビア王女には信じられない、驚くべきことが起きた。
「えっ……」
メリメリという音とともに大木は、2人と反対側に倒れてしまった。
「あっ、倒れてしまいました。なんでかわからないけれど、王女様のお命を救うために魔王と戦っている自分を思い浮かべたら、今までで最高の一撃を出すことができました。」
大木が倒れる音を聞いて、ランスロの両親があわてて家の中から出てきた。
「父さん、ごめんなさい。切り倒してしまった。後で片付けます。」
「いいよランスロ。今度の冬を越すために十分な薪ができる。私が割ろう。」
母親が王女を見て聞いた。
「ところで、この美しい清楚なお嬢さんはどなたなの。」
「グネビア王女様です。」
王女自身は身分をいつわろうとしたのに、彼はあっさり言ってしまった。
「大変失礼しました。」
「御無礼をお許しください。」
両親は大変驚いて、その場にひざますいた。
「お父様、お母様、良いのです。今日は私が全面的に悪いのです。ランスロさんのお宅に急におしかけてしまいました。お気になさらないでください。」
王女の気さくで優しい人柄に触れて、両親は安心していくぶんか気が楽になった。
母親が言った。
「王女様、もうお昼が近くなりました。どうでしょうか、庶民の家で作る料理をご馳走させていただきたいのですが。秋も深まり、森の中でたくさんのおいしい実りがとれます。おいしいですよ。」
「ほんとうに良いのでしょうか。料理の量が増えてお母様が大変になってしまいます。」
「少しもかまいません。実は私の夫も息子も普通の人の何倍も食べるから、私の家では大量に料理を作る主義なのです。」
「それではお言葉にあまえて、いただきます。」
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