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4 魔女との戦いは続く
23 魅惑の魔女の誘惑
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続けて、暗闇の絶対神の声が言った。
「ザラよ。お前は美しい。そして、たくさんの魅力をもっている」
「そうですか、それならばなんで、ランス伯爵様に婚約を破棄されたのでしょうか? 」
「そこはとても罪深きところだ。お前の魅力よりも王女と結婚する将来の地位・富・名声の方を重んじたのだ。もう1度言うぞ、そこはとても罪深きところだ。だから我と契約するのだ」
「契約ですか? 」
「我の僕しもべになり、人間達の心の闇の部分を支配するのだ。そのために、お前に強力な魔力と魔法を与える。お前には人間の心を完全に支配する魅惑の力を与える」
「‥‥‥‥ 契約します。私はもう正常な心の状態でいることはできません。ですから、契約しますから、私の心を救ってください」
「わかった。今、お前は私と契約を結んだ神のごとき魔女となった―― 」
ザラは再び、王宮の謁見の間で婚約破棄された場面に帰った。
動画の停止ボタンが押されたように、止まった場面。
やがて、それが動き出した。
停止前と違うことがあった。
ザラは魔女の装束を着て、魔法の杖をもっていた。
場面が動き出したその瞬間、ザラは自分の元婚約者ランス伯爵に微笑みかけた。
それは、ぞっとするような魅力で伯爵の心を完全に病的に支配した。
ザラは伯爵に言った。
「それではこれでお別れします。婚約破棄ありがとうございます。王女様とお幸せに―― 」
魅惑の魔法は最大限に伯爵の心を支配していた。
「えっえっえっえっ 私はザラとの婚約を破棄してしまったのか!!!! なんて愚かなことをしてしまったのだろう‥‥ 」
そう言った後、伯爵の心は停止した。
何も考えることのできない廃人になってしまったと、人々は噂した。
魅惑の魔女は、騎士カイロスに魔法をかけようと、彼を待つことにした。
騎士カイロスは王都の中、王宮のすぐ前に自分の家があった。
この頃、彼の毎日の日課は夜明けとともに起き、自分の家を出てランニングすることだった。
今日も、夜明けとともに彼は自分の家を出た。
いつものコースを彼は走っていたが、ある場所で女性(魔女ザラ)がお腹を押さえてかがんでいた。
その女性はとても苦しそうだった。
走っていた彼は躊躇ちゅうちょなくとまり、女性に声をかけた。
「大丈夫ですか。だいぶ苦しそうですが」
「はい。ありがとうございます。ここに来て急にお腹がとても痛くなってしまいました。あまりに痛くて動くことができません」
彼は女性の顔を見た。
とても苦しそうな顔をしていたが、誰が見ても絶対的に最高の美女だった。
しかし、美女であることが彼になんの効果も与えなかった。
「だいじょうぶですか、この先に医者がいます。そこまでお連れしましょう」
騎士カイロスは、美女の体を心配した。
(えっ!! 魅惑の魔法を最大限に行使したのに、この人は―― )
「お運び、しなかればいけません。私の背中にお乗りください」
彼が自分の背中を魔女に見せた。
(そうそう。体を密着させることができれば、もっと魅惑の魔法の効力が高まるわ)
魔女は背中におぶさった。
(背が高いのね)
騎士カイロスは横幅はないが、とても筋肉質だった。
「どうですか。痛みの状況は」
「安心したのか。さきほどよりは、痛みが治まってきました。騎士様には何か異常がありませんか? 」
「えっ、特に何もありません」
「何も感じないのですか? 」
「そうですね。まるで、何もおぶってはいないようです。もしかしたら、僕がおぶっているのは、羽がある天使だったりして」
「まあ、たとえがお上手なのですね。騎士様。ありがとうございました。もう、お腹の痛みは完全に治まりました。たぶん、自分で歩けると思いますので、ここでおろしていただけますか」
「えっ、ほんとうに大丈夫ですか。僕に遠慮なさっているのであれば気になさらないでください」
「ほんとうに大丈夫です。あなたの背中にいることで、私の心も体も快調になりました。なぜかはわかりませんが、あなたは特別な力をおもちですね」
「では、おろしますよ」
魔女は騎士カイロスの背中から降りた。
その時、魔女は思った。
(聖剣クトネリシカの力ね。聖剣は騎士を魔法など、さまざまな力から守るそうだから―― )
