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3 心属性の魔女との戦い
13 深慮の魔女の呪い
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自分の部屋で騎士カイロスはベッドに横たわり、ソーニャ王女がそのそばの椅子に座っていた。
2人だけの時には、異世界転生前の名前で話すのが常だった。
「風香さん。左腕を見せてください」
「はい」
すると、炎の魔女の呪いの刻印で原色の橙色だった色が、正常な肌色に変っていた。
「よかった。これで4個目の呪いも解くことができました。でも、今考えるのはおかしいかもしれませんが、炎の魔女の呪いとは何だったのでしょうか」
「寒い季節になると、北の地方に暖房が必要になります。そこが問題なのです。近年、寒い季節にあまり火が燃えず、凍死したり病死する国民が増加していました」
「北の寒い地方の人々は大変でしたね」
「まだ9つの呪いがかけられています悟さんに負担をかけますね」
「いえいえ、全く負担ではありません。まだ、はっきりしたことはわかりませんが。この異世界で9つの呪いを解けば、風香さんと僕の未来が開けるような気がします。なんとかできます」
「ふふふふ あなたの一番良いところですね。明るくて、しっかりした意志をもつ。そして、未来を諦めない。でも、一つだけ注意してください。聖剣クトネリシカで相手を消滅させないでください」
「‥‥‥‥ 」
「お願いします。誓ってください」
「呪いは、それをかけた魔女でなくては解けません。魔女が断固として拒んだら―― 」
「仕方がありません。私はあなたの心が大切なのです。聖剣の負担に耐えられず、あなたが廃人になってしまうことは絶対にいやです」
「わかりました」
騎士カイロスは、深夜、1人で王宮の一番高い塔の上に登っていた。
天空にはたくさんの星々が輝いていた。
「どうしよう。これから出会う魔女達が呪いを解くことを拒否したら、永遠に呪いは解けない。そうすると、風香さんの運命を好転させることもできないような気がする」
すると不思議なことが起きた。
輝いていた星の一つが、さらに強く輝き出した。
彼もそれに気が付いた。
「えっ、えっ なに、なに」
そして、強く輝いた星は流れ星のように、彼がいる塔の上に落ちてきた。
「なんだ!! 」
最後に、落ちてきた星は魔女の姿になった。
「はじめまして、こんにちわ」
「あなたは? 」
「見ての通り魔女ですよ。もう少し詳しく言うと、神慮の魔女と言います。人間の考え、心にかんする魔法が得意です」
「すると、あなたは13魔女のうちの1人ですか」
「はい。13魔女のうち、呪いを解いていない9人の魔女の1人です」
「なんでいきなり、僕の前に現われたのですか。すぐに戦おうと思ったのですか」
彼がそう言うのを聞いて、深慮の魔女は楽しそうに首を振った。
「偶然ですよ。今、ロメル王国で寝ていない人の中で、あなたは目立ったから」
「どのように目立ったのですか? 」
「あなた、必死に考えていたでしょう? 」
「はあ」
「私の呪いが全くきいていないのね。」
「あなたの呪いですか。」
「人々が大事なことを、一所懸命に考える(深慮する)ことをできなくしたのです。」
「えっ それがロメル王国にどのような災いを? 」
「日々の生活の中で、人々は考えることでさまざまなことを向上させることができます。考えないで今までどおり惰性で過ごすことは楽なのですが、やがてロメル帝国は停滞し滅亡するでしょう。」
「ロメル王国に破滅をもたらず呪いですね。」
「私は強いですよ。なにしろ、人間の精神に働きかける強力な魔法の使い手ですから。あなたのように、
この間、炎の魔女と戦いで心に極限の負担をかけて、心が弱っている人間はひとたまりもないでしょう。」
「そうすると、あなたは偶然、僕に楽勝できる体制をつかんだということですか? 」
「言い方が少し気になりますが、結論としてはそうでしょう。あっ!! 」
深慮の魔女が驚いた。突然、騎士カイロスの回りに結界の壁が張られたからだ。
「この魔法術式は、大魔法師マーリン」
その言葉に応えるかのように、結界の壁から大魔法師マーリンが出現した。
