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15 獣人族との交渉5
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レオが言った。
「ところで、フランツ王国が魔王軍との戦いに動員できる兵力はどれほどですか?」
「お味方になることをお願いしているのですから、正直に申し上げます。兵力は5千人程度です。」
「5千人ですか。今回獣人族の中でフランツ王国側に回ろうとしている人数と同じですね。申し訳ありません、まだ人間に対する不信感がぬぐえず、大部分の種族は魔王軍に加わります。………3万人ほどですが。」
姫軍師フーカは立ち上がり、獣人族の2人に丁寧にお辞儀をしながら言った。
「たとえ5千人といえども、我が軍に回っていただきありがたく思っております。10万対1万、10倍の敵との戦いになりますが、私は少しも恐れていません。10倍であれば克服できる戦略があるはずです。」
ティグルが聞いた。
「戦略という言葉は初めて聞きます。もう少しわかりやすく教えていただけますか。」
「簡単に言うと戦争における魔法のようなものです。私がよく知っている、この世界とは別の世界の歴史では、絶望的な兵力差を逆転して少数の軍が勝利した戦いが少なからずあります。詳しいことは申し上げることはできませんが、魔王軍との戦いまでには完璧なものにしていきます。」
「姫軍師様、私達獣人は魔法のことはよくわかりませんが、あなたからは不思議な強い力を感じます。それでは、我々は戦いの始まる少し前に魔界を抜け出し、お味方に加わります。」
「後日、魔王ザラに見つからない最善なタイミングとルート、それと今度の戦いで立てた戦略をご連絡します。」
「連絡役は私がやりましょう。」
大魔法師マーリーが申し出た。
ここで、今までずっと黙っていた宮廷魔法師イワンが初めて口を開いた。
「その役目は私イワンにおまかせください。大魔法使いの先生を伝令役に使うわけにはいきません。」
「イワンよ、いいんだ。おまえしかできない役割がある。おまえは、姫軍師様の戦略の助けになるようなすばらしい魔法を完成させなさい。年老いて決まり切った考えしかできない私より、成長過程のお前が、10倍の戦力差を逆転するためのピースを作るのだ。」
「わかりました。先生。」
「それでは、今日のところの交渉はここで終わりにしましょう。」
仲介役のマーリーが交渉の終了を告げた。
その時、テントの中に一匹の子猫が飛び込んできた。子猫は中に入ると一目さんにフーカの膝の上に乗ってきた。
「ブルーね!」
フーカはうれしそうな言葉でそう言って、子猫の体をなで始めた。その光景を獣人の2人は驚きの目で見ていた。
レオが言った。
「姫軍師様。あなたが今やられていることは人間として非常に異常な…失礼しました特別なことだと思いますが、なんで平気なのですか。」
「ブルーはとてもかわいらしいです。見ているだけで、私の心は優しさに包まれます。それと、このモフモフの毛をなでる感触が私にはたまりません。」
ティグルが言った。
「我が娘よ、獣人の姿に戻ってごらん。」
その言葉を聞き子猫はフーカの膝の上から下りて、瞬時に小さなかわいらしい女の子の姿になった。
「お父様、どうですか、フーカ様は私が話していたとおりの方でしょう。今日から私は、フーカ様の家臣として常におそばに控えることとなります。よろしいですね。」
「いいだろう。お前の幸せそうな笑顔を見ると何も言えなくなる。フーカ様、娘をよろしくお願い致します。」
「こちらこそ、頼りにしています。」
「ところで、フランツ王国が魔王軍との戦いに動員できる兵力はどれほどですか?」
「お味方になることをお願いしているのですから、正直に申し上げます。兵力は5千人程度です。」
「5千人ですか。今回獣人族の中でフランツ王国側に回ろうとしている人数と同じですね。申し訳ありません、まだ人間に対する不信感がぬぐえず、大部分の種族は魔王軍に加わります。………3万人ほどですが。」
姫軍師フーカは立ち上がり、獣人族の2人に丁寧にお辞儀をしながら言った。
「たとえ5千人といえども、我が軍に回っていただきありがたく思っております。10万対1万、10倍の敵との戦いになりますが、私は少しも恐れていません。10倍であれば克服できる戦略があるはずです。」
ティグルが聞いた。
「戦略という言葉は初めて聞きます。もう少しわかりやすく教えていただけますか。」
「簡単に言うと戦争における魔法のようなものです。私がよく知っている、この世界とは別の世界の歴史では、絶望的な兵力差を逆転して少数の軍が勝利した戦いが少なからずあります。詳しいことは申し上げることはできませんが、魔王軍との戦いまでには完璧なものにしていきます。」
「姫軍師様、私達獣人は魔法のことはよくわかりませんが、あなたからは不思議な強い力を感じます。それでは、我々は戦いの始まる少し前に魔界を抜け出し、お味方に加わります。」
「後日、魔王ザラに見つからない最善なタイミングとルート、それと今度の戦いで立てた戦略をご連絡します。」
「連絡役は私がやりましょう。」
大魔法師マーリーが申し出た。
ここで、今までずっと黙っていた宮廷魔法師イワンが初めて口を開いた。
「その役目は私イワンにおまかせください。大魔法使いの先生を伝令役に使うわけにはいきません。」
「イワンよ、いいんだ。おまえしかできない役割がある。おまえは、姫軍師様の戦略の助けになるようなすばらしい魔法を完成させなさい。年老いて決まり切った考えしかできない私より、成長過程のお前が、10倍の戦力差を逆転するためのピースを作るのだ。」
「わかりました。先生。」
「それでは、今日のところの交渉はここで終わりにしましょう。」
仲介役のマーリーが交渉の終了を告げた。
その時、テントの中に一匹の子猫が飛び込んできた。子猫は中に入ると一目さんにフーカの膝の上に乗ってきた。
「ブルーね!」
フーカはうれしそうな言葉でそう言って、子猫の体をなで始めた。その光景を獣人の2人は驚きの目で見ていた。
レオが言った。
「姫軍師様。あなたが今やられていることは人間として非常に異常な…失礼しました特別なことだと思いますが、なんで平気なのですか。」
「ブルーはとてもかわいらしいです。見ているだけで、私の心は優しさに包まれます。それと、このモフモフの毛をなでる感触が私にはたまりません。」
ティグルが言った。
「我が娘よ、獣人の姿に戻ってごらん。」
その言葉を聞き子猫はフーカの膝の上から下りて、瞬時に小さなかわいらしい女の子の姿になった。
「お父様、どうですか、フーカ様は私が話していたとおりの方でしょう。今日から私は、フーカ様の家臣として常におそばに控えることとなります。よろしいですね。」
「いいだろう。お前の幸せそうな笑顔を見ると何も言えなくなる。フーカ様、娘をよろしくお願い致します。」
「こちらこそ、頼りにしています。」
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