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52 現実世界の2人re
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大きな病院の高層階病棟の個室だった。カーテンは開け放たれており、雲が途切れ太陽の光が差し込んだ。
ベッドで横たわっていた佐藤直人は目を開けた。少し体を起そうとした時、胸に軽い痛みを感じた。
「痛い。」
軽い痛みを感じたことで、彼は全てを想い出した。
(元の世界に帰ってきたのか、フーカ…北川風香さんはいったいどうなったのだろう。彼女のおかげで僕は助かった。彼女は異世界で僕が殺してしまったのだろうか………)
「トン、トン」
ドアがノックされた。
「どうぞ。」
中に入ってきたのは看護師だった。彼は看護師に聞いた。
「僕はいったい、どのくらい入院しているのですか。」
「もう1か月になりますよ。救急車で本病院に運び込まれてきた時、ほんとうに危なかったのです。そのまま、帰らぬ人となってしまう確率の方が大きかった。お仕事も大切でしょうが、これからは、御自身の心と体が受けるストレスに十分注意して健康を守ってくださいね。」
「僕が運び込まれた時、一緒に付き添ってきてくれた女性がいたはずですが。」
「ああ、あのとても優しそうなきれいなお嬢さんですか、あなたが意識不明の時は良くお見舞いに来られていましたが、この頃は姿を見ませんね。きっと、危険な状態を脱したので安心したのでしょう。」
その看護師は彼の病室を出て行った。
ちょうどその時、その病院1階の大待合室を歩いてエレベータに近づく女性がいた。その首には赤いハートのネックレスがかけられ、それは彼女に非常に似合っていた。
「きれいな人ね…」
男性も女性も、彼女の不思議な魅力に完全に捕らわれていた。
「トン、トン、トン」
佐藤直人のドアがまたノックされた。彼はさっきの看護師が忘れ物をして取りに来たのではないかと思った。
「どうぞ、何か忘れましたか。」
ドアが開けられた。しかし、誰も入って来なかった。
「えっ、誰」
彼はとても不審に思ったが、次の瞬間………
彼が大変良く知っている人が、満面の笑顔で病室に入って来た。
「フーカ!!!…ではなく北川さん!!!」
彼はあんまり驚きすぎで少し心臓に痛みを感じた。
「佐藤さん。心筋梗塞が治りかけなのに配慮が足りませんでした。すいません。」
北川風香はお辞儀をした。
「北川さん。よかったです。僕はあなたを異世界で殺してしまい、僕だけぬくぬくと生き続け、この世界に帰ってきたのかと絶望していました。」
彼女は事情を彼に話した。
「最後は賭けだったのです。佐藤さんとW転生して、この現実世界と同じように、異世界で2人の内1人が死の直前までいって、最後に死の直前までいった人が生きることができれば、過酷な運命に勝ったことになったのです。それは、『ミカちゃん』が教えてくれました。」
「『ミカちゃん』?」
「私が名づけたある天使様のことです。最初は、神のもくろみどおりのことを私に説明しました。私達が真剣に相手を殺そうと戦い、月の剣と太陽の剣がぶつかった時に、異世界で起こりうる最大の衝撃波を発生させ異世界を消滅させれば、代償として2人とも生き延びることができると。」
「絶対、そうはなりませんね。私は太陽の剣を弱く振り、北川さんの月の剣をこの身で受けようと思いました。」
「私も絶対そうはならないと思いました。佐藤さんが振る太陽の剣は必ず弱く振られると思いました。そして、月の剣を手から離し私が切られたとしても、ドワーフの最高職人のエンジンさんが作った最高の甲冑が衝撃を緩めてくれると思いました。さらに、姉様が回復魔法をかけてくれると確信していました。」
「姉様?」
「魔王ザラ様です。」
彼女は首からかけたハートのネックレスを握り締めた。
「佐藤さん。体が回復したら約束を絶対守ってくださいよ。」
「もちらん、ものすごく美味しいイタリアンをごちそうしますので、一緒に食事にいってください。………それから、僕と付き合ってください。」
「はい、もちろん。それから、提案ですが、私のことはこれから『風香』と呼んでください。」
「はい、もちろん。提案ですが、僕のことはこれから『直人』と呼んでください。」
