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58 竜人2
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「わかりました。」
竜人ドランの口から出たのは、この一言だけだった。
「何がわかったのですか。」
勇敢にも、グネビア王女はドランに質問した。
「次期魔王ザラ様という婚約者に加えて、婚約者のあなたがいる理由です。ザラ様が『もう一人を見ればわかる』とおっしゃっていました。まさか、あの方に勝るとも劣らない美女が存在するとは! しかし、勇者の候補ランスロ殿に節度があればこのようなことあり得ないでしょう。」
「節度と言われても…………」
「まあいいです。私は真の実力者と戦い、自分の力を見極め、さらに高みを目指すために魔界からやって来たのです。上級魔族序列第3位の竜人ドランは、勇者の候補ランスロ殿に決闘を申し込みます。場所はどこがいいですか。」
「僕と竜人様の間には決闘をするような理由がありません。僕は無意味な決闘は受けません。」
ランスロは拒否したが、ドランはほとんど無視した。
「この近郊の草原は、あなたが幼い時に魔神グリゲイドさんと戦った場所だと聞いています。明日の正午、私はそこで待っています――どうしてもあなたが私と戦わないというのなら、申し訳ありませんが王都に向かって、竜の咆哮を1回だけ放ちます。そうすればすっきりしますから。」
「1回ほえることで、すっきりなさるのなら問題ありません。」
「ランスロ様。大問題です! 」
2人のやりとりを聞いていた植物系魔族のマリがあわてて言った。
「マリさん。どういうことですか。教えてください。」
「竜の咆哮の威力は、たとえ1回だけでも、広大な王都イスタンの生きているものであれ生きていないものであれ、全てを瞬時に目に見えない粒子に分解してしまうほどなのです。」
「マリさん。御説明ありがとうございます。」
ドランの両目が鋭く光っていた。
ランスロは落ち着いて冷静な顔だった。
そして、ドランに向けて告げた。
「わかりました。この国の人々を守る勇者の候補として決闘を受けましょう。」
「そうですか。ありがとうございます。明日が楽しみですね。ところで、あなたの判断はとても正しかったのですよ――」
ドランは王都イステンからはるかに遠い場所に見えている山脈を見つめた。
そして、その山脈に向かって小さくほえた。
うぉ――
すると、瞬時に山脈の姿がゆがんで消えてしまった。
「すいません。王都イスタンから見る景色が変わってしまいました。もしかしたら、あそこにあった山脈の風景が他国からの観光客への売りだったりしませんか。」
グネビア王女がさらに前に進み出て、ドランの顔をにらみつけた。
「いいえ、御心配なく。竜人ドラン様。私の方からの御忠告です。私の勇者を怒らせると、とても恐いのですよ。勇者の攻撃からしっかりと御自身をお守りください。」
次の日の正午、王都近郊の草原で勇者の候補ランスロと竜人ドランが距離を開け、向かいあって立っていた。
ランスロが聞いた。
「竜人様。人間の姿ではなく本来の魔族になっていただいても構いませんよ。」
「勇者の候補よ。心配してくれてありがとう。本来の魔族の姿になれば力を何割か増すことができるのだけど、魔王ゲール様から人間の姿で戦うように指示されている。このままで行くよ。」
ドランが剣を抜いた。
「この剣ははるか古代から生きてきた我々竜族の牙を、少しずつ打ち込んで鍛えたものだ。竜剣という。剣先はどの剣よりも鋭いぞ。」
そう言うと、ドランは雷のように一瞬で間合いを詰めて、ランスロに向かって竜剣を一閃した。
ランスロは正確にゾイゼンの剣で一撃を受け止めたが、はるか後ろに吹き飛ばされた。
「やあ、竜剣の一撃を受け止めたか。その剣は人間が作ったものだとしたら最高だな。それにしても挨拶がわりの最初の一撃でそんなに吹き飛ばされるとは、だらしないぞ。」
ドランはそう言うと、ランスロが立ち上がった瞬間のタイミングでさらに竜剣を一閃した。
剣がぶつかり合う、はるか遠くまで聞こえるような巨大な衝撃音がした。
今度もランスロは正確にドランの一撃を受け止めた。
ただ最初と異なるのは、はるか後ろに吹き飛ばされたのはドランだった。
しかも、最初にランスロが吹き飛ばされた距離の10倍の距離はあった。
「最初は、人間の姿だからだまされただけです。以外に威力がありました。でも、もう全てを見切りました。」
「勇者の候補よ。私の攻撃を全て見切ったとは、武人に対して大変失礼な言い方ではないですか。」
怒りのせいか、ドランの背中には竜の翼が出ていた。
そしてドランは連続攻撃を開始し、ランスロに対して竜剣が何回も素早く振った。
ところが、ランスロは既に戦っている空間をすべて支配し、それぞれの竜剣の剣筋がスローモーションを見ているかのようにわかっていた。
そしてゾイゼンの剣で受けた瞬間、加える圧力を少しずつ増加させた。
ドランは竜剣で行う全ての攻撃を受けられ、だんだん圧力をかけれたことに自分でも気がつかないうちに激怒していた。
そして、人間の姿はだんだん本来の姿に変わり、最後には完全な竜人の姿になった。
押され始めている戦いの内容を挽回するため、ドランは最後の手段に出た。
ランスロがいる方向とは全く違う王都イスタンに向かって、ありったけの力で竜の咆哮を放った。