ところが、魔女が騎士の腰を見ると聖剣を差していなかった。
「あの―― 騎士様ですよね」
「はい、騎士カイロスと申します」
「剣を差していらっしゃらないのですか? 」
「あっ!! そうでした。騎士たるもの自分の命にひとしい剣を差していないとは、恥ずかしいところを見つかってしまいました」
(それじゃあ。私の魔法がきかないのは聖剣のおかげではないの。なんで?? でも今日は、魔女であることがばれないうちに、これでよしにしよう)
「それでは騎士様失礼します」
魔女はくるっと反対側を向き歩き始めた。
歩きながら魔女は思った。
(それにしても、ほんとうに素敵な人。わずか少ししか話しをしなかったが、彼の話す言葉を聞いただけで、優しくて思いやりがある人だと思った。それに、そこぬけに明るそう)
それを見ていた騎士カイロスは思った。
(何かの悲しみをかかえているような、さびじそうな人)
驚くべきことに、神魔女である魅惑の魔女の強力な魔力が全然通じなかった。
魔女はその理由をいろいろな面から考えたが、結論が出なかった。
魅惑の魔女ザラの家は、人間だった頃、自分が侯爵令嬢として過ごした城に似せて造ったものだった。
自分の部屋の窓から遠く、ロメル王国の方向の空を見ていた。
「あの騎士、異世界転生してくる前、余命が1年余りであることを告白した彼女にすぐプロポーズしたんだ。誰かさんの婚約者とは大違い! ぼろ雑巾のように捨てた人もいるのにね‥‥ 」
最後に魔女は決心した。
「仕方がないわ。私の魔法に耐性があるのね。でも、それならばそれで、騎士カイロスとソーニャ王女との仲を絶対に切り裂いてあげるわ」
ある日、騎士カイロスとソーニャ王女は王都の中、メインストリートを2人で歩いていた。
「悟さん。この異世界に転生してからもう1年近くになります。ようやく、魔女達によってかけられた13の呪いも残り5つになりました。いったいどのような呪い、どのような魔女なのでしょう」
「皆目見当つきません。大魔法師マーリン様ですらわからないそうですし、深慮の魔女レイラさんも残りの魔女のことは知らないそうです」
その時だった。
「こんにちわ。お久し振りです。あの時は大変、とてもとてもお世話になりました!! 」
騎士カイロスがいきなり、美しい美女に抱きつかれた――
「ザラよ。お前は美しい。そして、たくさんの魅力をもっている」
「そうですか、それならばなんで、ランス伯爵様に婚約を破棄されたのでしょうか? 」
「そこはとても罪深きところだ。お前の魅力よりも王女と結婚する将来の地位・富・名声の方を重んじたのだ。もう1度言うぞ、そこはとても罪深きところだ。だから我と契約するのだ」
「契約ですか? 」
「我の僕しもべになり、人間達の心の闇の部分を支配するのだ。そのために、お前に強力な魔力と魔法を与える。お前には人間の心を完全に支配する魅惑の力を与える」
「‥‥‥‥ 契約します。私はもう正常な心の状態でいることはできません。ですから、契約しますから、私の心を救ってください」
「わかった。今、お前は私と契約を結んだ神のごとき魔女となった―― 」
ザラは再び、王宮の謁見の間で婚約破棄された場面に帰った。
動画の停止ボタンが押されたように、止まった場面。
やがて、それが動き出した。
停止前と違うことがあった。
ザラは魔女の装束を着て、魔法の杖をもっていた。
場面が動き出したその瞬間、ザラは自分の元婚約者ランス伯爵に微笑みかけた。
それは、ぞっとするような魅力で伯爵の心を完全に病的に支配した。
ザラは伯爵に言った。
「それではこれでお別れします。婚約破棄ありがとうございます。王女様とお幸せに―― 」
魅惑の魔法は最大限に伯爵の心を支配していた。
「えっえっえっえっ 私はザラとの婚約を破棄してしまったのか!!!! なんて愚かなことをしてしまったのだろう‥‥ 」
そう言った後、伯爵の心は停止した。
何も考えることのできない廃人になってしまったと、人々は噂した。
魅惑の魔女は、騎士カイロスに魔法をかけようと、彼を待つことにした。
騎士カイロスは王都の中、王宮のすぐ前に自分の家があった。
この頃、彼の毎日の日課は夜明けとともに起き、自分の家を出てランニングすることだった。
今日も、夜明けとともに彼は自分の家を出た。
いつものコースを彼は走っていたが、ある場所で女性(魔女ザラ)がお腹を押さえてかがんでいた。
その女性はとても苦しそうだった。
