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エピローグ、その4~命と報酬~
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「その話、乗った!」
「断る理由などありません!」
ホレスとアリシアが即答した。
「待ちなさい、二人とも!まずは報酬を聞いてから依頼を引き受ける。これは冒険者の鉄則よ」
レーナは当然のように言った。
「こんな時にまで何を堅苦しい事を言ってんだ。レーナ、お前も断る気など無いんだろう?!」
「そうですよ、私は報酬なんて無くてもこの冒険に参加します」
ホレスとアリシアが抗議の声を上げた。
「いいえ。これはレーナが正しいわ。冒険依頼を受ける前は必ず報酬を確認する。これは冒険者の鉄則であり、カナタがリーダーとして決めたこのパーティーの鉄則でもあるわ。私達は一度も報酬の無い冒険に出た事など無いでしょう?」
アルファがそう言ってレーナを擁護した。
このパーティーが結成されて以来、確かに一度も無報酬の冒険依頼など引き受けた事は無い。
ただし、依頼者も報酬の出処も主にユーリィである。
ユーリィは最初の依頼をカナタ達に頼んだ時に、報酬として莫大な金額を提示した。
しかし、カナタは〝今後、自分達の冒険に対して無条件で依頼主となる事を承諾し、かつ、それに見合った報酬を支払う事〟を最初の報酬としてユーリィに求めた。
ユーリィは初め、それのどこが報酬になるのか理解できなかった。
が、今や報酬を支払う事に四苦八苦するほどに、その費用は莫大なモノになっていた。
特にヴィジョンが一般的になり、多くの子供達がヴィジョンを観て冒険者に憧れる社会現象が起きてからは一層この方針は厳しくなった。
「子供達に命の安売りを見せる訳にはいかない」
これがカナタの主張だった。
カナタ本人は、常に命を軽視した行動をとるが、彼は他者が命を軽視する事には酷く嫌悪感を抱いていたのだ。
その事を思い出したホレスとアリシアはハッとした表情を浮かべ、沈黙してしまった。
「はは様はワザと冒険依頼と言った」
ベータが確信に満ちた顔付きで全員に向かって言った。
「そうね。恐らくは何かしらの理由があってワザと冒険依頼と言ったのでしょうね。そうなのでしょう。お母様?」
アルファもベータの意見に頷いた。
「その通りです。ここからは、少しだけ込み入った話になるので、これから説明します」
ルクレシアはそんな娘達の成長を頼もしく思い、微笑みながら全員に向かって言った。
「断る理由などありません!」
ホレスとアリシアが即答した。
「待ちなさい、二人とも!まずは報酬を聞いてから依頼を引き受ける。これは冒険者の鉄則よ」
レーナは当然のように言った。
「こんな時にまで何を堅苦しい事を言ってんだ。レーナ、お前も断る気など無いんだろう?!」
「そうですよ、私は報酬なんて無くてもこの冒険に参加します」
ホレスとアリシアが抗議の声を上げた。
「いいえ。これはレーナが正しいわ。冒険依頼を受ける前は必ず報酬を確認する。これは冒険者の鉄則であり、カナタがリーダーとして決めたこのパーティーの鉄則でもあるわ。私達は一度も報酬の無い冒険に出た事など無いでしょう?」
アルファがそう言ってレーナを擁護した。
このパーティーが結成されて以来、確かに一度も無報酬の冒険依頼など引き受けた事は無い。
ただし、依頼者も報酬の出処も主にユーリィである。
ユーリィは最初の依頼をカナタ達に頼んだ時に、報酬として莫大な金額を提示した。
しかし、カナタは〝今後、自分達の冒険に対して無条件で依頼主となる事を承諾し、かつ、それに見合った報酬を支払う事〟を最初の報酬としてユーリィに求めた。
ユーリィは初め、それのどこが報酬になるのか理解できなかった。
が、今や報酬を支払う事に四苦八苦するほどに、その費用は莫大なモノになっていた。
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