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27 魔王軍の侵攻5
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魔炎竜バーンに乗り、上空を飛んでいた竜王ドランは思った。
(我は、魔王軍全てを失ってしまった。このままでは魔界に帰り、魔王様にお会いすることができない。)
そう考えた竜王は魔炎竜から地面に降り立ち、姫軍師フーカに向けて叫んだ。
「フランツ王国の女司令官殿、こちらはこのとおり、たった1人になってしまった。武士の情け、我は最後に貴殿と一騎打ちを望む。」
彼女が竜王に答えた。
「魔王軍の司令官様、もう勝負は尽きました。これ以上無益な戦いを続け、命を落してはなりません。フランツ王国の国土から直ちに魔界にお帰りください。」
「命を落すのは我だと限らないが………」
そう言うと、竜王は地面を足で軽く蹴り、距離を瞬く間に詰めると、巨大剣を振り彼女に鋭い剣戟で斬りかかった。その剣戟は、重さと速さを兼ね備えていた。
ところが彼女は、魔界序列第2位の竜王の動きをスローモーションのように見ていた。それどころか特別な動きで避けながら、竜王に大きな隙が生じるよう誘導していた。
自分の剣戟が簡単に全て避けられていることに、竜王は怒り狂った。そのため、竜王の剣戟はさらに強くなった。
対応するかのように、タイミングを見計らって彼女は月の剣を抜いた。そして今度は、巨大剣を月の剣で受け始めた。剣がぶつかる大きな衝撃音が周囲に響き、戦いを注視していたフランツ王国の兵士は耳をふさいだ。
竜王は戦うための無限大のエネルギーをもっていたが、彼女との戦いの中でそれは徐々に減っていくことがわかり、あせりを呼んだ。そして最後には、勝負をつけようと無理矢理全ての力を込めて、上段からの巨大剣の一撃を彼女に振った。
巨大剣が振り下ろされる瞬間、彼女は小さな声で言った。
「ムーンソード!」
下段から振り上げた月の剣の一撃は、巨大剣の力を完全に受け止め、数倍の力で跳ね返した。月の剣は竜王ドランまで届き、その体をはるか上空に跳ね上げた。
体に大きなダメージを受けた竜王の体が、落下しようとした瞬間のことだった。
天空に黒い穴が開き、そこから黒い鎖が伸びてきて竜王の体に巻きつき落下を留めた。そして、黒い穴から光りの玉がゆっくりと下りてきて、竜王と同じ位置に静止した。
次の瞬間、光りの玉が消え、そこに魔王ザラが出現した。
「竜王ドランよ、良くやったわ。ほめて上げる。今回の敗戦はあなたの責任ではありません。私が姫軍師フーカの力を見誤っていたことが原因よ。私自身が司令官になっても、たぶん負けたわ。」
「ありがとうございます。魔王様。」
弱々しく、息も絶え絶えになっていた竜王が、ほんの小さな声で言った。
「あなたは魔界に帰って十分に休養しなさい。」
魔王がそう言うと鎖が巻き上げられ、竜王は天空の黒い穴に吸い込まれた。
その後、魔王ザラは上空からフーカに微笑みながら言った。
「フーカ、恐ろしく強いわね。強い上に、月の剣を使うようになったじゃない。臨機応変に相手の攻撃を跳ね返し、逆に何倍ものダメージを与える。あなたにお似合いの剣ね。」
「魔王様、今回のような戯れはもう止めていただけませんか。魔王軍では、多くのオークやゴブリンが命を落しました。彼らは低級魔族とはいえ、あなたの大切な臣民ではありませんか。」
「私のため、そして魔界のために戦って死んでしまったとしても、それは彼らにとって逃れることのできない運命よ。フーカ、あなたも運命の恐ろしさについては良く知っているじゃない。」
魔王ザラのその言葉に、姫軍師フーカは黙り込んでしまった。
(我は、魔王軍全てを失ってしまった。このままでは魔界に帰り、魔王様にお会いすることができない。)
そう考えた竜王は魔炎竜から地面に降り立ち、姫軍師フーカに向けて叫んだ。
「フランツ王国の女司令官殿、こちらはこのとおり、たった1人になってしまった。武士の情け、我は最後に貴殿と一騎打ちを望む。」
彼女が竜王に答えた。
「魔王軍の司令官様、もう勝負は尽きました。これ以上無益な戦いを続け、命を落してはなりません。フランツ王国の国土から直ちに魔界にお帰りください。」
「命を落すのは我だと限らないが………」
そう言うと、竜王は地面を足で軽く蹴り、距離を瞬く間に詰めると、巨大剣を振り彼女に鋭い剣戟で斬りかかった。その剣戟は、重さと速さを兼ね備えていた。
ところが彼女は、魔界序列第2位の竜王の動きをスローモーションのように見ていた。それどころか特別な動きで避けながら、竜王に大きな隙が生じるよう誘導していた。
自分の剣戟が簡単に全て避けられていることに、竜王は怒り狂った。そのため、竜王の剣戟はさらに強くなった。
対応するかのように、タイミングを見計らって彼女は月の剣を抜いた。そして今度は、巨大剣を月の剣で受け始めた。剣がぶつかる大きな衝撃音が周囲に響き、戦いを注視していたフランツ王国の兵士は耳をふさいだ。
竜王は戦うための無限大のエネルギーをもっていたが、彼女との戦いの中でそれは徐々に減っていくことがわかり、あせりを呼んだ。そして最後には、勝負をつけようと無理矢理全ての力を込めて、上段からの巨大剣の一撃を彼女に振った。
巨大剣が振り下ろされる瞬間、彼女は小さな声で言った。
「ムーンソード!」
下段から振り上げた月の剣の一撃は、巨大剣の力を完全に受け止め、数倍の力で跳ね返した。月の剣は竜王ドランまで届き、その体をはるか上空に跳ね上げた。
体に大きなダメージを受けた竜王の体が、落下しようとした瞬間のことだった。
天空に黒い穴が開き、そこから黒い鎖が伸びてきて竜王の体に巻きつき落下を留めた。そして、黒い穴から光りの玉がゆっくりと下りてきて、竜王と同じ位置に静止した。
次の瞬間、光りの玉が消え、そこに魔王ザラが出現した。
「竜王ドランよ、良くやったわ。ほめて上げる。今回の敗戦はあなたの責任ではありません。私が姫軍師フーカの力を見誤っていたことが原因よ。私自身が司令官になっても、たぶん負けたわ。」
「ありがとうございます。魔王様。」
弱々しく、息も絶え絶えになっていた竜王が、ほんの小さな声で言った。
「あなたは魔界に帰って十分に休養しなさい。」
魔王がそう言うと鎖が巻き上げられ、竜王は天空の黒い穴に吸い込まれた。
その後、魔王ザラは上空からフーカに微笑みながら言った。
「フーカ、恐ろしく強いわね。強い上に、月の剣を使うようになったじゃない。臨機応変に相手の攻撃を跳ね返し、逆に何倍ものダメージを与える。あなたにお似合いの剣ね。」
「魔王様、今回のような戯れはもう止めていただけませんか。魔王軍では、多くのオークやゴブリンが命を落しました。彼らは低級魔族とはいえ、あなたの大切な臣民ではありませんか。」
「私のため、そして魔界のために戦って死んでしまったとしても、それは彼らにとって逃れることのできない運命よ。フーカ、あなたも運命の恐ろしさについては良く知っているじゃない。」
魔王ザラのその言葉に、姫軍師フーカは黙り込んでしまった。
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