異世界神世界～神の実在した世界で俺が手に入れた力は無属性！？～

1章 異世界転移編

処刑中断

時は遡って数分前、、、。サクヤは何の障害物もないだだっ広い屋上で一人手錠をかけられ拘束されていた。
空は雲に覆われ少し肌寒い風がサクヤの肌に当たる。

「ソウスケの奴大丈夫かしら．．．。もしかして今酷い目に合わされていたりして．．。」


「自分より人の心配をするなんて随分と余裕があるようですね。」


後ろから男の声が聞こえた。サクヤが振り向くと真っ白なストレート髪にを至って誰でも着てそうな服を身につけた無表情の青年が歩いてきた。


「貴方は確かクリス．．．！！」


「へぇ、僕をご存じなんですか。」


青年はうっすら微笑む。


「知ってるも何も貴方を知らない人なんてこの国には殆どいないわ。

処刑執行人のクリスさん。」


「その名称で呼ばれるのはあまり好きじゃないんですけどね。というより僕がここにいるということは貴方これからどうなるか分かってるってことですよね。」


「アタシを処刑するつもり．．？」

サクヤは少し後ずさりした。今すぐにでも走って逃げだしたいが手錠の影響なのか体の動きに制限が掛かってうまく動けない。彼女が後ろに下がるたびクリスはその分近づいてくる。


「その通り。僕は貴方がどんな罪を犯したのかは知らないですが、処刑しろと上に言われたのでそれを行うためにここに来ました。」


「違う！！私は別に悪いことはしてない！！神に誓って絶対に！！」


ズバッ！！！


「っっ．．．！！！」


サクヤは左腕に鈍い痛みを感じた。目を向けると左腕から大きく出血していた。クリスの持つ剣に斬られたのだ


「別に貴方の意見なんて聞いてないんですよ。殺れと命令されたので殺る。それが僕の仕事ですから。」


この人本当に私を殺す気で．．．！！


傷口の痛みがどんどん酷くなるたびこの男に対する恐怖感も増してきた。


「じゃあそろそろ殺しますね。さよなら。」


クリスはサクヤに向かって刀を振り上げた。


「もう駄目．．．．！！」


逃げられないことを悟ったサクヤは目をつぶった。その瞬間、


「待てーーーーーーーーー！！！！！！！」


聞いたことがある声が響いた。　サクヤは目を見開き声のした方角に目を向けた。そこには少し前まで一緒に行動していた男の姿が見えた。


「ソウスケ！？」


「はぁ、はぁ、良かった！まだ処刑されてなくて．．。おい、そこのお前、今すぐサクヤを開放しろ。」


宗助がクリスに向かって指をさす。


「はぁ？いきなり出てきたと思えば開放しろとか何とかわけのわからないことを口走って、あなたこそ何者です？あ..そういえばもう一人ここの住人ではない男を処刑しろと言われていたんですが、もしかしするとあなたですかね？」


「なっ．．．？！俺もやっぱり処刑するつもりだったのかよ。」


「その様子からすると、どうやら図星のようですね。せっかく自ら処刑場に来てくれたんですからこの女より先にあなたから殺してあげますよ。」


クリスはサクヤを突き飛ばすと宗助に少しずつ近づいてきた。宗助も仮面の男から貰った剣を構えた。


「私の名前はクリスと申します。私の名前を覚えてから死んでいってくださいね。」


「俺の名は宗助だ！！お前をぶっ倒してサクヤを助ける！！！」