「深慮の魔女よ。ここは1逆に日、こらえてくれないか。心が弱り切った騎士カイロスに勝利しても、勝利した成果は得られまい。その事実が、人間の危機感となり立ち上がるきっかけになるかもしれない。」
「。確かにそうですね。逆に人間達が団結してしまうのは面倒ですね。わかりました。明日の同じ時間に勝負しましょう」
深慮の魔女はそう言うと、はるか天空に上がって消えた。
高い塔の上には、騎士カイロスと大魔法師マーリンが残った。
「カイロス様。また難敵ですね、精神系の魔法を使う深慮の魔女とは。」
その時、突然声がした。
2人が塔の登り口の方を見ると、そこにはソーニャ王女がいた。
「私はこのロメル王国の王女であるとともに、聖なる力をもち、国民の精神的な支えである聖女でもあります。私が騎士カイロスの心の中に滞在し、その心を守り抜きましょう。」
「僕の心の中に滞在する。ですか? 」
「大魔法師マーリン様、私の心をカイロス様の心に融合させることは可能でしょうか。」
「‥‥ まだ構築したことのない魔法になりますが。たぶん可能です。お2人の心は強く結ばれており、
融合しても全く問題ないでしょう。」
ソーニャ王女が聞いた。
「マーリン様。私とカイロス様の心を融合する魔法はすぐに構築できるのでしょうか。」」
「はい。もうできております。」
「もうできているのですか。」
「はい。心が強く通い合ってお2人の様子をずっと見ておりました。それで、聖女であるソーニャ王女様の魔力と世界最強の騎士であるカイロス様の心を融合させることは容易だと感じていました。」
そう言った大魔法師マーリンは2人の顔をかわるがわる見た。
「お2人が心を融合させて戦えば、それは最強だと思い術式を考え、構築はずっと前に完成しています。」
やがて、次の日、深夜同時刻になった。
高い塔の上で騎士カイロスは1人待っていた。
すると、昨日と同じように星が輝き、塔の上に深慮の魔女が出現した。
「逃げないで来たわね。もっとも、あなたには逃げるという選択しは無いと考えていたわ。それでは、戦いの場に行きましょう。」
そう言うと、深慮の魔女は夜空を魔法の杖で指した。
魔法の杖は塔の上から夜空に上がる道を作り、その先には扉が見えた。
「架空空間を作りました。あそこまで上がり、扉の中に入りましょう。」
2人だけの時には、異世界転生前の名前で話すのが常だった。
「風香さん。左腕を見せてください」
「はい」
すると、炎の魔女の呪いの刻印で原色の橙色だった色が、正常な肌色に変っていた。
「よかった。これで4個目の呪いも解くことができました。でも、今考えるのはおかしいかもしれませんが、炎の魔女の呪いとは何だったのでしょうか」
「寒い季節になると、北の地方に暖房が必要になります。そこが問題なのです。近年、寒い季節にあまり火が燃えず、凍死したり病死する国民が増加していました」
「北の寒い地方の人々は大変でしたね」
「まだ9つの呪いがかけられています悟さんに負担をかけますね」
「いえいえ、全く負担ではありません。まだ、はっきりしたことはわかりませんが。この異世界で9つの呪いを解けば、風香さんと僕の未来が開けるような気がします。なんとかできます」
「ふふふふ あなたの一番良いところですね。明るくて、しっかりした意志をもつ。そして、未来を諦めない。でも、一つだけ注意してください。聖剣クトネリシカで相手を消滅させないでください」
「‥‥‥‥ 」
「お願いします。誓ってください」
「呪いは、それをかけた魔女でなくては解けません。魔女が断固として拒んだら―― 」
「仕方がありません。私はあなたの心が大切なのです。聖剣の負担に耐えられず、あなたが廃人になってしまうことは絶対にいやです」
「わかりました」
騎士カイロスは、深夜、1人で王宮の一番高い塔の上に登っていた。
天空にはたくさんの星々が輝いていた。
「どうしよう。これから出会う魔女達が呪いを解くことを拒否したら、永遠に呪いは解けない。そうすると、風香さんの運命を好転させることもできないような気がする」
すると不思議なことが起きた。
輝いていた星の一つが、さらに強く輝き出した。
彼もそれに気が付いた。
「えっ、えっ なに、なに」
そして、強く輝いた星は流れ星のように、彼がいる塔の上に落ちてきた。
「なんだ!! 」
