異世界神世界~神の実在した世界で俺が手に入れた力は無属性!?~

KT

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1章 異世界転移編

早すぎる再開

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(...........あれ....?まだ俺生きてるのか?...。あの出血量から見て完全に死んだと思ったのに...。)

宗助はふと自分に意識があることを不思議に思った。しかし、体は動かないし、目も開けられない。もしかしてこの状態が死後の世界なのではないかと宗助は恐怖を感じた。もし、このまま一生を過ごせなんて言われたら間違いなく発狂してしまう自信があった。何とか目だけでも開けようと力を入れるが開かない。もう駄目なのかと諦めかけた時、

「いつまで寝てるつもりだ?そろそろ起きろ。」

パチン

誰かの声と共に指を鳴らすような音が聞こえた。すると途端に体の自由が利き、目を開けることができた。

「うわっ........て...あれ..ここって....?」

宗助は体が動かせるようになったと同時に勢いよく起き上がり、辺りを見回すとあることに気が付いた。

「確か...あの森の中で見た空間と同じ所じゃ......」

「ようやく起きたか、目覚めは良好か?」

また、声が聞こえた。宗助は声のした方向に顔を向けると、あの夢の中で見た子供が立っていた。

「何だ....随分と不思議そうな顔をしてるな...。そんなに我とまた出会うのが可笑しいか?」

口調は明らかに子供のするようなものではないが、何故か嫌な気がしない。

「いや...まぁ、それもあるけど..。一応聞くんだけどここってもしかして死後の世界とかだったりする?」

その言葉を聞いた子供は急に笑い出した。

「死後の世界?ハハハハハハ!!だったら我と最初に出会ったときには既に死んでいることになってるじゃないか。ここは言うなればお前の中、精神世界よ。」

「精神世界....?]

「そうだ。お前の戦いを我はずっとここで見ていた。一瞬でやられおって笑ってしまったわ。まぁ、所詮我の力の5%程度しか譲渡していなかったからしょうがないといえばしょうがないがな..。」

「力...?5%...?..譲渡ってなんだよ?」

「何だ、理解せずに使っていたのか?お前と最初に出会ったときにお前の体の一部を引き換えに魔力を渡しただろう?それによってお前は魔法を防いだり、身体能力が向上したりしたはずだ。」

「確かに...!!あれってやっぱりお前のおかげだったのか...!!」

「その通りだ。我があの時にお前に力を与えてなかったら魔力のないお前は森を出た時に出会ったあの娘に殺されていただろうからな。感謝してもらいたいくらいだ。」

「だけど、その力を持ってもあのクリスには勝てなかったし.....。」

宗助はその悔しさに拳を握りしめる。

「あれは、今のお前の力では分が悪かったな。スキル/肉体技術も魔法も並みの人間の域を超えておったし..。だが、それはあくまで今の話だがな。」

「え.....それってどういうことだ...?」

「お前が我にさらなる力を求めればいい。そうすればお前の体の一部と引き換えに今以上の力を我はお前に与えることができる。」

「本当か...!!?でも、俺はもう....」

「さっきも言っただろう。ここは死後の世界ではなく、お前の精神世界だと..。この世界では現実世界とは違って時の流れが著しく遅い。だからお前の肉体はわずかだがまだ生きている。」

そういうと子供は宗助に近づき問いかけた。

「さぁ、どうする?このままここにいればいずれお前の肉体は死滅し、この精神世界も崩壊するだろう。
それでいいのならここにいても良し。だが、まだお前があの世界でやりたいことがあるなら....。」

「ある!!あるよ..。このまま俺が死ねばサクヤもあいつに殺されてしまう...。それだけは絶対に嫌だ!!」

宗助が強く反論する。その言葉に子供は宗助がそう言うと知っていたかのように不適な笑みを浮かべた。

「どうやら決心がついたようだな。いいだろう!ならばお前の肉体の一部を差し出すがいい。」

「分かった。それでどこを差し出したらいいんだ?」

「そうだな...。前は右手を貰ったからな..。次は左手を頂こうか。」

「ほらよ。」

宗助は左手を子供に差し出した。

「では頂くぞ。」

子供はそう言うと宗助の左手を掴み、勢いよく引っ張った。すると宗助の左手は以前のように簡単にちぎれた。

「.....っっっっ!!」

痛みはないが妙な不快感が宗助を襲う。ちぎれた部分に塵あくたが集まり左腕が形成されていく。見た目はほとんど変わっていない。唯一変わったのは右腕と同じ痣が左腕にも浮かんでいることだけだった。

「これでお前は私の魔力をさらに取り込むことができた。ざっと10%程度の力だがそれでもあの男に対抗するのは可能だろう。」

「あの、一つ聞くんだけどそんな少しずつじゃなくて一気に力を貰うってことはできないのか?」

「できないことはないがそうすれば多分お前の体は急激な魔力上昇で廃人になるかショック死することになるぞ。」

「なっ...!?ショック死!?」

宗助の背中にぞくっと寒気が走った。

「あくまで一気に渡したときの話だ。だが、今さっき行った力の付与も何のリスクもないと思わない方がいいぞ。ほんの数時間前にお前に我の力を5%程度渡したと思えば、またさらに5%付与した...。近々その負担がお前にくると思うが、まぁ死なない程度だろうから心配するな。」

なんともまぁ爽やかな笑顔で言うのだろうかこの子供は....。

「そういや、肝心なこと聞いてなかった。お前の名前は何ていうんだ?」

「我の名前か..?確か....ゼ..ゼ...そうだゼロ!我の名前はゼロだ!!よく覚えているがいい。」

「自分の名前をうろ覚えってどんな奴だよ.....。」

「仕方がないだろう。我もあの箱に入っている間はずっと眠っていたからな。正直のところ今は名前以外のことは我の本能がこうしろと命じている通りに行っているのだ。」

「まじかよ...。ていうか、何でゼロはあの箱に入っていたんだ?それに俺の肉体を求める理由とか...。」

「ん?まぁ、それも今からぼちぼち思い出していくし、答えるつもりだ...。これから長い付き合いになるのだからな。それより、そろそろ目覚めるぞ。さっさとあの男をねじ伏せてくるがいい。」

「え..ちょっと,まだ、、!!」

パチン

ゼロが指を鳴らすと宗助の視界は暗転した。



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