98 / 339
98
しおりを挟む
「なんかよく分かんないけど、じゃ、行こうか」
覚えのある喋り方だった。軽やかに肩を抱かれ、若者の瑞々しい弾力のある腕から離れる。不言通りの明るさに動いた若者の顔をが露わになる。互いに目を丸くした。
「銀灰くん?」
「白梅ちゃっ…なんで?」
銀灰は極彩とその背にある色街とを交互に確かめた。
「ちょっと野暮用」
「めっちゃ奇遇じゃん。びっくりした。オレっちも今から帰るところ」
吊った目が大きく開き、抱擁される。後ろからの通行人の腕がぶつかった。すると離される。
「銀灰くん、縹さんの養子になるの」
いとこになるらしき快男児は無邪気に笑った。
「そろそろちゃんと答え出さなきゃなって思ったんすよ。桜ちんにばっか決断迫ってねぇでさ。縹サン、優しいし」
両手後頭部に当て、混雑する大通りを城に向かって進んだ。時折極彩の前に身を割り込ませ、衝突を代わりに受ける。横切る通行人がいると、腕で極彩の歩行を止めさせる。それがあまりに自然で、むず痒さを感じた。
「あ、そっか。白梅ちゃんはいとこになるんだ。よろしくっす」
ふと浮かんだ目的。銀灰は隣で笑っている。
「銀灰くん」
呼んでしまってから仲睦まじく胡桃と寄り添う姿が脳裏を過った。さらには、複雑な関係になる。合意を得られるとは思えない。
「うん?」
何も言うことはない。俯いてしまう。追及はされなかった。
「さっきのおっさんは誰?」
「城で偉い人みたい。たまたま会った」
「そうなんだ?気まずいだろうな~」
藤黄のことを訊ねられ、二公子の世話係、と言いかけやめた。この少年の前で忌々しい単語を吐きたくない。
「仕事中だって」
「本当っすかね~?傑物色を好むって言うし」
四方八方から咳払いが聞こえていたが一際大きく聞こえた。商店街から解放的な飲食店が並ぶ区画に来ていた。近くで空咳をしている者がいる。飲食店で飲み食いしている人々からも咳が聞こえた。
「大変すね、流行病。白梅ちゃんは大丈夫っすか」
「うん。…銀灰くんは?」
「大丈夫っすよ」
偶然向いた牛車の駅がある近くに葬式案内の看板が立っていた。銀灰も気付いたらしい。
「風邪は万病の因なんていうっすけど…季節柄っすかね」
銀灰は葬式案内の看板を凝らしていた。猫のような目が師によく似ていた。
「桜も風邪をひいてないといいけれど」
「あれ?会ってないんすね。ちょくちょく帰ってるみたいっすけど」
「わたしのところには」
首を振ってそう言い添える。縹のところには帰っているようだった。気にすることないっすよ!と快男児は的外れなことを思ったらしく背を叩いて励ました。
「し~らう~めちゃん」
「何?」
「へへ、良かった。またこうやって話せて」
突然強張った顔面に極彩は狼狽えたがしだいに笑みが戻り、犬歯を見せる。
「何言ってるの。いとこでしょう、わたしたち」
「そうだった、そうだった」
牛車に乗り、城に着く。
「縹さんには会ったの」
「会ってないんす。縹サンとはずっと。ずーっと会ってないんす」
銀灰の袖を引いた。その腕には力が籠っている。
「負い目があるんすよ。あの人には。負い目が…だから養子縁組の話なんて…」
極彩は大きく息を吐いたが予想外に大きく吹き抜け、溜息と化していた。地面と睨めっこ状態の頭が上がる。仕方ないとばかりに笑っている。誰も彼もがよく笑う。纏う雰囲気はまるで違うけれど。
「あの人もずっと笑う。何か言えばいいのに。あの人が頭を下げて、わたしは突っ撥ねた。もう笑うしか出来ないんだよ」
「後悔してるんすか」
銀灰の快活しか映らない口元と目元に仄暗い笑みがあった。極彩は少年の袖を離す。
「あの人も1人で全部抱え込めるくせに、捨てきれなかった。わたしはそこに甘えてしまった」
落ち着きのない足が極彩を追う。
「後悔いっぱいしたから、もうどうやったってするんだから、もう、なるべく」
極彩の言葉は掻き消えた。目の前に銀灰が回った。
「オレっちは!後悔してるのは、オレのほうだ」
眉を下げ恐れながら幼い吊り目が極彩を窺う。
「こんなこと、白梅ちゃんに言ったって…」
「言えないならそれでいい」
銀灰の脇を通り抜ける。庭の静けさの中にまだ小さく虫の合唱があった。もう少し経てば聞こえなくなるのだろう。うるさいくらいだった蝉の声はもうまったくしなかった。
「違う!」
猫が嵐を吹く様を思い描かせる。開いた距離を縮められる。
「お父上のこと?」
一瞬にして夕凪。頷いて控えめに唸ると尖らせた口を開く。