走っていた彼は躊躇ちゅうちょなくとまり、女性に声をかけた。
「大丈夫ですか。だいぶ苦しそうですが」
「はい。ありがとうございます。ここに来て急にお腹がとても痛くなってしまいました。あまりに痛くて動くことができません」
彼は女性の顔を見た。
とても苦しそうな顔をしていたが、誰が見ても絶対的に最高の美女だった。
しかし、美女であることが彼になんの効果も与えなかった。
「だいじょうぶですか、この先に医者がいます。そこまでお連れしましょう」
騎士カイロスは、美女の体を心配した。
(えっ!! 魅惑の魔法を最大限に行使したのに、この人は―― )
「お運び、しなかればいけません。私の背中にお乗りください」
彼が自分の背中を魔女に見せた。
(そうそう。体を密着させることができれば、もっと魅惑の魔法の効力が高まるわ)
魔女は背中におぶさった。
(背が高いのね)
騎士カイロスは横幅はないが、とても筋肉質だった。
「どうですか。痛みの状況は」
「安心したのか。さきほどよりは、痛みが治まってきました。騎士様には何か異常がありませんか? 」
「えっ、特に何もありません」
「何も感じないのですか? 」
「そうですね。まるで、何もおぶってはいないようです。もしかしたら、僕がおぶっているのは、羽がある天使だったりして」
「まあ、たとえがお上手なのですね。騎士様。ありがとうございました。もう、お腹の痛みは完全に治まりました。たぶん、自分で歩けると思いますので、ここでおろしていただけますか」
「えっ、ほんとうに大丈夫ですか。僕に遠慮なさっているのであれば気になさらないでください」
「ほんとうに大丈夫です。あなたの背中にいることで、私の心も体も快調になりました。なぜかはわかりませんが、あなたは特別な力をおもちですね」
「では、おろしますよ」
魔女は騎士カイロスの背中から降りた。
その時、魔女は思った。
(聖剣クトネリシカの力ね。聖剣は騎士を魔法など、さまざまな力から守るそうだから―― )
ところが、魔女が騎士の腰を見ると聖剣を差していなかった。
「あの―― 騎士様ですよね」
「はい、騎士カイロスと申します」
「剣を差していらっしゃらないのですか? 」
「あっ!! そうでした。騎士たるもの自分の命にひとしい剣を差していないとは、恥ずかしいところを見つかってしまいました」
(それじゃあ。私の魔法がきかないのは聖剣のおかげではないの。なんで?? でも今日は、魔女であることがばれないうちに、これでよしにしよう)
「それでは騎士様失礼します」
魔女はくるっと反対側を向き歩き始めた。
歩きながら魔女は思った。
(それにしても、ほんとうに素敵な人。わずか少ししか話しをしなかったが、彼の話す言葉を聞いただけで、優しくて思いやりがある人だと思った。それに、そこぬけに明るそう)
それを見ていた騎士カイロスは思った。
(何かの悲しみをかかえているような、さびじそうな人)
驚くべきことに、神魔女である魅惑の魔女の強力な魔力が全然通じなかった。
魔女はその理由をいろいろな面から考えたが、結論が出なかった。
魅惑の魔女ザラの家は、人間だった頃、自分が侯爵令嬢として過ごした城に似せて造ったものだった。
自分の部屋の窓から遠く、ロメル王国の方向の空を見ていた。
「あの騎士、異世界転生してくる前、余命が1年余りであることを告白した彼女にすぐプロポーズしたんだ。誰かさんの婚約者とは大違い! ぼろ雑巾のように捨てた人もいるのにね‥‥ 」
最後に魔女は決心した。
「仕方がないわ。私の魔法に耐性があるのね。でも、それならばそれで、騎士カイロスとソーニャ王女との仲を絶対に切り裂いてあげるわ」
ある日、騎士カイロスとソーニャ王女は王都の中、メインストリートを2人で歩いていた。
「悟さん。この異世界に転生してからもう1年近くになります。ようやく、魔女達によってかけられた13の呪いも残り5つになりました。いったいどのような呪い、どのような魔女なのでしょう」
「皆目見当つきません。大魔法師マーリン様ですらわからないそうですし、深慮の魔女レイラさんも残りの魔女のことは知らないそうです」
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「こんにちわ。お久し振りです。あの時は大変、とてもとてもお世話になりました!! 」
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