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4 魔女との戦いは続く
22 魅惑の魔女になった理由
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「ここから下に向かって投げれば、きっとロメル王国全土に降り注ぐわ。そうすれば、王国のあちこちで大きな動乱が起きるはず。あの2人と直接戦わない、すばらしい間接攻撃になるわ」
動乱の魔女はそう言うと、王都の大聖堂の前から地方の教会に飛ぼうとした。
魔法で転移しようとしたが、時はそれを許さなかった。
カンカ――――ン
すぐに、大聖堂の鐘が鳴った。
さらに王都の遠くからも多くの鐘が響いて、まるで共鳴しているようだった。
一方、ソーニャ王女は、聖女として国中の人々に自分の優しい気持ちを届けた。
「みなさまの今日、明日、その後も永遠に続く未来が、幸せに包まれているように心から願います。私の父の国王、政治を行う王族達は自分の未来だけではなく、みなさまの未来をために全力で働きます」
王女は思っていた。
(異世界転生前、余命1年余り、惨みじめで悲惨だった私の未来は悟さんに守られ、この異世界で黄金に輝いています。この信じられない幸せを、みなさまにも分けて、未来が黄金に輝くように!! )
カーン、カンカーン カーン、カンカーン
鐘の音は信じられないほど大きく聞こえた。
多くの鐘は美しく共鳴して、国中に響き渡った。
音色は聖女のオーラを運び、動乱の魔女の呪いを吹き飛ばしていった。
動乱の魔女は気が付いた。
「私の呪いが消えていく。でもこれは根源を消滅させられたのではない。聖女のオーラによって完全に相殺され打ち消されている。相殺は永遠に続くのね――だから消滅したのと一緒‥‥ 負けたわ」
がっくりとうなだれ、動乱の魔女はそこから消えた。
同時に、国に対して反乱の軍を起こしていた人々の間で不思議なことが起きた。
「あれ?? 自分達はなんでこんなことをしているんだろう?? 」
やがて、反乱の軍は解散し、それぞれの自分の家に帰っていった。
それ以来、それぞれの教会の鐘の音色が、以前とはだいぶ変った。
美しく、心の奥底まで届くような音色になったのである。
国民は聖女の声に重なって聞こえると言った。
それから、喜びの時も、反対に悲しみの時も、その音色は人々の心に深く響いた。
そこは光りが少ない、ほとんど暗闇の空間だった。
7つの円卓に5人の魔女が座っていた。
空いている2つの席は、聖剣に存在を消されてしまったなげきの魔女のもの。
それに、自分の呪いを聖女の力で永遠に相殺されてしまった動乱の魔女のものだった。
円卓の中心には、黒いフードをかぶり、ほとんど顔が見えない暗闇の絶対神の幻影が映っていた。
「いよいよ。私の可愛い魔女達も、この5人だけになってしまったのか」
「騎士も騎士なら、王女も王女だ。ここにきて、聖女としての最高の力に目覚めるとは。聖剣の力を完全に引き出すようになった騎士といい、あの2人の力は私以上になったのかもしれない」
その時、5人の魔女の中で1人の魔女が立ち上がり言った。
「いえいえ。そのようなことはございません。基本的にあの2人は『人間』でございます。ですから絶対神様より強くなることはできないでしょう」
「誘惑の魔女か。ありがとう、そのとおりかもしれない」
「もう1度繰り返します。絶対神様、あの2人は人間です。人間の若い男女なのです。ですから、最大の弱点がございます」
「最大の弱点か。それはなんだ? 」
「異世界転生前に結婚式を挙げたばかりの2人です。しかも、非常に特別な事情をかかえたカップルです。2人の間にくさびを打ち込み、仲違なかたがいをさせてしまえばよいのです」
「なるほど、もはや神のような力をもつようになった2人だが、本来の人間的な部分を攻めれば以外に弱いのかもしれないな」
「私はあの女が嫌いです。聞けば、余命1年という自分の運命を彼に告げた時、すぐ直ちに、全く躊躇ちゅうちょすることなく、彼にプロポーズされたそうじゃないですか。幸せすぎ!!!! 」
誘惑の魔女はソーニャ王女・異世界転生前の北川風香きたがわふうかをとてもうらやんでいた。
それには彼女の過去の経験も関係していた。
彼女は魔女になる前、ロメル王国の隣国の貴族、ホームズ侯爵の娘ザラだった。
