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彼女のこと③
しおりを挟むその次の日、びーちゃんから熱が引いたと連絡が。すっかり元気になったようで僕も安心しました。さすがに病み上がりだったし、落ち着くまでは会うのを控えようと言いました。
びーちゃんが元気になったのは嬉しいけど、僕にはまだ解決せねばならないことがあります。モヤモヤしたままの疑惑をハッキリさせなきゃです。これからどうするかはちゃんと話した上で考えようと思いました。
あの日、びーちゃんの寝顔を見てこのままじゃダメだと思ったんです。寝てる間に体を触って確認すればよかった?いや、そんなことは出来ませんでした。勝手に触るとか、びーちゃんが嫌がることはしたくありません…。
《次会う時、聞いてみよう…!勇気を出して向き合います!》
そう決心した僕でしたが…それから1週間後、学校終わりに会う約束をしていたびーちゃんから思わぬ連絡が。
【ごめん、今日やっぱり会えない。これからしばらく会うのも、連絡取るのもやめよう】と。
「え!!?な、なんで…!!」
突然のその連絡に、思わず声を上げてしまいました。移動中に隣にいた志音も、僕の声に驚いています。すぐに【なんでですか?】と連絡を返すと、【ごめん】しか返ってきません。
【僕は会って話がしたいです】と送ると、今度は既読はついてるのにピタッと返信がなくなりました。
《急にどうしたんでしょう…。何かあったんでしょうか!?》
でも、このままにしとく訳にはいきません。僕はこの時、気付きました。びーちゃんと別れてもいいなんて全く思ってないんだと。
《今日、学校が終わったらすぐにびーちゃんの学校まで行ってみます…!学校名は聞いてるし近くだし…!急げば帰る前に間に合うはずです!》
会う約束をしていたから、今日何時頃HRが終わって出るか事前に聞いていたのです。僕はそれに間に合うように、ダッシュでびーちゃんの学校へと向かいました。志音に事情を話して、自転車を半ば強引に借りたので思い切り漕ぎました。
ヘタレで自分から行動するなんて難しかった僕が、こんなに必死になっているなんて。他でもない、びーちゃんのおかげです。
《つ、ついた…!!》
全力で自転車を漕いで着いたびーちゃんの通う高校。時間には間に合ったようです。今まで、「えーくんは来なくていい、自分が行くから」と言われてたので、この学校に来たのは初めてです。
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