うぉうぉうぉ――――
衝撃波は、1千万人都市である王都イスタンに向かった。
竜人ドランの口から出たのは、この一言だけだった。
「何がわかったのですか。」
勇敢にも、グネビア王女はドランに質問した。
「次期魔王ザラ様という婚約者に加えて、婚約者のあなたがいる理由です。ザラ様が『もう一人を見ればわかる』とおっしゃっていました。まさか、あの方に勝るとも劣らない美女が存在するとは! しかし、勇者の候補ランスロ殿に節度があればこのようなことあり得ないでしょう。」
「節度と言われても…………」
「まあいいです。私は真の実力者と戦い、自分の力を見極め、さらに高みを目指すために魔界からやって来たのです。上級魔族序列第3位の竜人ドランは、勇者の候補ランスロ殿に決闘を申し込みます。場所はどこがいいですか。」
「僕と竜人様の間には決闘をするような理由がありません。僕は無意味な決闘は受けません。」
ランスロは拒否したが、ドランはほとんど無視した。
「この近郊の草原は、あなたが幼い時に魔神グリゲイドさんと戦った場所だと聞いています。明日の正午、私はそこで待っています――どうしてもあなたが私と戦わないというのなら、申し訳ありませんが王都に向かって、竜の咆哮を1回だけ放ちます。そうすればすっきりしますから。」
「1回ほえることで、すっきりなさるのなら問題ありません。」
「ランスロ様。大問題です! 」
2人のやりとりを聞いていた植物系魔族のマリがあわてて言った。
「マリさん。どういうことですか。教えてください。」
「竜の咆哮の威力は、たとえ1回だけでも、広大な王都イスタンの生きているものであれ生きていないものであれ、全てを瞬時に目に見えない粒子に分解してしまうほどなのです。」
「マリさん。御説明ありがとうございます。」
ドランの両目が鋭く光っていた。
ランスロは落ち着いて冷静な顔だった。
そして、ドランに向けて告げた。
「わかりました。この国の人々を守る勇者の候補として決闘を受けましょう。」
「そうですか。ありがとうございます。明日が楽しみですね。ところで、あなたの判断はとても正しかったのですよ――」
ドランは王都イステンからはるかに遠い場所に見えている山脈を見つめた。
そして、その山脈に向かって小さくほえた。
うぉ――
すると、瞬時に山脈の姿がゆがんで消えてしまった。
「すいません。王都イスタンから見る景色が変わってしまいました。もしかしたら、あそこにあった山脈の風景が他国からの観光客への売りだったりしませんか。」
グネビア王女がさらに前に進み出て、ドランの顔をにらみつけた。
「いいえ、御心配なく。竜人ドラン様。私の方からの御忠告です。私の勇者を怒らせると、とても恐いのですよ。勇者の攻撃からしっかりと御自身をお守りください。」
次の日の正午、王都近郊の草原で勇者の候補ランスロと竜人ドランが距離を開け、向かいあって立っていた。
ランスロが聞いた。
「竜人様。人間の姿ではなく本来の魔族になっていただいても構いませんよ。」
「勇者の候補よ。心配してくれてありがとう。本来の魔族の姿になれば力を何割か増すことができるのだけど、魔王ゲール様から人間の姿で戦うように指示されている。このままで行くよ。」
ドランが剣を抜いた。
「この剣ははるか古代から生きてきた我々竜族の牙を、少しずつ打ち込んで鍛えたものだ。竜剣という。剣先はどの剣よりも鋭いぞ。」
そう言うと、ドランは雷のように一瞬で間合いを詰めて、ランスロに向かって竜剣を一閃した。
ランスロは正確にゾイゼンの剣で一撃を受け止めたが、はるか後ろに吹き飛ばされた。
「やあ、竜剣の一撃を受け止めたか。その剣は人間が作ったものだとしたら最高だな。それにしても挨拶がわりの最初の一撃でそんなに吹き飛ばされるとは、だらしないぞ。」
ドランはそう言うと、ランスロが立ち上がった瞬間のタイミングでさらに竜剣を一閃した。
剣がぶつかり合う、はるか遠くまで聞こえるような巨大な衝撃音がした。
今度もランスロは正確にドランの一撃を受け止めた。
ただ最初と異なるのは、はるか後ろに吹き飛ばされたのはドランだった。
しかも、最初にランスロが吹き飛ばされた距離の10倍の距離はあった。
「最初は、人間の姿だからだまされただけです。以外に威力がありました。でも、もう全てを見切りました。」
「勇者の候補よ。私の攻撃を全て見切ったとは、武人に対して大変失礼な言い方ではないですか。」
怒りのせいか、ドランの背中には竜の翼が出ていた。
そしてドランは連続攻撃を開始し、ランスロに対して竜剣が何回も素早く振った。
ところが、ランスロは既に戦っている空間をすべて支配し、それぞれの竜剣の剣筋がスローモーションを見ているかのようにわかっていた。
そしてゾイゼンの剣で受けた瞬間、加える圧力を少しずつ増加させた。
ドランは竜剣で行う全ての攻撃を受けられ、だんだん圧力をかけれたことに自分でも気がつかないうちに激怒していた。
そして、人間の姿はだんだん本来の姿に変わり、最後には完全な竜人の姿になった。
押され始めている戦いの内容を挽回するため、ドランは最後の手段に出た。
ランスロがいる方向とは全く違う王都イスタンに向かって、ありったけの力で竜の咆哮を放った。
うぉうぉうぉ――――
衝撃波は、1千万人都市である王都イスタンに向かった。
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