そして、将来を誓い合った婚約者、ランス伯爵がいた。
ところが、国王の跡継ぎ争いで、彼女の父親の侯爵が強く押していた王子が敗れた。
反対に、婚約者の伯爵は別の王子を押し、その王子が争いに勝ち、新しい国王として即位した。
それは、その国の王宮、謁見の間で起きた、彼女にとって、とても悲しくてつらい記憶だった。
大勢が集められた謁見の間でその事件は起きた。
新国王フランツが言った。
「みなも存じていると思うが、我は激しい戦いの末、国王として即位することができた。特にランス伯爵は我の即位のために粉骨細心の仕事をしてくれた」
確かにそうだった。
次期国王の即位争いでは、彼女の婚約者は彼女の父親と敵対関係にあった。
国王が続けた。
「それで、我からの特別な感謝の気持ちを残したい。ランス伯爵、我が娘・王女と結婚してくれないか。もちろん、そちには既にホームズ侯爵の御令嬢・ザラという婚約者がいることは重々承知している」
その時、謁見の間に控えていた多くの人々が2人に注目した。
ザラ。ランス伯爵。
やがてランス伯爵は国王の前にひざまずき、よく通る大きな声で宣言した。
「私に対する国王陛下のご厚意は、大海の海よりも深く、謹つつしんでお受け致します。王女様と結婚させていただくとともに―― 」
伯爵はそこで言葉を切った。
演出効果を狙ったかのようだった。
「誠に申し訳ありませんが、ホームズ侯爵の御令嬢・ザラさんとの婚約は破棄させていただきます」
次の瞬間、謁見の間にいた大勢の人の同情の目が彼女に集中した。
彼女は努力して心を平穏に保とうと思ったが、やがて、それはくずれた。
彼女は絶叫した。
「この先、どんな困難が2人の前に現われても、愛は変らないとおっしゃったじゃないですか!! 」
「‥‥‥‥ 」
ランス伯爵は、罪悪感を感じ沈黙した。
しかし、国王の一言が沈黙を破った。
「ザラよ。その手の約束を、男は破っても良いのだぞ―― 」
はははははははは
謁見の間にいた大勢の人々の追従笑いがこだました。
大部分は可哀想だ。間違っていると思っている。のに違いなかった、のに。
彼女の心は瞬時に、暗闇に包まれた。
これほど完全な暗闇はなかった。
そしてそれは、ある存在に届いた。
「ザラ、ザラ、私の声が聞こえるか。心が完全に暗闇に閉ざされたお前なら聞こえるな」
「あなたは誰、誰なの」
「私は暗闇くらやみの絶対神、この世界の中で唯一、お前を救うことができる者だ―― 」
動乱の魔女はそう言うと、王都の大聖堂の前から地方の教会に飛ぼうとした。
魔法で転移しようとしたが、時はそれを許さなかった。
カンカ――――ン
すぐに、大聖堂の鐘が鳴った。
さらに王都の遠くからも多くの鐘が響いて、まるで共鳴しているようだった。
一方、ソーニャ王女は、聖女として国中の人々に自分の優しい気持ちを届けた。
「みなさまの今日、明日、その後も永遠に続く未来が、幸せに包まれているように心から願います。私の父の国王、政治を行う王族達は自分の未来だけではなく、みなさまの未来をために全力で働きます」
王女は思っていた。
(異世界転生前、余命1年余り、惨みじめで悲惨だった私の未来は悟さんに守られ、この異世界で黄金に輝いています。この信じられない幸せを、みなさまにも分けて、未来が黄金に輝くように!! )
カーン、カンカーン カーン、カンカーン
鐘の音は信じられないほど大きく聞こえた。
多くの鐘は美しく共鳴して、国中に響き渡った。
音色は聖女のオーラを運び、動乱の魔女の呪いを吹き飛ばしていった。
動乱の魔女は気が付いた。
「私の呪いが消えていく。でもこれは根源を消滅させられたのではない。聖女のオーラによって完全に相殺され打ち消されている。相殺は永遠に続くのね――だから消滅したのと一緒‥‥ 負けたわ」
がっくりとうなだれ、動乱の魔女はそこから消えた。
同時に、国に対して反乱の軍を起こしていた人々の間で不思議なことが起きた。
「あれ?? 自分達はなんでこんなことをしているんだろう?? 」
やがて、反乱の軍は解散し、それぞれの自分の家に帰っていった。
それ以来、それぞれの教会の鐘の音色が、以前とはだいぶ変った。
美しく、心の奥底まで届くような音色になったのである。
国民は聖女の声に重なって聞こえると言った。
それから、喜びの時も、反対に悲しみの時も、その音色は人々の心に深く響いた。
