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やわらかな唇②
しおりを挟む女性の口が汚れるという理由で苦手だった行為だけど、今は心のどこかで期待してしまう僕が確かにいた。
リビドーとは現金なものだ、とつくづく思う。真由莉さんの情熱的な愛撫を受けると、僕のバナナはあっという間に鋼の硬さで屹立してしまう。
僕たちのセックスは、相手の身体を思う存分弄び、満足したら攻守交替となる。大胆に両脚を広げた真由莉さんに正対し、僕は逞しいバナナをインサートする。
濡れそぼったザクロは容赦なく、バナナを締めつけてくる。前戯は不要だ。僕は力強く、腰を使う。真由莉さんは獣のような叫びを上げた。
彼女の部屋は防音設備が完璧なので、大声を上げても問題はない。ただ、僕の耳はかすかな音をとらえた。普段から馴染みのある音でも、時と場合によっては妙な具合で聞こえることがある。
真由莉さんのザクロをリズミカルに貫きながら、僕にはある確信があった。
「どうしたの?」真由莉さんが怪訝な表情をつくった。
「いや、何でもない」
とりあえず、今はセックスに集中する。バナナの角度を深くしてダイナミックに腰を使う。次第にスピードを上げて、一気にエクスタシーへと導くことにした。バナナの先端がザクロの奥に突き刺さり、獣のような叫びが上がる。
バナナを引き抜くと、彼女の体液が勢いよく噴射した。あたたかな体液は僕の腹を打ち、断続的に噴射しては、水たまりを広げていく。
僕たちのベッドがバスルームである所以である。噴射が収まったところで、バナナをインサートして、再びエクスタシーを目指す。
攻守交替を繰り返しながら、体力が尽きるまで情熱的に交わった。噴射する体液が少なくなり、真由莉さんが喉の渇きを訴えるまで、30分ほどかかった。
小休止をとることになり、僕は飲み物をとってくる際に、かすかな音を聞いたことを思い出した。
廊下に脱ぎ捨てたパンツのポケットからスマホを取り出した。僕の耳がとらえた音は、やはり、スマホのコール音だった。
モニターに映し出された番号に見覚えはない。その時、まるで見計らったように、電話がかかってきた。
「突然の御連絡をすいません。あのう、そちらはシュウさんでよろしいでしょうか?」
若い男の声だった。
「そうですが、どちら様でしょうか?」
「申し遅れました。私、警視庁麻布警察署の宮下と申します」
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