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集団異世界召喚
異世界探検⑨
しおりを挟むーーーーーガハッ!
「死ぬかと思った…」
朝起きると目の前にはノエルが横になり寝ていた。
「なんかデジャブだな…」
俺はノエルの胸による窒息から逃れようと寝返る。するとそこにはカレンの姿ではなく澪がすぐそこで熟睡していた。
「カレンは…?」
カレンはどこにいったのかと思い、首だけで辺りを見回すと澪の隣に移動していた。
この状況は良くない、そう思った俺は直ぐ様ベッドから出ようとして移動する。
「んん…」
もう少しというところでノエルが俺の腕を引き寄せて元の位置に戻ってしまった。
「あー…不味いかも」
戻るときに澪の手を下に敷いてしまった。
このままではダメだとそーっと直そうとするがーーー
「んっ…ん?ミ…ナト?」
遅かったか…。澪が起きてしまった。
「何してるの?」
「いや、これは不可抗力というやつでして」
「問答無用っ!」
俺はノエルから引き剥がされるとデコピンをくらい、数分の説教タイムが始まった。
だがそれはなぜか嫉妬のようなものが混じっていた気もしなくない。
「みんなおはよう」
「おはようございます」
澪と話している間にカレンとノエルが起きてきた。シエルはカレンに抱えられたままだ。
その後、今日はカレンが作った朝御飯を食べてまたダンジョンへと向かうことにした。
今日はシエルが連れていってと甘えてきたから連れていくとにする。
「カレンちゃんの料理も上手ね、尊敬するわ…」
「いえいえ、ノエルさんにはほど遠いですよぅ」
確かにカレンはノエル程ではないかもしれないが、一流といっても過言じゃないと思っている。
少し喋っていると、ダンジョンについた。
転移陣を使って前に進んだボス部屋の奥へと転移した。
「戻ってきましたね」
「あぁ、油断できないな」
アラクネーは強敵だった、技も一流でなにより人間の様な高い知識を持っていた。
上だけ見ればただの人のようだな…。
「敵です!ですが…様子が変です」
前から現れたのはいつもは温厚で、人前に現れないロックエレメンタル。
魔法系統のステータスがずば抜けているが、その他のステータスはとても低い。
「どう考えても変だね」
ロックエレメンタルの足取りはフラフラしており、体の一部は欠損している。
「誰かが斃し逃したのかな?」
少し不安もあったが、気にせずに行こう。
情報通りならばこの先にウィンドウルフ、ゴブリンライダーのペアが居ると聞いた。
「もう少しだろうな」
「恐らく」
数分歩いた先から声が聞こえてくる、ウィンドウルフの鳴き声だろう。
剣を構え、突入するーーだがそこには思っても見なかった光景が広がっていた。
「なんだ……これは」
「ウィンドウルフとゴブリンライダーが死んでいますね…」
ウィンドウルフとゴブリンライダー数十匹が血を流して死んでいる。
誰が斃したのかと思い辺りを見回すとウィンドウルフらしき魔物が一匹だけ生き残っていた。
だが、様子がおかしい。
『ガァァッガウッ!』
ウィンドウルフは仲間のウィンドウルフ、そしてゴブリンライダーを次々に食べていっている。
「共食いか…?」
餌が無ければ最終的に共食いするということを図書館で読んだがそれも違うとすぐにわかった。
ウィンドウルフの姿がみるみる内に変化していく。
それはまるで風を体に纏った狼王の様だった。
【風牙狼王】
レベル?
仲間を喰らい暴走状態。
「ウィンドウルフロードってか」
暴走状態と分かりやすく、赤の粒子が奴を纏っている。
ウィンドウルフロードは俺達に気付くと一瞬で飛びかかってきた。
「くっ…何て早さだ!」
咄嗟にガードしたが刀にヒビがはいってしまった。雷神鬼剣へと即座に持ち替え、剣に雷を纏わせて雷を刃としてウィンドウルフロードへと放つがギリギリ躱されてしまった。
「これでも当たらないのか…」
「私達は魔法で支援します、その隙をついて決めてください!」
「わかった!」
澪とノエルとカレンの3人で支援してくれているが、一向に俺の剣が当たりそうにない。
「どうすれば…」
「ガァァッ!」
ウィンドウルフロードが吠えると辺りから竜巻が発生した。風魔法か…。
視界も少し悪くなってしまった。
「隙あり!アースクエイク!」
澪が土属性魔法でウィンドウルフロードの足元を砕き、態勢を崩してくれた。
「ここだっ!雷神滅鬼斬!」
「からのーーファイヤースピア!」
「グ…グォォ…」
渾身のコンボは見事に炸裂したが、なんとまだ斃しきれなかった。
まさかこのコンボを耐えるとは驚きだな。
「グォォ…ガァァァッッ!」
ウィンドウルフロードは最後の力を振り絞り、己を纏う風を強めてこちらへと向かってきた。
「っち…はやいなぁ」
強化魔法なのかはわからないが先程の数倍のスピードだとわかる。
俺でもこのスピードはみるのがやっとだ。
それにしてもなんてスピードだ…。
だがーーー
「サンダースパーク!」
前方へと中範囲攻撃のサンダースパーク。
これは攻撃能力は低いが麻痺の効果が長く、集団相手に使ったり、動きが速い相手などに使う為に考えた魔法だ。
サンダースパークによって動きを止められたウィンドウルフロードは、そのまま地面へと倒れ込んだ。
俺が止めを刺そうと雷神鬼剣を振りかざすと、ずっとカレンにしがみついていたシエルが俺とウィンドウルフロードの間へと割り込んできた。
「っ!危ないじゃないか!」
危うくシエルを斬ってしまうところだった。
「わふ、わふわふ…」
こちらを見つめてからウィンドウルフロードへと駆け寄り様子を伺っている。
『ミ…ナト、殺サ…ナイ…デ』
「っ!?」
急に頭に響く声がする。
〈念話を習得しました〉
念話…?もしかしてこれシエルなのか?
語りかけてきた言葉はまだ聞き取りにくいがこれはシエルだとわかった。
『ナカ…マ、スル』
どうやらシエルはウィンドウルフロードを仲間にいれたいようだった。
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