「マトモな親父じゃなかった。オレっちのことも、お袋の子とも放ったらかしでさ」
でもオレっちの親父ってあの人だからさ。沈んだ声で付け加える。縹の部屋がある寂寞に包まれた廊下には明かりが点いていた。あの部屋だと扉を指す。
「会えそうにないなら、ここで。送ってくれてあ、」
「行くっすよ、駄賃まで渡されてるんすから」
「城には着いてるけれど」
「…父さんにちゃんと挨拶するんす」
しかしそこからの銀灰の歩みは遅かった。先に縹の部屋の扉を叩く。取り込み中だよ、と答えたのは朽葉。二公子がいる。距離の空いてしまった銀灰に首を振る。「誰?」と扉の奥の者が問う。縹に問うたのか、訪問者に問うたのか分からなかった。世話係です。縹がはぐらかすのを聞いた。名乗るのをやめる。面倒事になるのだろう。そういう類の話らしい。物音に慎重になりながら極彩は自身の唇に指を立て、銀灰に無言を乞う。銀灰を抱き寄せ曲がり角へ共に隠れた。直後に扉が軋む。
「本当に、世話係かな?」
「でなければ誰が私を訊ねてくると仰せになるのです」
「ほら、間者とか。気を付けてよ?やっぱり警備を付けようか」
天藍のはっきりとした会話が近くにある。
「秋風でしょうね。立て付けが悪いのです。耳障りで申し訳ございません」
「今夜は冷え込むね。それなら本当に気を付けるべきは間者じゃないな」
その通りでございます。縹の返答に、これは真面目な話だよ、とおどけた調子で天藍は言った。
「ところで、姪とは仲悪いの」
「年頃の娘ですから。いつまでも叔父にべったりというわけには」
極彩にしない少し上擦った他人行儀な態度。銀灰も盗聴に集中しているらしかった。この会話を銀灰その人に聞かれるのは気分のいいものではなかった。
「どうかな。叔父にしたって縹、かっこいいし」
「ご冗談を。趣味が悪いお話の最中で申し訳ありません。本題から逸れましたが―」
扉が閉まる音を聞き、銀灰に外に出るよう促した。
「あの人は?」
「二公子」
教えていいものか。だが訊かれたままに答えた。
「二公子…」
ねぇ、彼を利用したらいいじゃん、いい駒でしょ?
「銀灰くん」
「…つれぇよ」
裏庭の雑木林まで来ると銀灰は肩を落とした。秋の訪れに死にゆく虫の抗いかと思うほどだった。
覚えのある喋り方だった。軽やかに肩を抱かれ、若者の瑞々しい弾力のある腕から離れる。不言通りの明るさに動いた若者の顔をが露わになる。互いに目を丸くした。
「銀灰くん?」
「白梅ちゃっ…なんで?」
銀灰は極彩とその背にある色街とを交互に確かめた。
「ちょっと野暮用」
「めっちゃ奇遇じゃん。びっくりした。オレっちも今から帰るところ」
吊った目が大きく開き、抱擁される。後ろからの通行人の腕がぶつかった。すると離される。
「銀灰くん、縹さんの養子になるの」
いとこになるらしき快男児は無邪気に笑った。
「そろそろちゃんと答え出さなきゃなって思ったんすよ。桜ちんにばっか決断迫ってねぇでさ。縹サン、優しいし」
両手後頭部に当て、混雑する大通りを城に向かって進んだ。時折極彩の前に身を割り込ませ、衝突を代わりに受ける。横切る通行人がいると、腕で極彩の歩行を止めさせる。それがあまりに自然で、むず痒さを感じた。
「あ、そっか。白梅ちゃんはいとこになるんだ。よろしくっす」
ふと浮かんだ目的。銀灰は隣で笑っている。
「銀灰くん」
呼んでしまってから仲睦まじく胡桃と寄り添う姿が脳裏を過った。さらには、複雑な関係になる。合意を得られるとは思えない。
「うん?」
何も言うことはない。俯いてしまう。追及はされなかった。
「さっきのおっさんは誰?」
「城で偉い人みたい。たまたま会った」
「そうなんだ?気まずいだろうな~」
藤黄のことを訊ねられ、二公子の世話係、と言いかけやめた。この少年の前で忌々しい単語を吐きたくない。
「仕事中だって」
「本当っすかね~?傑物色を好むって言うし」
四方八方から咳払いが聞こえていたが一際大きく聞こえた。商店街から解放的な飲食店が並ぶ区画に来ていた。近くで空咳をしている者がいる。飲食店で飲み食いしている人々からも咳が聞こえた。
「大変すね、流行病。白梅ちゃんは大丈夫っすか」
「うん。…銀灰くんは?」
「大丈夫っすよ」
偶然向いた牛車の駅がある近くに葬式案内の看板が立っていた。銀灰も気付いたらしい。
「風邪は万病の因なんていうっすけど…季節柄っすかね」
銀灰は葬式案内の看板を凝らしていた。猫のような目が師によく似ていた。
「桜も風邪をひいてないといいけれど」
