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4 大魔法師はどこに
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彼女は宮殿の自分の部屋で何時間も机の前に座り、とても暗い表情で考え事をしていた。彼の両足が鉄になって、体の鉄化が進行していることを見た衝撃はあまりにも強烈だった。
彼を救うためにどうすれば良いのか、全くわからなかった。
「フーカさん。フーカさん。」
誰かが彼女を呼んだ。
机の上に置いてあるスマホからだった。彼女の転生とともに、スマホもこちらの世界に送られていた。
スマホを手に取ると、待受画面の天使が彼女をじっと見ていた。
「ミカちゃん!………すいません天使様!」
「ミカちゃんでいいですよ。フーカさん、ナオトさんを救う方法があります。」
「彼を救う方法があるのですか。」
「この異世界のどこかに隠れ住んでいる、大魔法師マーリーを探すのです。マーリーは、魔王ザラと互角に戦える実力の持ち主です。鉄化の暗黒魔法を解除する方法を知っているかもしれません。」
「でも、どうやってマーリーを探せば良いのでしょうか?」
「転生者のフーカさんには、人の能力を鑑定する強い力が備わっています。高い魔法力を持つ人を探してたどっていけば、自然に大魔法師マーリーに行き着くはずです。」
「それならば、人の多い所から始めれば効率的ですね。」
「さすがです。ところで、この王都イスタンには多くの人が暮らしていますよ。」
「すぐに探しに出ます。」
彼女が部屋を出て行った後、スマホの待受画面の天使が言った。
(フーカさん、がんばって。神に叱られない、ぎりぎりのアドバイスをしました。)
………
彼女は王都イスタンの人混みの中を歩いていた。すれ違う都度、鑑定能力で魔法力を持つ人を探したが全くいなかった。
それは何日も続いた。
………
ある日のこと、ふと、きれいな花々がたくさん咲いている花屋が目に留まり、歩き疲れた彼女はそこで立ち止まった。
「お嬢さん、何かお気に入りの花が有りましたか。」
花屋の中から若い男の店員が出て来た。
その瞬間、彼女の鑑定能力が大きな魔法力を感じた。
「すいません。あなたは魔法師ですか?」
唐突な問い掛けに店員は驚いた顔をしたが、すぐに答えた。
「私の魔法力を感じるなんて、あなたは特別な方ですね。自分を誇るようで恐縮ですが、私は大魔法師マーリーの弟子で魔法の杖を授けられた者です。」
「名前を聞いていいですか。」
「イワンといいます。」
「私はフランツ国のナオト国王の姫軍師、フーカと申します。」
………
数日後、宮殿において、彼女はイワンを彼に謁見させた。
「陛下、御前に控えておりますのが、王都に暮らすイワンでございます。この者は、かの大魔法師マーリーの弟子で、魔法の杖を授けられた優秀な魔法師でございます。私はこの者に大魔法師の所まで案内してもらい、陛下にかけられた鉄化の暗黒魔法の解除を大魔法師に依頼したいと思います。」
「イワンよ。よろしく頼む。」
「お任せください。ところで陛下、お願いごとがあります。」
「何だ申せ。」
「暗黒魔法により鉄になってしまった陛下の両足を、私にお見せいただきたいのですが。」
「よろしい。許す。」
彼は自分の両足をイワンに見せた。
イワンはしばらくの間、真剣な顔をして両足を見ていたが、やがて説明した。
「確かに魔王ザラの強力な魔力が使われたことがわかります。マーリー先生以外に、この暗黒魔法を完全に解除し、陛下の両足をもとどりにするのは不可能でしょう。しかし、私でも陛下のためにできることがあります。」
彼を救うためにどうすれば良いのか、全くわからなかった。
「フーカさん。フーカさん。」
誰かが彼女を呼んだ。
机の上に置いてあるスマホからだった。彼女の転生とともに、スマホもこちらの世界に送られていた。
スマホを手に取ると、待受画面の天使が彼女をじっと見ていた。
「ミカちゃん!………すいません天使様!」
「ミカちゃんでいいですよ。フーカさん、ナオトさんを救う方法があります。」
「彼を救う方法があるのですか。」
「この異世界のどこかに隠れ住んでいる、大魔法師マーリーを探すのです。マーリーは、魔王ザラと互角に戦える実力の持ち主です。鉄化の暗黒魔法を解除する方法を知っているかもしれません。」
「でも、どうやってマーリーを探せば良いのでしょうか?」
「転生者のフーカさんには、人の能力を鑑定する強い力が備わっています。高い魔法力を持つ人を探してたどっていけば、自然に大魔法師マーリーに行き着くはずです。」
「それならば、人の多い所から始めれば効率的ですね。」
「さすがです。ところで、この王都イスタンには多くの人が暮らしていますよ。」
「すぐに探しに出ます。」
彼女が部屋を出て行った後、スマホの待受画面の天使が言った。
(フーカさん、がんばって。神に叱られない、ぎりぎりのアドバイスをしました。)
………
彼女は王都イスタンの人混みの中を歩いていた。すれ違う都度、鑑定能力で魔法力を持つ人を探したが全くいなかった。
それは何日も続いた。
………
ある日のこと、ふと、きれいな花々がたくさん咲いている花屋が目に留まり、歩き疲れた彼女はそこで立ち止まった。
「お嬢さん、何かお気に入りの花が有りましたか。」
花屋の中から若い男の店員が出て来た。
その瞬間、彼女の鑑定能力が大きな魔法力を感じた。
「すいません。あなたは魔法師ですか?」
唐突な問い掛けに店員は驚いた顔をしたが、すぐに答えた。
「私の魔法力を感じるなんて、あなたは特別な方ですね。自分を誇るようで恐縮ですが、私は大魔法師マーリーの弟子で魔法の杖を授けられた者です。」
「名前を聞いていいですか。」
「イワンといいます。」
「私はフランツ国のナオト国王の姫軍師、フーカと申します。」
………
数日後、宮殿において、彼女はイワンを彼に謁見させた。
「陛下、御前に控えておりますのが、王都に暮らすイワンでございます。この者は、かの大魔法師マーリーの弟子で、魔法の杖を授けられた優秀な魔法師でございます。私はこの者に大魔法師の所まで案内してもらい、陛下にかけられた鉄化の暗黒魔法の解除を大魔法師に依頼したいと思います。」
「イワンよ。よろしく頼む。」
「お任せください。ところで陛下、お願いごとがあります。」
「何だ申せ。」
「暗黒魔法により鉄になってしまった陛下の両足を、私にお見せいただきたいのですが。」
「よろしい。許す。」
彼は自分の両足をイワンに見せた。
イワンはしばらくの間、真剣な顔をして両足を見ていたが、やがて説明した。
「確かに魔王ザラの強力な魔力が使われたことがわかります。マーリー先生以外に、この暗黒魔法を完全に解除し、陛下の両足をもとどりにするのは不可能でしょう。しかし、私でも陛下のためにできることがあります。」
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