「はい、もちろん。」
風香は心の中で思った。
(もうひとつ、魔界の宝石レッドハートという名前もあるのですが、秘密です。)
ベッドで横たわっていた佐藤直人は目を開けた。少し体を起そうとした時、胸に軽い痛みを感じた。
「痛い。」
軽い痛みを感じたことで、彼は全てを想い出した。
(元の世界に帰ってきたのか、フーカ…北川風香さんはいったいどうなったのだろう。彼女のおかげで僕は助かった。彼女は異世界で僕が殺してしまったのだろうか………)
「トン、トン」
ドアがノックされた。
「どうぞ。」
中に入ってきたのは看護師だった。彼は看護師に聞いた。
「僕はいったい、どのくらい入院しているのですか。」
「もう1か月になりますよ。救急車で本病院に運び込まれてきた時、ほんとうに危なかったのです。そのまま、帰らぬ人となってしまう確率の方が大きかった。お仕事も大切でしょうが、これからは、御自身の心と体が受けるストレスに十分注意して健康を守ってくださいね。」
「僕が運び込まれた時、一緒に付き添ってきてくれた女性がいたはずですが。」
「ああ、あのとても優しそうなきれいなお嬢さんですか、あなたが意識不明の時は良くお見舞いに来られていましたが、この頃は姿を見ませんね。きっと、危険な状態を脱したので安心したのでしょう。」
その看護師は彼の病室を出て行った。
ちょうどその時、その病院1階の大待合室を歩いてエレベータに近づく女性がいた。その首には赤いハートのネックレスがかけられ、それは彼女に非常に似合っていた。
「きれいな人ね…」
男性も女性も、彼女の不思議な魅力に完全に捕らわれていた。
「トン、トン、トン」
佐藤直人のドアがまたノックされた。彼はさっきの看護師が忘れ物をして取りに来たのではないかと思った。
「どうぞ、何か忘れましたか。」
ドアが開けられた。しかし、誰も入って来なかった。
「えっ、誰」
彼はとても不審に思ったが、次の瞬間………
彼が大変良く知っている人が、満面の笑顔で病室に入って来た。
「フーカ!!!…ではなく北川さん!!!」
彼はあんまり驚きすぎで少し心臓に痛みを感じた。
「佐藤さん。心筋梗塞が治りかけなのに配慮が足りませんでした。すいません。」
北川風香はお辞儀をした。
「北川さん。よかったです。僕はあなたを異世界で殺してしまい、僕だけぬくぬくと生き続け、この世界に帰ってきたのかと絶望していました。」
彼女は事情を彼に話した。
「最後は賭けだったのです。佐藤さんとW転生して、この現実世界と同じように、異世界で2人の内1人が死の直前までいって、最後に死の直前までいった人が生きることができれば、過酷な運命に勝ったことになったのです。それは、『ミカちゃん』が教えてくれました。」
「『ミカちゃん』?」
「私が名づけたある天使様のことです。最初は、神のもくろみどおりのことを私に説明しました。私達が真剣に相手を殺そうと戦い、月の剣と太陽の剣がぶつかった時に、異世界で起こりうる最大の衝撃波を発生させ異世界を消滅させれば、代償として2人とも生き延びることができると。」
「絶対、そうはなりませんね。私は太陽の剣を弱く振り、北川さんの月の剣をこの身で受けようと思いました。」
「私も絶対そうはならないと思いました。佐藤さんが振る太陽の剣は必ず弱く振られると思いました。そして、月の剣を手から離し私が切られたとしても、ドワーフの最高職人のエンジンさんが作った最高の甲冑が衝撃を緩めてくれると思いました。さらに、姉様が回復魔法をかけてくれると確信していました。」
「姉様?」
「魔王ザラ様です。」
彼女は首からかけたハートのネックレスを握り締めた。
「佐藤さん。体が回復したら約束を絶対守ってくださいよ。」
「もちらん、ものすごく美味しいイタリアンをごちそうしますので、一緒に食事にいってください。………それから、僕と付き合ってください。」
「はい、もちろん。それから、提案ですが、私のことはこれから『風香』と呼んでください。」
「はい、もちろん。提案ですが、僕のことはこれから『直人』と呼んでください。」
「はい、もちろん。」
風香は心の中で思った。
(もうひとつ、魔界の宝石レッドハートという名前もあるのですが、秘密です。)
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