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イカピラフくん探し③
しおりを挟む「姉ちゃん、これから山に入るなら案内するぞ」
ロータリーで出会ったタクシーの運転手さんから声をかけられた。この運転手さんがゴミの山発見地点を知っていたのは、ラッキーだった。日頃の行いが良いと、こんな具合に物事がスムースに進むね。
目指すブツまであとわずか。待っていてね、イカピラフくん。
タクシーはウネウネと曲がりくねった道路を駆け上っていく。平日の昼過ぎであるせいか、対向車はほとんどない。駅から30分ほど経っただろうか。私たちは山間部を走っていた。進行方向に向かって右側は、想像以上に断崖絶壁である。
運転手さんがタクシーを停めて、崖の真下を指さした。
「このあたりが、ゴミの山の発見地点だ」
目を凝らすと、なるほど谷底の一角に、むきだしの土が見えていた。ゴミの山に辿り着くには、ガードレールの切れ目から急斜面を下っていくしかない。
私は自宅で着替えと荷作りを済ませてきた。泥んこになっても平気な服装だし、天気予報を信じてレインコートも持参している。それは正解だった。泥にまみれながら斜面を下り切り、どうにかこうにかゴミの山に到着した時、頭のてっぺんにポツリときた。
雨はすぐに本降りになった。土が柔らかくなったのは、不幸中の幸いだ。スコップで地面を掘り返すと、出るわ出るわ大量のゴミ。木枠やサッシ、丸めたビニールシートは家屋解体作業の残骸か。地面の下は全部ゴミかい、と言いたくなる。
足元がぬかるんでいるので、何度も転んで泥まみれ。もうヤケクソである。
掘って掘って掘りまくったが、肝心の空き缶が見当たらない。金属探知機を持ってくるべきだったかなぁ。そんなのどこに売っているか知らないけど。
草むらの中で針金ハンガーの束を見つけた時、ふとあることを思いついた。
まず、ハンガーのねじりをほぐし、一本の針金に戻してから、L字型に折り曲げる。同じものをもう一本作って、私は両手に一本ずつ握った。
L字の短い方を軽く握り、長い方を身体の前方に向ける形だ。その態勢でひたすら辺りを歩き回る。力を入れてもいないのに、針金の先が交差したり開いたり反応を示したら、万々歳。その場所には、探し求めるブツが埋まっているからだ。
そう、降りしきる雨の下で、思いつきダウジングというわけさ。
「絶対に見つける。何が何でも探し出す」
私の想いよ、天に届け。これだけ頑張っているんだから、神様、無視したら承知しないよ。
足元はすっかり泥沼状態。方向転換を何度も繰り返しながら、ただ歩き回る私。しかし、L字の先はピクリとも動かない。
やれやれ。リサーチだけでなく、ダウジングのセンスもなかったか。
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