最後に、落ちてきた星は魔女の姿になった。
「はじめまして、こんにちわ」
「あなたは? 」
「見ての通り魔女ですよ。もう少し詳しく言うと、神慮の魔女と言います。人間の考え、心にかんする魔法が得意です」
「すると、あなたは13魔女のうちの1人ですか」
「はい。13魔女のうち、呪いを解いていない9人の魔女の1人です」
「なんでいきなり、僕の前に現われたのですか。すぐに戦おうと思ったのですか」
彼がそう言うのを聞いて、深慮の魔女は楽しそうに首を振った。
「偶然ですよ。今、ロメル王国で寝ていない人の中で、あなたは目立ったから」
「どのように目立ったのですか? 」
「あなた、必死に考えていたでしょう? 」
「はあ」
「私の呪いが全くきいていないのね。」
「あなたの呪いですか。」
「人々が大事なことを、一所懸命に考える(深慮する)ことをできなくしたのです。」
「えっ それがロメル王国にどのような災いを? 」
「日々の生活の中で、人々は考えることでさまざまなことを向上させることができます。考えないで今までどおり惰性で過ごすことは楽なのですが、やがてロメル帝国は停滞し滅亡するでしょう。」
「ロメル王国に破滅をもたらず呪いですね。」
「私は強いですよ。なにしろ、人間の精神に働きかける強力な魔法の使い手ですから。あなたのように、
この間、炎の魔女と戦いで心に極限の負担をかけて、心が弱っている人間はひとたまりもないでしょう。」
「そうすると、あなたは偶然、僕に楽勝できる体制をつかんだということですか? 」
「言い方が少し気になりますが、結論としてはそうでしょう。あっ!! 」
深慮の魔女が驚いた。突然、騎士カイロスの回りに結界の壁が張られたからだ。
「この魔法術式は、大魔法師マーリン」
その言葉に応えるかのように、結界の壁から大魔法師マーリンが出現した。
「深慮の魔女よ。ここは1逆に日、こらえてくれないか。心が弱り切った騎士カイロスに勝利しても、勝利した成果は得られまい。その事実が、人間の危機感となり立ち上がるきっかけになるかもしれない。」
「。確かにそうですね。逆に人間達が団結してしまうのは面倒ですね。わかりました。明日の同じ時間に勝負しましょう」
深慮の魔女はそう言うと、はるか天空に上がって消えた。
高い塔の上には、騎士カイロスと大魔法師マーリンが残った。
「カイロス様。また難敵ですね、精神系の魔法を使う深慮の魔女とは。」
その時、突然声がした。
2人が塔の登り口の方を見ると、そこにはソーニャ王女がいた。
「私はこのロメル王国の王女であるとともに、聖なる力をもち、国民の精神的な支えである聖女でもあります。私が騎士カイロスの心の中に滞在し、その心を守り抜きましょう。」
「僕の心の中に滞在する。ですか? 」
「大魔法師マーリン様、私の心をカイロス様の心に融合させることは可能でしょうか。」
「‥‥ まだ構築したことのない魔法になりますが。たぶん可能です。お2人の心は強く結ばれており、
融合しても全く問題ないでしょう。」
ソーニャ王女が聞いた。
「マーリン様。私とカイロス様の心を融合する魔法はすぐに構築できるのでしょうか。」」
「はい。もうできております。」
「もうできているのですか。」
「はい。心が強く通い合ってお2人の様子をずっと見ておりました。それで、聖女であるソーニャ王女様の魔力と世界最強の騎士であるカイロス様の心を融合させることは容易だと感じていました。」
そう言った大魔法師マーリンは2人の顔をかわるがわる見た。
「お2人が心を融合させて戦えば、それは最強だと思い術式を考え、構築はずっと前に完成しています。」
やがて、次の日、深夜同時刻になった。
高い塔の上で騎士カイロスは1人待っていた。
すると、昨日と同じように星が輝き、塔の上に深慮の魔女が出現した。
「逃げないで来たわね。もっとも、あなたには逃げるという選択しは無いと考えていたわ。それでは、戦いの場に行きましょう。」
そう言うと、深慮の魔女は夜空を魔法の杖で指した。
魔法の杖は塔の上から夜空に上がる道を作り、その先には扉が見えた。
「架空空間を作りました。あそこまで上がり、扉の中に入りましょう。」
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