そこは光りが少ない、ほとんど暗闇の空間だった。
7つの円卓に5人の魔女が座っていた。
空いている2つの席は、聖剣に存在を消されてしまったなげきの魔女のもの。
それに、自分の呪いを聖女の力で永遠に相殺されてしまった動乱の魔女のものだった。
円卓の中心には、黒いフードをかぶり、ほとんど顔が見えない暗闇の絶対神の幻影が映っていた。
「いよいよ。私の可愛い魔女達も、この5人だけになってしまったのか」
「騎士も騎士なら、王女も王女だ。ここにきて、聖女としての最高の力に目覚めるとは。聖剣の力を完全に引き出すようになった騎士といい、あの2人の力は私以上になったのかもしれない」
その時、5人の魔女の中で1人の魔女が立ち上がり言った。
「いえいえ。そのようなことはございません。基本的にあの2人は『人間』でございます。ですから絶対神様より強くなることはできないでしょう」
「誘惑の魔女か。ありがとう、そのとおりかもしれない」
「もう1度繰り返します。絶対神様、あの2人は人間です。人間の若い男女なのです。ですから、最大の弱点がございます」
「最大の弱点か。それはなんだ? 」
「異世界転生前に結婚式を挙げたばかりの2人です。しかも、非常に特別な事情をかかえたカップルです。2人の間にくさびを打ち込み、仲違なかたがいをさせてしまえばよいのです」
「なるほど、もはや神のような力をもつようになった2人だが、本来の人間的な部分を攻めれば以外に弱いのかもしれないな」
「私はあの女が嫌いです。聞けば、余命1年という自分の運命を彼に告げた時、すぐ直ちに、全く躊躇ちゅうちょすることなく、彼にプロポーズされたそうじゃないですか。幸せすぎ!!!! 」
誘惑の魔女はソーニャ王女・異世界転生前の北川風香きたがわふうかをとてもうらやんでいた。
それには彼女の過去の経験も関係していた。
彼女は魔女になる前、ロメル王国の隣国の貴族、ホームズ侯爵の娘ザラだった。
そして、将来を誓い合った婚約者、ランス伯爵がいた。
ところが、国王の跡継ぎ争いで、彼女の父親の侯爵が強く押していた王子が敗れた。
反対に、婚約者の伯爵は別の王子を押し、その王子が争いに勝ち、新しい国王として即位した。
それは、その国の王宮、謁見の間で起きた、彼女にとって、とても悲しくてつらい記憶だった。
大勢が集められた謁見の間でその事件は起きた。
新国王フランツが言った。
「みなも存じていると思うが、我は激しい戦いの末、国王として即位することができた。特にランス伯爵は我の即位のために粉骨細心の仕事をしてくれた」
確かにそうだった。
次期国王の即位争いでは、彼女の婚約者は彼女の父親と敵対関係にあった。
国王が続けた。
「それで、我からの特別な感謝の気持ちを残したい。ランス伯爵、我が娘・王女と結婚してくれないか。もちろん、そちには既にホームズ侯爵の御令嬢・ザラという婚約者がいることは重々承知している」
その時、謁見の間に控えていた多くの人々が2人に注目した。
ザラ。ランス伯爵。
やがてランス伯爵は国王の前にひざまずき、よく通る大きな声で宣言した。
「私に対する国王陛下のご厚意は、大海の海よりも深く、謹つつしんでお受け致します。王女様と結婚させていただくとともに―― 」
伯爵はそこで言葉を切った。
演出効果を狙ったかのようだった。
「誠に申し訳ありませんが、ホームズ侯爵の御令嬢・ザラさんとの婚約は破棄させていただきます」
次の瞬間、謁見の間にいた大勢の人の同情の目が彼女に集中した。
彼女は努力して心を平穏に保とうと思ったが、やがて、それはくずれた。
彼女は絶叫した。
「この先、どんな困難が2人の前に現われても、愛は変らないとおっしゃったじゃないですか!! 」
「‥‥‥‥ 」
ランス伯爵は、罪悪感を感じ沈黙した。
しかし、国王の一言が沈黙を破った。
「ザラよ。その手の約束を、男は破っても良いのだぞ―― 」
はははははははは
謁見の間にいた大勢の人々の追従笑いがこだました。
大部分は可哀想だ。間違っていると思っている。のに違いなかった、のに。
彼女の心は瞬時に、暗闇に包まれた。
これほど完全な暗闇はなかった。
そしてそれは、ある存在に届いた。
「ザラ、ザラ、私の声が聞こえるか。心が完全に暗闇に閉ざされたお前なら聞こえるな」
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