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41 勇者になりたくない3
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「僕がザラさんの婚約者! 」
「そうですよ。次期魔王で人間界に侵攻する宿命をもつザラ様は、あなたと婚約していますね。父上であり現魔王のゲール様も認めていらっしゃいます。史上最強、最上級の魔族でもあなたにはかなわないと。ですから、あなたの同意がなければ人間界への大侵攻は始まりません。」
「僕は聞いていませんし困ります。僕は勇…………この年で婚約する勇気がありません。」
「聞いていなくても問題ないじゃないですか。5年前からザラ様と会っていらっしゃらないと思いますが、15歳になられてますます美しくなられていますよ。は――――――っ、人間界で浮気していますね。大方、グネビア王女ではないですか。あの方なら、ザラ様に負けず劣らずきれいな方ですね。」
「なんでグネビア王女様のことを知っているのですか。」
「我々魔族は、密かに人間界を常に見張っているのです。魔界の昆虫や植物が、重要な人物の回りには結構いるんですよ。人間の中で強い人、賢い人、美しい人……、グネビア王女は全てに当てはまります。私は大変不思議ですが、あの王女の心は人間の誰よりも強い。」
「どうしてわかるのですか。」
「それは私が、上級魔族であるセイレーンだからです。私の歌声は、聞いた人間の心の中を全て調べることができます。ほとんどの人には弱い場所があります。しかし王女の心は全て強い覚悟に覆われています。反対にランスロ様の心は弱い場所だらけですね。ふふふふふふ―― 」
「それは認めます。」
「ランスロ様は驚くほど素直で純粋なんですね。我々上級魔族の中では、自分の弱さを簡単に認める者など絶対にいませんよ。今日はザラ様のお言葉をお伝えに参りました。『ランスロ、セイレーンの言ったとおりだから、そのとおりだから、私は5年間必死に考えた。』以上です。」
「えっ、それだけですか。だいたいのことしか理解できません。でも、僕がザラさんの婚約者になっているということはわかりました。婚約者の僕の同意がなければ、人間界へ大侵攻しないということですね。」
「それだけおわかりになれば十分です。そうそう忘れるところでした、付け加えなければなりません。上級魔族の中には、すぐにでも人間界に大侵攻して征服したいと思っているものが多いのです。だから、そのための障害となっているランスロ様のお命を必ずねらうはずです。」
「魔界には上級魔族がどのくらいいるのですか。」
「魔王に準ずる力がなければ上級魔族になれません。そこまで達するのはとても難しいのです。上級魔族は10人います。私もその中の1人ですが。」
「まさか、そうするとセイレーンさんも僕と戦うつもりですか。」
一瞬、ランスロの顔が緊張していた。
「そんな気はさらさらありません。私はザラ様の第1の側近です。ザラ様にしかられてしまいます。」
「よかった。ザラさんの第1の側近なら僕と仲良くできますね。」
「今日私があなたの前に現れた最大の目的は、ランスロ様の現在の力を鑑定することでした。こうして近くで鑑定するとよくわかりました。あなたはとても強い。魔王ゲール様のおっしゃるとおりでした。それに、そのザイゼン一族の最高の剣が覚醒し始めています。それで、あなたの力が倍数で高まっているのです。」
そう言った後、セイレーンはランスロの目の前から急に消えてしまった。
魔界の魔王宮で、セーレンが魔王ゲールに報告していた。
娘のザラと全ての上級魔族が同席していた。
「ランスロ様はザラ様の婚約者にふさわしい、最強の力を秘めていらっしゃいました。今の力のレベルはたぶん魔王様と互角、そして我々上級魔族を超えるだろうと思われます。」
魔王は何回もうなずいた。
「そうだろう。私が人間界にいた時から彼を高く買っていたのだ。」
その後でザラが話を始めた。
背が高く見ているだけで魅了されてしまう姿であるばかりか、その顔は完璧な美しさだった。
「みんなどうだ。ランスロが私の婚約者であることを認めるだろう。彼が同意しない限り、人間界への大侵攻は絶対に不可能だな。何か質問がある者はいるか。」
魔神グリゲイドが立ち上がった。
「私はあの小さき者、ランスロと5年前に戦った。あの頃は幼かったが、あの頃ですら、もう少しで私と互角くらいの力があった。その時、心が純粋で大きく成長すると思った。彼はどのような若者になったのか。」
セイレーンが答えた。
「魔神様のおっしゃるとおりです。あの方は心が極めて純粋で、自分のことを優先して考えるような方ではありません。強くなるのも多くの人間を守りたいと考えるからでしょう。」
