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情欲の雨に濡れて⑪
しおりを挟むそんな想いが顔に出ていたのだろう。真由莉さんがクスクス笑いながら、
「やぁね、シュウ、妬いてるの?」
「まさか、誤解ですよ」図星だったが、笑ってごまかす。
コールボーイがソープ嬢の常連さんに嫉妬しても何も始まらない。
「ふふっ、誤解されたくないなら、バブル世代には絶対に真似できない、とびきりエネルギッシュなのを私にしてみせて」
陽当たりのよいリビングで、真由莉さんは突然、ワンピースを脱ぎ始める。僕が慌ててカーテンを閉めるのは、毎度のことだ。振り返ると、彼女はショーツ1枚の姿になっていた。
僕たちはいつものように、真由莉さんのマンションでセックスを開始する。情熱的なキスに始まり、互いの果実に愛撫を施す。
「シュウ、今日は私に任せてね」
真由莉さんは最近、責めに凝っている。ゆっくりと僕のシャツとデニムを脱がし、ショーツ越しにバナナを念入りに弄ぶ。
どうやら、じらしているつもりらしい。時折、上目遣いで、僕の表情をうかがう。
「どう、気持ちいい?」と、瞳で訊いてくる。
僕は大きく頷く。感極まって、彼女の名前を呼んだりもする。最終的に全裸にされて、屹立したバナナを口に含まれてしまう。
あたたかい粘膜に包まれている上に、指先で偽ザクロをくすぐられたり、クルミをいじられたり、絶妙な責めが執拗に繰り返される。
惜しみないテクニックに翻弄され、つい仕事であることを忘れそうになる。
「真由莉さん、欲しくなったら、おっしゃってください」
喉の奥から言葉を搾り出すと、彼女の薄笑いが返ってきた。
「正直に言いなさいよ。欲しくなったのはシュウの方でしょ?」
そう言って、バナナを握った手に力を込める。激痛が走り、思わず、悲鳴を上げてしまった。
「あら、ごめんなさい」
勝ち誇ったような笑いにカチンときた。僕は大人気なく、仕返しを試みる。真由莉さんの腕に手をかけて引き上げると、右手で素早く下半身を探ったのだ。案の定、ザクロはヌルヌルに潤っていた。
真由莉さんは僕をいたぶりながら、下半身を熱くしていたのだ。
「真由莉さんだって、こんなに濡れているじゃないですか」
僕は指先を優しく使って、ヌルヌルのザクロを愛撫した。デリケートな果実に触れるため、僕の爪は短めに切りそろえてある。
当たっても痛くないように、爪先や角は常に丸みを帯びていて、毎日やすりで削る手入れを怠らない。
僕は繊細なタッチを施して、彼女の性欲を煽り立てる。可愛らしい悲鳴を聞きながら、冷静な声音で彼女に告げる。
「真由莉さん、僕の指先は今時分が、一年で一番スベスベなんですよ。梅雨の湿気でしょうね」
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