異世界

ナマケモノ

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「どうすればいい。」
「相手はレベル1の術をみて、どう思う? こいつは弱いと格下にみるのさ。 逆手にとるんだ。 レベル1でも時間をかければ、レベル8まで近づける。 まぁ、そこまで時間もないし、本人がもたない。現実的に3くらいまでだろう。 作戦は簡単だ。 大きな戦力をひとつつぶすだけだ。 あそこをみろ。」
 トムの指を指す方向に向く。
 雷を使って、大勢を倒している人がいる。
 大勢で向かってもかなわないようだ。
 向かおうとしている兵士はビビってみえる。
 後ろに少しずつ下がっていく。
 実力の差を飲みこめたようだ。
 にらみが続いている。
「あいつだ。 今は土属性で壁をつくるんだ。 コの字で描いていくんだ。」
「分かった。 やりゃあいいんだろう。」
 ジョンは初めてことばかりだが、やるしかなかった。
 頭でイメージをする。
 木でやるべきか。 いや、違う。 もろすぎる。
 束になってもすぐに攻撃されれば、崩れるだろう。
 単純に土で固めていく。
 両手を地面に当てる。 土の感触をたしかめる。 やわらかい。
 これより少し固くしかない。
 指先に神経を集中する。
 土がぼこっと盛り上がる。 これでは足りない。
 地面から手を離して、当てるのをくりかえす。 どんどん高くなっていく。
 今は一直線に横に2mくらいの高さの壁を作っただけだ。
 ジョンは息があがる。
 少し手を休める。 視線をトムに向ける。
 トムは雷を避けながら、何か言っているようだ。 相手は怒っているようだ。
 攻撃がひどいさまだ。
 トムは風を上手く扱っている。
 風を使って地面と空を上がり下がりしている。
 目があう。 早くやれ、という意味なのだろう。
 ジョンは精神を落ち着け、再開する。
 要領はつかめてきて、さっきより速い時間で壁が出来上がっていく。
 コの字の壁が出来上がる。
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