暗黒騎士ゴルバが立ち上がった。
「自分のことを優先して強くなりたいと考えても良いと私は思うぞ。ランスロの心が純粋というが、臆病ものではないか。最初は辺境デザートに引きこもって、我々から逃げようと考えていたのだったな。」
ランスロが最初は、任地の希望を辺境デザートに出していたことさえ魔界は情報収集していた。
その時のランスロの気持ちを十分に理解していたザラは、彼をバカにした暗黒騎士をにらみつけていた。
ザラの気持ちを感じ取ったセイレーンが、ザラの気持ちを代弁した。
「弱い所がある戦士は強いのですよ。多くの人の期待を背負っているからです。」
「そうですよ。次期魔王で人間界に侵攻する宿命をもつザラ様は、あなたと婚約していますね。父上であり現魔王のゲール様も認めていらっしゃいます。史上最強、最上級の魔族でもあなたにはかなわないと。ですから、あなたの同意がなければ人間界への大侵攻は始まりません。」
「僕は聞いていませんし困ります。僕は勇…………この年で婚約する勇気がありません。」
「聞いていなくても問題ないじゃないですか。5年前からザラ様と会っていらっしゃらないと思いますが、15歳になられてますます美しくなられていますよ。は――――――っ、人間界で浮気していますね。大方、グネビア王女ではないですか。あの方なら、ザラ様に負けず劣らずきれいな方ですね。」
「なんでグネビア王女様のことを知っているのですか。」
「我々魔族は、密かに人間界を常に見張っているのです。魔界の昆虫や植物が、重要な人物の回りには結構いるんですよ。人間の中で強い人、賢い人、美しい人……、グネビア王女は全てに当てはまります。私は大変不思議ですが、あの王女の心は人間の誰よりも強い。」
「どうしてわかるのですか。」
「それは私が、上級魔族であるセイレーンだからです。私の歌声は、聞いた人間の心の中を全て調べることができます。ほとんどの人には弱い場所があります。しかし王女の心は全て強い覚悟に覆われています。反対にランスロ様の心は弱い場所だらけですね。ふふふふふふ―― 」
「それは認めます。」
「ランスロ様は驚くほど素直で純粋なんですね。我々上級魔族の中では、自分の弱さを簡単に認める者など絶対にいませんよ。今日はザラ様のお言葉をお伝えに参りました。『ランスロ、セイレーンの言ったとおりだから、そのとおりだから、私は5年間必死に考えた。』以上です。」
「えっ、それだけですか。だいたいのことしか理解できません。でも、僕がザラさんの婚約者になっているということはわかりました。婚約者の僕の同意がなければ、人間界へ大侵攻しないということですね。」
「それだけおわかりになれば十分です。そうそう忘れるところでした、付け加えなければなりません。上級魔族の中には、すぐにでも人間界に大侵攻して征服したいと思っているものが多いのです。だから、そのための障害となっているランスロ様のお命を必ずねらうはずです。」
「魔界には上級魔族がどのくらいいるのですか。」
「魔王に準ずる力がなければ上級魔族になれません。そこまで達するのはとても難しいのです。上級魔族は10人います。私もその中の1人ですが。」
「まさか、そうするとセイレーンさんも僕と戦うつもりですか。」
一瞬、ランスロの顔が緊張していた。
「そんな気はさらさらありません。私はザラ様の第1の側近です。ザラ様にしかられてしまいます。」
「よかった。ザラさんの第1の側近なら僕と仲良くできますね。」
「今日私があなたの前に現れた最大の目的は、ランスロ様の現在の力を鑑定することでした。こうして近くで鑑定するとよくわかりました。あなたはとても強い。魔王ゲール様のおっしゃるとおりでした。それに、そのザイゼン一族の最高の剣が覚醒し始めています。それで、あなたの力が倍数で高まっているのです。」
そう言った後、セイレーンはランスロの目の前から急に消えてしまった。
魔界の魔王宮で、セーレンが魔王ゲールに報告していた。
娘のザラと全ての上級魔族が同席していた。
「ランスロ様はザラ様の婚約者にふさわしい、最強の力を秘めていらっしゃいました。今の力のレベルはたぶん魔王様と互角、そして我々上級魔族を超えるだろうと思われます。」
魔王は何回もうなずいた。
「そうだろう。私が人間界にいた時から彼を高く買っていたのだ。」
その後でザラが話を始めた。
背が高く見ているだけで魅了されてしまう姿であるばかりか、その顔は完璧な美しさだった。
「みんなどうだ。ランスロが私の婚約者であることを認めるだろう。彼が同意しない限り、人間界への大侵攻は絶対に不可能だな。何か質問がある者はいるか。」
魔神グリゲイドが立ち上がった。
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