異世界

ナマケモノ

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「そんなこと、自分は知らなかったです。 ジョンには伝えないのですか?」
「今は伝えない。 時が来たら伝える。 あの子を1時間後くらいの戦に加えてくれないか。 死なないように見守り役をつけてくれ。 特別なことだ。 戦を指揮するものだけに伝えるのだ。」
「分かりました。」
 ハロルドは王に礼をして、指揮官のところへ向かう。


 ジョンはあぐらをかいてた。
 ハロルドは何をしているだろうかと待っていた。
 ジョンはあくびをする。
 空を眺めれば、青空だ。
 雲はゆっくりと流れていく。
 雲にどんな形だなと自分なりに考える。
 ハロルドは肩をたたく。
 ついてくるように手招きする。
「いきなりだが、戦だ。」
「戦!? いきなり来てそれはないでしょう。 今日、術を覚えたばかりのやつがいけるわけでないでしょう。」 
「安心しろ。 小さな痴話喧嘩みたいなもんだ。 死ぬことはない。 かすり傷か骨が1、2本折れるくらいだ。」
「へい、へい。 行けばいいんでしょう。」
「うむ。 理解が早くてなりよりだ。 3番ゲートへ向かえ。」
 ジョンは3番ゲートへ向かう。
 100人くらいが並んでいる。
 大きな声を出して、偉そうに喋っている。
 あれが指揮官のようだ。
「貴様らは今から戦に向かうだろう。 初めてのやつもいるだろう。 訓練を思い出せ。 貴様らには術がある。 敵も貴様らのように弱いやつだそうだ。 前進あるのみだ。 行け。」
 ジョンは途中からした聞いていないが、これが指揮官の言う言葉だろうかと疑問に感じた。 戦略のひとつやふたつもない。
 ただ当たって砕けろとしかおもえない。
 3番ゲートは開く。
 城に来て、ほんの数十分で戦に向かうことになった。
 ジョンは最後列。 前は自分と同じ兵士の頭しかみえない。
 兵士といってもそれっぽくみえない。
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