「あれ?会ってないんすね。ちょくちょく帰ってるみたいっすけど」
「わたしのところには」
首を振ってそう言い添える。縹のところには帰っているようだった。気にすることないっすよ!と快男児は的外れなことを思ったらしく背を叩いて励ました。
「し~らう~めちゃん」
「何?」
「へへ、良かった。またこうやって話せて」
突然強張った顔面に極彩は狼狽えたがしだいに笑みが戻り、犬歯を見せる。
「何言ってるの。いとこでしょう、わたしたち」
「そうだった、そうだった」
牛車に乗り、城に着く。
「縹さんには会ったの」
「会ってないんす。縹サンとはずっと。ずーっと会ってないんす」
銀灰の袖を引いた。その腕には力が籠っている。
「負い目があるんすよ。あの人には。負い目が…だから養子縁組の話なんて…」
極彩は大きく息を吐いたが予想外に大きく吹き抜け、溜息と化していた。地面と睨めっこ状態の頭が上がる。仕方ないとばかりに笑っている。誰も彼もがよく笑う。纏う雰囲気はまるで違うけれど。
「あの人もずっと笑う。何か言えばいいのに。あの人が頭を下げて、わたしは突っ撥ねた。もう笑うしか出来ないんだよ」
「後悔してるんすか」
銀灰の快活しか映らない口元と目元に仄暗い笑みがあった。極彩は少年の袖を離す。
「あの人も1人で全部抱え込めるくせに、捨てきれなかった。わたしはそこに甘えてしまった」
落ち着きのない足が極彩を追う。
「後悔いっぱいしたから、もうどうやったってするんだから、もう、なるべく」
極彩の言葉は掻き消えた。目の前に銀灰が回った。
「オレっちは!後悔してるのは、オレのほうだ」
眉を下げ恐れながら幼い吊り目が極彩を窺う。
「こんなこと、白梅ちゃんに言ったって…」
「言えないならそれでいい」
銀灰の脇を通り抜ける。庭の静けさの中にまだ小さく虫の合唱があった。もう少し経てば聞こえなくなるのだろう。うるさいくらいだった蝉の声はもうまったくしなかった。
「違う!」
猫が嵐を吹く様を思い描かせる。開いた距離を縮められる。
「お父上のこと?」
一瞬にして夕凪。頷いて控えめに唸ると尖らせた口を開く。
「マトモな親父じゃなかった。オレっちのことも、お袋の子とも放ったらかしでさ」
でもオレっちの親父ってあの人だからさ。沈んだ声で付け加える。縹の部屋がある寂寞に包まれた廊下には明かりが点いていた。あの部屋だと扉を指す。
「会えそうにないなら、ここで。送ってくれてあ、」
「行くっすよ、駄賃まで渡されてるんすから」
「城には着いてるけれど」
「…父さんにちゃんと挨拶するんす」
しかしそこからの銀灰の歩みは遅かった。先に縹の部屋の扉を叩く。取り込み中だよ、と答えたのは朽葉。二公子がいる。距離の空いてしまった銀灰に首を振る。「誰?」と扉の奥の者が問う。縹に問うたのか、訪問者に問うたのか分からなかった。世話係です。縹がはぐらかすのを聞いた。名乗るのをやめる。面倒事になるのだろう。そういう類の話らしい。物音に慎重になりながら極彩は自身の唇に指を立て、銀灰に無言を乞う。銀灰を抱き寄せ曲がり角へ共に隠れた。直後に扉が軋む。
「本当に、世話係かな?」
「でなければ誰が私を訊ねてくると仰せになるのです」
「ほら、間者とか。気を付けてよ?やっぱり警備を付けようか」
天藍のはっきりとした会話が近くにある。
「秋風でしょうね。立て付けが悪いのです。耳障りで申し訳ございません」
「今夜は冷え込むね。それなら本当に気を付けるべきは間者じゃないな」
その通りでございます。縹の返答に、これは真面目な話だよ、とおどけた調子で天藍は言った。
「ところで、姪とは仲悪いの」
「年頃の娘ですから。いつまでも叔父にべったりというわけには」
極彩にしない少し上擦った他人行儀な態度。銀灰も盗聴に集中しているらしかった。この会話を銀灰その人に聞かれるのは気分のいいものではなかった。
「どうかな。叔父にしたって縹、かっこいいし」
「ご冗談を。趣味が悪いお話の最中で申し訳ありません。本題から逸れましたが―」
扉が閉まる音を聞き、銀灰に外に出るよう促した。
「あの人は?」
「二公子」
教えていいものか。だが訊かれたままに答えた。
「二公子…」
ねぇ、彼を利用したらいいじゃん、いい駒でしょ?
「銀灰くん」
「…つれぇよ」
裏庭の雑木林まで来ると銀灰は肩を落とした。秋の訪れに死にゆく虫の抗いかと思うほどだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる