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横綱とカレーパン②
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「じゃあ、今いったリサーチを、30分以内で頼む」
「はいー?」
これには耳を疑った。
いえ、チンピラDの言い分はわかりました。すっかりは把握できました。
でも、はっきり言わしてもらうと、横綱御用達の店を探し出すなんて、私には到底無理です。それも30分以内になんて。
「そんなの無茶苦茶ですよ。せめて夕方までになりませんか?」
私は前髪をいじくりながら、少しでも先方の譲歩を得ようと、無駄な抵抗を試みます。
「横綱の局入りが15時半。2時間後だ。その前に店を割り出して、ADに買ってこさせなきゃならん。それとも何か、おめぇが高級カレーパンをデリバリーしてくれんのかっ!」
そんなことしません。買い出しはリサーチャーの仕事じゃない。
そもそも、そんな難題のリサーチ、半人前の私には荷が重過ぎます。
「なぁに、リサーチ依頼?」
そんな時、ジャスミンの香りとともに、女神様が帰還した。
ランチを終えたスレンダー美人、先輩リサーチャーの真希さんだ。
クールビューティは何も言わずに、私の手からメモをひったくる。
「ミルコじゃ無理よね。私がやるから、わかっている限りの情報をちょうだい」
自分のデスクについた真希さんは、ボールペンをクルリと回し、チンピラDにテンポよく質問をぶつける。
「老舗なのね。創業70年って正確な数字? そう、70年前後。価格は、1個200円程度。特徴は、カリっとして、香ばしく、具だくさん、と」
私は起動しているパソコンで、とりあえずキーワード検索を試みる。「カレーパン」と「老舗」でいいのかな。
おっと、ヒット数は4000を超えている。目を通すだけで明日になっちゃうよ。
「ミルコ、PC検索はまだまだね」と、真希さんは自分のパソコンに向かった。
すぐ横で甲斐甲斐しく指示を待っていると、「ほら」と都内職業別電話帳を渡された。
「まず、都内の老舗パン屋に片っ端から電話をかけて。訊ねることは、わかってるわね。横綱の御用達ですかってこと。横綱が小学生の頃から、その高級カレーパンを食べ続けているらしいから」
指示を出している間も、パソコンを叩き続けている真希さん。クールな表情に、左頬のエクボがかわいい。
「はいー?」
これには耳を疑った。
いえ、チンピラDの言い分はわかりました。すっかりは把握できました。
でも、はっきり言わしてもらうと、横綱御用達の店を探し出すなんて、私には到底無理です。それも30分以内になんて。
「そんなの無茶苦茶ですよ。せめて夕方までになりませんか?」
私は前髪をいじくりながら、少しでも先方の譲歩を得ようと、無駄な抵抗を試みます。
「横綱の局入りが15時半。2時間後だ。その前に店を割り出して、ADに買ってこさせなきゃならん。それとも何か、おめぇが高級カレーパンをデリバリーしてくれんのかっ!」
そんなことしません。買い出しはリサーチャーの仕事じゃない。
そもそも、そんな難題のリサーチ、半人前の私には荷が重過ぎます。
「なぁに、リサーチ依頼?」
そんな時、ジャスミンの香りとともに、女神様が帰還した。
ランチを終えたスレンダー美人、先輩リサーチャーの真希さんだ。
クールビューティは何も言わずに、私の手からメモをひったくる。
「ミルコじゃ無理よね。私がやるから、わかっている限りの情報をちょうだい」
自分のデスクについた真希さんは、ボールペンをクルリと回し、チンピラDにテンポよく質問をぶつける。
「老舗なのね。創業70年って正確な数字? そう、70年前後。価格は、1個200円程度。特徴は、カリっとして、香ばしく、具だくさん、と」
私は起動しているパソコンで、とりあえずキーワード検索を試みる。「カレーパン」と「老舗」でいいのかな。
おっと、ヒット数は4000を超えている。目を通すだけで明日になっちゃうよ。
「ミルコ、PC検索はまだまだね」と、真希さんは自分のパソコンに向かった。
すぐ横で甲斐甲斐しく指示を待っていると、「ほら」と都内職業別電話帳を渡された。
「まず、都内の老舗パン屋に片っ端から電話をかけて。訊ねることは、わかってるわね。横綱の御用達ですかってこと。横綱が小学生の頃から、その高級カレーパンを食べ続けているらしいから」
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